短編④
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「エース・・・・ちょっと付き合って」
大学の学食で幼馴染のエースを発見。
「・・・・・またか」
「またさ」
エースの向かいに座って、慣れた顔のエースに頷く。
「で、今度は何日もった?」
「3日」
「・・・短ェなおい」
「そんなもんよ」
「ま、そんなもんだな」
「・・・・・・ほんと、そんなもんよ私の恋なんて」
「恋じゃねェだろアコの場合」
「ひっどい・・・・恋だよ・・・・・たぶん」
「今回の原因は?」
「普通失恋の原因聞く?」
大学に入って何故かやってきたモテ期。
3ヵ月で付き合った人数は3人。
今回は3日。
その前は2週間。
更に前は1週間。
・・・・・いずれも告白されて。
私がフられるパターン。
「いつものことだろ?」
「・・・・まあね」
フられてエースに愚痴るのもいつものこと。
「で?」
「私が可愛くなかったからじゃない?」
「じゃあ何で告白したんだろうな」
「私が可愛く見えたからじゃない?」
恋愛なんて所詮まやかし。
幻覚。
「・・・・何で付き合ったんだよアコも」
「好きだって言われたから」
「好きだって言われたら誰とでも付き合うのかよ」
何処か怒ったようなエースに一瞬考える。
「・・・誰とでもじゃない。友達だから」
「あのな。友達と恋人は違うだろ?」
「・・・・でも付き合ってたら恋になるかもしれないって思ったんだもん」
「そう簡単にならねェだろ」
「だから私は時間をかけてじっくり派だし」
「我慢出来なかった相手が悪い、と」
「でしょ?」
「まァな」
私も悪いところあるかもしれないけど。
相手だって悪い。
「そもそも嫌いなタイプなら告白されてもOKしないし」
「・・・・嫌いなタイプってどんな?」
「暴力ふるったり俺様な人はいや。というか無理。何かにつけて自慢してくるのも嫌」
愚痴にみせかけた自慢とかも無理。
「じゃあ好きなタイプは?」
「我慢強い人、長く一緒にいる人、普通に優しくて落ち着ける人信頼できる人」
「次告白されたらどうすんだよ」
「今の条件にぴったりの人のみ受け付けます」
「いるか?そんな奴」
「いないなら結構。っていうか私まだ学生なんだから、学生の本分は勉強でしょ?」
「・・・真面目だなァおい」
「真面目ですから」
苦笑いを浮かべるエースににっこりと微笑み返してやった。
「そもそもお前昔はそんなモテなかったのにな」
「ほんとよ。何で急に・・・・」
「・・・・好きな奴が出来たとか?」
「恋をすると綺麗にって?好きな人いたら告白受けてませんて」
「そりゃそうか。モテて嬉しくねェの?」
「素敵な恋に繋がれば嬉しいけど、最短3日よ」
「ははっ、確かにな!」
「もう学習した。付き合って3日で違和感に気づくの」
「どっちが?」
「相手が。そこからずるずる付き合ってみるかその辺で別れを切り出すか、なのよ」
「・・・大変だなアコも」
「大変なの、こっちは真剣に付き合ってみようとしてるのに」
「・・・・付き合ってる、じゃねェんだな」
エースに言われてふと気づいた。
・・・・付き合ってる、つもりだった?
もしかして私。
付き合ってなかったのか。
「・・・・だからフられたのかな」
「知らねェけど。・・・・俺ならそれでも別れたりしないけどな」
・・・・嫌いじゃないから付き合ったんだけど。
好きでもなかったから付き合おうとしてた。
なろうとしてた、んだな。私。
「でもそれって駄目なこと?」
「駄目じゃねェよ。真面目なアコらしいと思うぜ」
・・・・エースの優しい言葉に涙が出そうだ。
「ねえエース」
「ん?」
「私と付き合わない?」
「・・・・・・・・・・・・・・・何言ってんだお前」
さすがのエースもこれには驚いたらしい、
目を丸くして顔を赤くさせた。
「・・・ごめん冗談」
「・・・・冗談かよ」
エースが赤い顔のまま睨み付けて来たので慌てて弁明。
「だってエースならこうして私の愚痴にしょっちゅう付き合ってくれる我慢強さもってるし」
「いつものことだからな」
「子供時から一緒だし、普通に優しいし信頼も出来る。一緒にいて・・・落ち着けるし」
この気持ちが恋かはわからないけど、
エースだったら別れなくてすむんじゃないかなあとか。
「じゃあ俺でいいだろ」
「・・・・・ん?」
「我慢強さには自信あるぜ、今まで1回も手出さなかったんだからな」
「・・・・・エース暴力ふるう人じゃないのは知ってる」
「そっちじゃねェよ」
「じゃあどっち」
「こっちだよ」
ぐっと顔が近づいた。
「・・・・えーす?」
「このままキス出来んだぞ俺は」
「・・・・・・・・は!?何で!?」
今度は私が目を丸くする番。
「・・・・ずっと好きだったからな」
「え・・・・・・・・・・・・えええええっ!?」
ウソやん!?
「嘘じゃねェぞ」
「わっ・・・私は今まで私のことを好きな人に告白されただの付き合っただの別れたのと」
相談してたの・・・・?
「言わなかった俺が悪い」
「・・・・・・・・・・ごめ」
「・・・それが告白の返事か?」
「あ・・・・あー・・・・どうしようエース、エースに告白されちゃった!!」
ってエースに相談してどうすんの私!!
「いいアドバイスしてやるよ」
「なに!?」
「付き合えよアコ、絶対幸せになれっから」
「・・・・・・・・・・・・・・はい」
自信満々の笑みと。
今までの実績勝ち。