短編④
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船が島に着けば、皆それぞれに動くのは当たり前で。
エースは美味しい物を食べに行くし。
いい女いるかなあとナンパしに行ったりそういうお店に行ったりする人もいる。
私はといえば買い出し第一弾要員で。
メモと手元にある買ったものを照らし合わせて。
うん、大丈夫。
・・・っと。
目の前に見慣れた頭を発見して驚いた。
・・・・・・あらマルコさん。
何人もの美人さんに囲まれて歩いてる。
・・・・・・あらぁ。
「ってことがあったんですよ」
「うっわうらやましー」
「・・・・・サッチさん」
買った食材を確認してもらいながらマルコさんを見かけたことを話したらサッチさんすごくうらやましそう。
「アコちゃんだって悔しくない?」
「ないです」
「お、余裕?」
「余裕というか・・・・・」
「付き合ってる訳じゃないっしょ?2人」
「まさか」
「でもアコちゃんマルコのこと好きだよね」
「好きですけどね」
何でかサッチさんには私の片想いが結構前にバレていた。
まあ・・・・1番側に居る時間があるからかもしれないけど。
「まーマルコも男だから仕方ないよ」
「嫌でも普通好みってあるじゃないですか」
「そりゃああるよ。俺はやっぱボンキュボンがいい」
「サッチさんの話はどうでもいいです」
「・・・・少しは俺にも興味もって?・・・んで?」
「可愛い系も居れば美人系もいたし、それこそボンキュボンなお姉さんもいればそうでないお姉さんも居たんですよ」
「・・・・マルコの奴、贅沢だなあ」
「そういう問題ですか?」
「色んなタイプを喰い散らかすなんて贅沢だ、あいつは」
「そう思うのはサッチさんだけですよ。マルコさんらしくないです」
「よしわかった」
「え?」
「マルコの好みのタイプ聞いておくから、安心しなって」
「え、いやそういうことじゃなくて」
「さーて俺もナンパしてこよっと!!」
「あ」
・・・・・・サッチさんは人の話しを聞かない。
そんなことがあってから2日後。
私も自由なので美味しいご飯でも食べに行こうかと船を降りた。
「ねェ君可愛いね、俺と飯行かない?」
たまーに声をかけられるんだけど。
私は今1人で食べたい気分。
どうやってあしらおうかなー。
「あ、あそこに金髪美人発見」
「え、まじ?・・・・・・・・・・・って」
パイナップルだけど。
「うちのモンに何か用事かい?」
「し・・・・・っつれいしましたぁぁ!!」
良かった、たまたまマルコさんが近くにいて。
「・・・・顔パスってすごいですよねマルコさん」
「いいもんでもねェよい。飯かい?」
「はい、ご飯にしようかと。マルコさんは?」
「俺もだい、一緒に行っても?」
「勿論です。おススメとかあります?」
「酒の美味い店ならあるよい」
「あはは、そこでいいですよ」
・・・・酒の美味い店、か。
お姉さんが美人じゃないことを祈る。
「わお」
「落ち着くだろい?」
「・・・・はい、とっても」
店構えもそうだったけど、
店内もなかなか渋い。
中に入ったら渋いおじさま店主さんがらっしゃい、と不愛想に迎え入れてくれた。
お酒もおつまみも美味しい。
「昨日見つけた店だい」
「・・・・・・一昨日は?」
「一昨日?」
怪訝な顔をしたマルコさんに、しまった、と思った。
「あ、いえ・・・・・その、外でお見かけしたので」
「・・・・ああ、一昨日は何処にも行ってねェんだよい」
「え・・・・・・そう、なんですか?」
「治安やら食い物やらを見てただけだよい」
・・・・さすがマルコさん、と言いたいところだけど。
女の人と歩いてた、のに。
・・・・って言えないけど。
「私も買い出ししましたけど食材はなかなかですよね」
「ああ、治安も悪くなさそうだい。・・・・ところで、良かったのかい、飯」
「え、食べてますよ」
居酒屋だけど海鮮丼をしっかり注文して今美味しく頂いている。
「・・・さっきの男の話しだよい」
「さっきの?・・・・・あ、ナンパ男ですか?あんなのと一緒にご飯なんか食べたくないですよ」
「ははっ、そりゃそうだねい」
「・・・・マルコさんも」
「ん?」
言わなきゃいいのに、何故か口に出していた。
「私じゃなくてもっと美人なお姉さんと一緒にお酒飲みたかった、ですよね」
「・・・珍しく卑屈だねい、アコ」
「え、いや、あの」
「昨日サッチが聞いて来たよい」
「な・・・・何を」
「俺の好みの女のタイプ」
「そ・・・・それでマルコさんはなんとお答えに?」
「男に教える義理はねェ、だよい」
ああ・・・・サッチさん撃沈。
私も撃沈。
・・・・や、じゃない。
私男じゃないもの。
私が聞けば答えてもらえる・・・・!?
いやでも怖いわ!!何か!!
一昨日の美女たちタイプは違えど皆素敵だったし!!
「聞きたいかい?」
「へ!?」
「俺の好みの女」
ゴクリ、と思わずサーモンを飲み込んだ。
「あ・・・・・・・・当てます!」
「へェ、面白いじゃねェかい。当ててみろよい」
「ショートヘアな美人系でボンキュボン!」
「違うよい」
「ロングストレートな可愛い系!!」
「ないねい」
「・・・・・あれれ」
「つーか・・・やけに具体的だねい?」
「そ・・・・・・・そうですか?」
ぎくり。
「どこからできた、そのイメージは」
「・・・・・・・・・・・・・一昨日見ました。マルコさんと、その」
一緒に。ごにょごにょ。
「どれもはずれだい。正解は・・・・容姿はそこそこで、料理が上手い女」
「・・・・あらま、意外です」
「・・・・それと鈍感ってのもだよい」
「ますます意外ですーってかマルコさんの方も具体的・・・・・・・?」
・・・・・あれ?
「どうにも脈がなさそうなんで適当な女見繕ってみたがどうにもそそらなくてねい」
「・・・・・はあ」
「髪は短くても長くてもいいが、美人よりは可愛い、だねい」
料理なら自信はあるしあとは可愛くならないと!!
「まだわかってなさそうだから言うけどよい」
「はい!?」
「今度から俺の隣以外は歩かせねェよい」
「は・・・・・・・・・・・は・・・・・い?」
「可愛いねい、アコは」
あれ私可愛いの?
じゃああと料理もっと上手くなれば、
「料理も美味いしよい」
「あ、ありがとうございます・・・・!」
じゃああとは鈍感になればいいのね!?
「鈍感なとこも可愛いよい」
あらすでに鈍感だった!?
え、じゃあマルコさんの好みの女になれてる!?
その日の夜サッチさんに報告したら、
駄目だこりゃ。
と言われた。