短編③
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夏にいい印象はなかった。
暑いだけだ。
しかも暑いからと恋人のアコはくっつくのを嫌がる。
人混みはまあ嫌いじゃねェが、
暑さによって露出が多くなったアコを見る他の男の視線が気に入らない。
・・・なら家で冷房を入れてイチャイチャすればいい、と思うんだが。
そうすると必ずアコが寝る。
寝たアコに手を出そうもんなら別れを切り出されることは間違いない。
1度とんでもねェ目に遭った。
・・・だがまあ、夏も悪くはないと隣を歩く恋人を見て思う。
「楽しいね、シャンクス」
「ああ・・・そうだな」
祭りに行かないか、と誘ったのは1週間前。
最初は、
「日曜予定あるか?」
と聞いた俺に、恋人兼同僚のアコはきょとんとして、
「休日出勤?」
と返して来た。
こういう天然なところも可愛いと思っちまうのは重症ってことなんだろうなァ。
「いや、恋人としてデートのお誘いさ」
「行きたいところあるの?珍しいね」
「ああ、夏祭りがあるだろう?」
「あるけど・・・・行く?」
「行かないか?」
「勿論、行くわ」
この夏は、決めたことがあるんだ。
「驚いたな。まさかこんな可愛い姿が見られるとは思わなかった」
「せっかくのお祭りだし、と思って」
箪笥の奥から引っ張り出して来たの。
と軽やかに笑うアコは艶やかな浴衣姿だった。
「よく似合ってる。・・・行こう」
何処かいつもより可愛く見えるアコと夏祭りの中へ。
既に賑わっている祭り。
食べ物の匂い、笑い声。
はしゃぐ子供、家族連れ。
「さすがに人が多いな、大丈夫か?」
「大丈・・・・ぴぎゃっ」
大丈夫、と言った側から人にぶつかった。
思わず笑いそうになるのを堪えてアコの手を取った。
「アコ、こっちだ」
「有難う・・・っ」
少し顔を赤くしたアコに、
「何か食べるか?」と聞けば、
「トウモロコシ!焼きそばたこ焼きたい焼きにカキ氷にチョコバナナ!!」
元気に返って来た。
「そうこうなくちゃ、だな。まずは焼きそばからどうだ?」
「食べよう!!」
屋台の焼きそばは久しぶりに堪能したな。
それから色々屋台を見て回り、デザートのチョコバナナを食べたところで。
「あ、射的」
不意にアコが射的に目をやる。
「欲しいのあるか?」
「あのお菓子の缶、可愛い・・・」
「よしきた。おっちゃん、1回」
「あいよ、頑張んな」
おっちゃんの顔を見りゃわかる。
これはどうせ当たらない、と言う顔だ。
どうせ簡単には倒れない細工でもしてあるんだろうが。
今回は相手が悪かったな。
狙いを定めて、と。
スコン、と小気味いい音がして。
アコが欲しがったお菓子が倒れた。
「げ。・・・・すげぇな、あんちゃん」
「可愛い彼女の前だ、みっともない姿見せる訳にゃいかないだろう?」
目を輝かせるアコにお菓子を手渡してやれば、
「すごーいシャンクス!有難うっ」
こんな笑顔が見られるなら夏祭りも悪くない。
「楽しいな、アコ」
「すっごく楽しい。でも珍しいね?シャンクス人混みいつも嫌がるのに」
「花火が一緒に見たかったんだ」
「花火・・・っシャンクス好きだったっけ」
「アコ、ついてる」
アコの口元についてるチョコをぺろりと舐めあげたところで、
ドン、と音が響いた。
そして。
「わ・・・・あ」
夜空に上がった、花火。
「知ってるか?アコ」
「・・・何を?」
「この花火を見れた男女は永遠に側に居られるそうだ」
「シャンクスがそういうの信じるって珍しいね」
「縋れるものに縋ってみようかと思ってな」
「・・・・何かあった?」
少し不安そうなアコにポケットに隠し持っていたものを差し出す。
「これを受け取って欲しいんだ」
「これ、って」
「俺と結婚してくれないか?ずっと側に居て欲しいんだ、アコ」
汗が頬を伝う。
耳に聞こえるのは賑やかな声。
泣き叫ぶ子供、笑う大人たち。
・・・・見えたのは、
「・・・はい、喜んで」
アコの笑顔。
ああ、夏も悪くないもんだ。
暑いだけだ。
しかも暑いからと恋人のアコはくっつくのを嫌がる。
人混みはまあ嫌いじゃねェが、
暑さによって露出が多くなったアコを見る他の男の視線が気に入らない。
・・・なら家で冷房を入れてイチャイチャすればいい、と思うんだが。
そうすると必ずアコが寝る。
寝たアコに手を出そうもんなら別れを切り出されることは間違いない。
1度とんでもねェ目に遭った。
・・・だがまあ、夏も悪くはないと隣を歩く恋人を見て思う。
「楽しいね、シャンクス」
「ああ・・・そうだな」
祭りに行かないか、と誘ったのは1週間前。
最初は、
「日曜予定あるか?」
と聞いた俺に、恋人兼同僚のアコはきょとんとして、
「休日出勤?」
と返して来た。
こういう天然なところも可愛いと思っちまうのは重症ってことなんだろうなァ。
「いや、恋人としてデートのお誘いさ」
「行きたいところあるの?珍しいね」
「ああ、夏祭りがあるだろう?」
「あるけど・・・・行く?」
「行かないか?」
「勿論、行くわ」
この夏は、決めたことがあるんだ。
「驚いたな。まさかこんな可愛い姿が見られるとは思わなかった」
「せっかくのお祭りだし、と思って」
箪笥の奥から引っ張り出して来たの。
と軽やかに笑うアコは艶やかな浴衣姿だった。
「よく似合ってる。・・・行こう」
何処かいつもより可愛く見えるアコと夏祭りの中へ。
既に賑わっている祭り。
食べ物の匂い、笑い声。
はしゃぐ子供、家族連れ。
「さすがに人が多いな、大丈夫か?」
「大丈・・・・ぴぎゃっ」
大丈夫、と言った側から人にぶつかった。
思わず笑いそうになるのを堪えてアコの手を取った。
「アコ、こっちだ」
「有難う・・・っ」
少し顔を赤くしたアコに、
「何か食べるか?」と聞けば、
「トウモロコシ!焼きそばたこ焼きたい焼きにカキ氷にチョコバナナ!!」
元気に返って来た。
「そうこうなくちゃ、だな。まずは焼きそばからどうだ?」
「食べよう!!」
屋台の焼きそばは久しぶりに堪能したな。
それから色々屋台を見て回り、デザートのチョコバナナを食べたところで。
「あ、射的」
不意にアコが射的に目をやる。
「欲しいのあるか?」
「あのお菓子の缶、可愛い・・・」
「よしきた。おっちゃん、1回」
「あいよ、頑張んな」
おっちゃんの顔を見りゃわかる。
これはどうせ当たらない、と言う顔だ。
どうせ簡単には倒れない細工でもしてあるんだろうが。
今回は相手が悪かったな。
狙いを定めて、と。
スコン、と小気味いい音がして。
アコが欲しがったお菓子が倒れた。
「げ。・・・・すげぇな、あんちゃん」
「可愛い彼女の前だ、みっともない姿見せる訳にゃいかないだろう?」
目を輝かせるアコにお菓子を手渡してやれば、
「すごーいシャンクス!有難うっ」
こんな笑顔が見られるなら夏祭りも悪くない。
「楽しいな、アコ」
「すっごく楽しい。でも珍しいね?シャンクス人混みいつも嫌がるのに」
「花火が一緒に見たかったんだ」
「花火・・・っシャンクス好きだったっけ」
「アコ、ついてる」
アコの口元についてるチョコをぺろりと舐めあげたところで、
ドン、と音が響いた。
そして。
「わ・・・・あ」
夜空に上がった、花火。
「知ってるか?アコ」
「・・・何を?」
「この花火を見れた男女は永遠に側に居られるそうだ」
「シャンクスがそういうの信じるって珍しいね」
「縋れるものに縋ってみようかと思ってな」
「・・・・何かあった?」
少し不安そうなアコにポケットに隠し持っていたものを差し出す。
「これを受け取って欲しいんだ」
「これ、って」
「俺と結婚してくれないか?ずっと側に居て欲しいんだ、アコ」
汗が頬を伝う。
耳に聞こえるのは賑やかな声。
泣き叫ぶ子供、笑う大人たち。
・・・・見えたのは、
「・・・はい、喜んで」
アコの笑顔。
ああ、夏も悪くないもんだ。