短編④
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「合コン?」
「ああ、サボの奴がどうしてもって言うから仕方なく行って来る」
「・・・・・・・・・へーえ?」
久しぶりに会ったエースが、明日合コンに行くと言う。
・・・・・・・・・仮にも付き合って1年の彼女が居るというのに。
仮にもその彼女を目の前にして。
堂々とエースは言い放ってくれちゃった訳です。
「・・・・・・・仕方なく、だぜ?」
言い訳するように呟いたエースに、私はにーっこりと笑った。
「それはアレでしょ。私と別れるってことだ?」
「違ェ!」
「じゃあ私の他にもう1人女作るけど許せよってことかしら」
「それも違う!だから俺はサボに頼まれて仕方なく行くんだって」
「仕方なく、ね。ああそう」
「・・・・・・怒るなよアコ」
ぷい、と横を向いた私に困ったように話しかけるエース。
でも絶対許せない。
普通彼女居るのに合コン行く?
「・・・・・・・・・・怒るよ馬鹿」
「すぐ帰る。約束するから」
「美人いっぱい来るんでしょ」
「・・・・・・・・知らねェけど」
「あーあ、私も合コン行こうかなー」
何気なく呟けば、
「駄目だ」
即答で。
「だってエースは行くのに」
「それは・・・っでも駄目だからな!行くなよ!?」
必死にそう叫ぶエースがちょっとだけ可愛いし嬉しいけど。
「わかった、合コンには行かない」
私の言葉に一瞬ほっとした様子のエースに、
「男友達と飲みに行こっかな」
「・・・・・・・・・・・・おい」
「だから合コンには行かないって」
「似たようなもんじゃねェか。そもそも誰を誘うつもりだ」
「ロー君とかサンジ君」
「絶っっ対許さねェ」
ぐ、っと握られた手に力が入って、エースが怒ってるのがわかる。
・・・・・・・・でも、エースは合コン行くんじゃん。
「私の気持ちは無視ですか」
「・・・・・・・・・・悪ィ」
小さい謝罪に痛む胸。
「約束しちゃったんだから別に今更断れとは言わないけど」
「・・・・ああ」
「人数合わせ、じゃないよね?サボ君なら他にも誘う人居たでしょ?」
私も少し落ち着いてきて、そしたら色々おかしい点があることに気づいた。
だって今までこんなこと、なかったし。
「・・・・・・・・絶対他の奴には言うなよ?」
「うん言わない」
「サボの好きな奴が来るんだよ、明日。そんで俺とルフィが協力することになったって訳だ」
「ルフィも行くの!?」
「金はサボ持ちだから、食い放題って聞いて喜んでる」
「・・・・・・・・・・そういうことか」
聞いて納得、何となくため息が出た。
「俺はアコ以外の女に興味ねェし、別れる気もねェ」
「ルフィも行くなら安心かなあ」
「・・・・・・・・・俺は信用ナシか」
「だってエースカッコイイし優しいし合コンなんて行ったら絶対モテるしそしたらエース馬鹿だし絶対乗りそうなんだもん!」
早口で気持ちをまくし立てると、エースは呆れた顔。
「俺は褒められてんのか?馬鹿にされてんのか?」
「だって・・・・・好き、なんだもん」
気持ちが溢れて口に出た瞬間、足の動きが止まった。
「・・・・エース?」
「アコ、悪ィ」
「へ?」
突然の謝罪の後、エースはいきなり私の唇に自分の唇を重ねた。
ちゅ、っというリップ音を残してすぐに離れたけど。
・・・・・・・・・こんな路上で、キス。
「ちょっエース!」
「だから最初に謝っただろ?」
悪ぶれもなく無邪気に笑うエースに反論出来ない私。
「・・・・・・・・・・・もう」
「アコが可愛くて、つい」
「馬鹿。エースの馬鹿」
「馬鹿ってのはまァ、認める。でも俺が愛してんのもちゅーすんのもアコだけってことは、信じろ」
少し顔が赤くなったエースの力強い言葉に私はただ頷くしか出来なくて。
「うん・・・・・信じる」
伝えれば、力強く抱きしめられた。
「・・・・・エースここ路上」
「あとちょっとだけ。な?」
・・・・・・・・そしてやっぱり、
私は静かに頷いた。