短編④
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「うーん・・・・・・・」
あれでもこれでもない。
選ぶのは楽しいけど、難しくもある。
でもせっかく島に着いたんだし。
せっかくこんなにいっぱい種類あるんだし。
・・・・新しいの欲しいし、
買うなら可愛いのがいいじゃない?
悩む。
「オネーチャン悩んでんの?俺が選んでやるよ」
・・・・ああ、何だって私はこんな運命なんだ。
こんな変な人にしか声をかけられないんだろう。
「私が選ぶんでお構いなく」
「ほらこれなんかどーよ?」
舌打ちが出そうになったのを必死に抑えた。
・・・・私が選ぶって言ってんでしょーが。
付き合ってられるか、とそのままシカトしていると、
「ほらァこれ着て俺といっちゃお?」
お前1人で行け。
そんな私の気持ちを代弁してくれたのは、
「悪ィな兄ちゃん、こいつの水着は俺が選ぶって約束してんだ。だから1人で行ってくれねェか?」
「んだよ、男いたのかよ。萎えるぜ、ったく」
・・・・勝手に萎えてろ。
な男にあくまで優しい笑顔で見送るエース。
「約束してないよねエース」
「しただろ?」
「いつ?」
「昨日の夜」
「してません。そもそも私今日だってこっそり出て来たのに!!」
何故バレた!?
「尾行した」
「・・・・・・うぬぬぬ!!」
「で、どれ買うんだ?」
「あーこれとこれで悩んでてー・・・・って、こら」
「こっちが俺の好みだけどな」
「そうなの?・・・・じゃないよ。何普通に選んでるの」
「買うんだろ?水着」
「買うけどさ」
「やっぱビキニだな」
「あのねエース、水着は食べられないのよ」
「当たり前だろ?」
「・・・・エースも買うの?水着」
「いや、俺泳がねェし」
「ここは水着売り場よ」
しかも女性用の。
「だから俺が選んでやるって。お、これなんかいいんじゃねェ?」
「自分で選ぶってば。・・・・てかさ」
「んー?」
あくまでエースは帰る気はないらしい。
「・・・・さっきからエースが選んでるのって」
露出多いのばっか。
「アコに絶対似合うと思うぜ!」
すんごい爽やかな笑顔で言われて思わず言葉に詰まった。
いやいや、騙されちゃいけないよ。
「さすがにこれは着れません」
「着ようぜアコ」
「着ませんて。こっちの方が可愛いかなぁ」
「それはつまんねェ」
「・・・・あのさ。エースの為の水着じゃないんだからさ」
「俺のためだろ?」
にっこり。
・・・・エースって正直食べ物と父さんと弟のことしか興味ないんだと思ってたのに。
実は女の子にも興味あるのかしら。
でもよりによって私に興味もたなくていいのに。
「こういうのはもう少し痩せてからじゃないと着れないわー」
「そっか?俺は見たいけどな」
・・・・だからさ。
エースの為の水着じゃないんだって。
私の視線に気づいたのか、
「俺が金出したら着てくれんのか?」
・・・・とか言い出した。
「エースお金ないでしょ!?」
「ないことないぜ?」
「え、あるの?」
いつも食い逃げしてるし、ないのかと思ってた。
「それ買えるくらいの金ならある」
「いや着ないけど」
私は私の為に水着が欲しいんだから。
「駄目か」
・・・・なんて本当にがっかりした様子で肩を落としたエース。
・・・・なんか私が悪いことした気分。
「・・・・そんなに着て欲しい?」
「すっげェ着て欲しい」
「ナースさんの方がナイスバディだしさ、買って着てもらったら?」
まあ必ずしも着てくれるとは言い切れないんだけど。
「わかってねェなァ」
・・・・むか。
馬鹿にしたようなエースの言い方。
「何が」
「俺が選んだ水着を着るアコが見てェの」
「・・・・・・・・・・・何?私に恥かかせたいのエース」
何を言うのかと思ったら。
喧嘩売ってんのエース。
「ははっ、そっちにいくのかよ」
「・・・・どっちよ」
更に笑われた。
「もしかして俺が食いものにしか興味ないとか思ってねェか?」
しかもそれもバレた!!
「お・・・・・・・・思ってナイヨ」
「思ってんだな。俺だって男だから」
くい、と身体を抱き寄せられた。
「え・・・っエース?」
そして耳元で、
「好きな女に好みの水着を着せたいと思うのは男として当然だろ?」
・・・・・と囁いた。
「す・・・・・・・・っ」
・・・・・それはもっと先に言って欲しかった。
数日後、
エースが選んだちょっと露出のある水着を着た私が、
エースと海に居たりして。