短編③
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「女1人でラーメン屋行って何が悪いのよ」
「別に悪くはないな」
同棲中の恋人のシャンクスが苦笑した。
「でしょ!?」
「おかげで俺達が出会えたんだ」
「・・・・そうだっけ?」
「ああ、感謝しねェとな」
・・・・・・・・そうだっけ?
まあ、それはいいとして。
何故これほど私がこのことで憤慨してるのかというと、
今日のお昼の出来事。
お弁当を持って行かなかったのでお昼ご飯は外食。
洋食の気分の時もあればラーメンの気分の時だってある訳で。
今日はラーメンを食べたい気分だった。
なので前から気になっていたラーメン屋さんに入店。
ラーメンを食べて職場に戻ったところ、
『1人でラーメン食べてたでしょ?』
と職場の人に呆れられてしまった。
「ラーメン食べたかったんだもの!」
「美味かったのか?」
「美味しかった」
「今度一緒に行こう」
「行く!今度は味噌食べてみたいから」
「今日は?」
「今日は醤油」
シンプルな醤油が美味しかった。
あんなに美味しいものが食べれるんだもの。
そりゃあ誰かが居ればその幸せを分かち合えるけど、
1人だからって食べに行けないなんて勿体ない。
「悪くはないが・・・あまり頻繁には賛成出来ねェな」
「何で?」
「何があるかわからないだろう?」
「何もないってば」
「今までは、の話しだろ?いつ何があるかわからないんだ、心配くらいはするさ」
・・・・シャンクスの心配はわかるし有難いけど。
「・・・・・一応気を付けます」
「そうしてくれ。何かあれば電話くれれば駆けつける」
「仕事中でも?」
「何をしてても真っ先に」
「・・・・有難う」
私の恋人は過保護。
でも1人で行動するのが好きな私を知ってて束縛したりせず割と好きにさせてくれてる。
・・・・そういうところ、好き。
・・・・・・なんだけど。
数日後。
「行けるとこまで行ってタクシーで帰って来るから!」
「駄目だ」
「じゃあ最初からタクシー使う」
「それも駄目だ」
「・・・じゃあ泊まる」
「却下」
さっきから否定ばっかり。
「・・・・じゃあどうすれば」
「さすがにそれは行かせられねェ」
「繁華街だし人もいっぱい居るから平気」
「人が居るからこそ危険なんだ」
「・・・・・一緒に行ってくれる人が居ないの」
「俺が行ってやりたいがどうしても駄目なんだ、諦めてくれ」
「1人で平気だってば」
「深夜の繁華街を1人でうろつくのが平気か?」
「・・・平気だよ」
たぶん。
付け加えたらシャンクスが小さくため息を吐いた。
「今回は諦めてくれアコ、頼むから」
・・・・・いつも聞いてるラジオの公開録音。
夜の23時から1時間程、繁華街の一角で。
奇跡的にその日と次の日が休みだったからどうしても行きたかったんだけど。
・・・・・まあ、普通に考えればそうなるよね。
終電が間に合うかわからないっていうのもシャンクスにとっては心配の種。
でもどうしても行きたい。
・・・諦め、きれない。
「・・・・・どうしても、駄目?私は1人で平気だから」
「アコが1人で平気なのは知ってる。だがこればっかりは認められねェ」
「・・・・・・・馬鹿しゃんくすー」
ごねる私をシャンクスが優しく抱きしめた。
「・・・・すまん」
・・・わかってる、シャンクスは悪くない。
心配してくれるのは当たり前じゃない。
私のことを思ってくれてるからの心配なんだ。
・・・・・わかってる、けど。
「ねえ、シャンクス」
「ん?」
「私たちの出会いってラーメン屋だったっけ?」
「覚えてないか?」
「・・・・・ごめん」
耳元でくすりと笑う声が聞こえて、
「相席しただろう、お互い1人だったから」
「あ・・・・」
言われて思い出した。
そういえばそんなこともあったかも。
「ラーメンもトッピングも何から何まで同じだったんで驚いた」
「あー!!」
「それから話しが盛り上がって、俺の推薦のイタ飯屋で告白」
「・・・・そう、でした」
「美味かった店は互いに報告、2人で行くってルールも出来た」
「・・・・・うん」
「今度イベントがあれば早めに言ってくれ。一緒に行く」
「・・・・・ありがと」
1人でも平気だし、楽しいけど。
・・・・これからは2人の時間をもっと大事にしようと思いました。
マル。