短編③
夢小説設定
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・・・・・・・・・・・最悪。
バレンタインに好きな人にチョコをあげたら、
ホワイトデーにマシュマロが返って来た。
「いいじゃない、お返しもらえただけマシでしょ?」
「・・・・・ナミぃ」
「・・・・・・忘れられてると思ってたわよ私は」
「・・・・忘れられてる方がまだ良かった」
「ま、エースだからそんなもんでしょ」
・・・アッサリとしたナミに涙が溢れて来る。
「あーもう泣くんじゃないの!バレンタインに告白しなかったアンタも悪い」
「・・・そうだけど」
確かにナミの言う通りではある。
私が今年用意したバレンタインチョコは1個。
大大大、大本命の1個だけ。
・・・・同じ大学の、
エースだけ。
エースはカッコイイし優しいし、
モテるから。
告白までする勇気はなかった。
それでもチョコだけは渡したくて、
何とか渡せたもの。
・・・・・で、そのお返しにと昨日エースがくれたのがマシュマロ。
柔らかくて甘くて美味しかった。
・・・・・じゃなくて。
「マシュマロは嫌い、って意味なんだよ・・・・」
「そんなことわかってると思わないけど、あのエースが」
「・・・・・・・でも何も言ってくれなかったし」
「そりゃアコが何も言わないからでしょ?」
うう、正論過ぎて何も言えない!!
「ナミー・・・・」
「ほらそこに居るわよエース」
「えっ何処」
「そこで寝てる」
「はー・・・・可愛い、寝顔マジ天使」
「・・・・・わかんないわその感覚」
たまたま通りかかった食堂で寝てるところを発見。
「お昼何食べたのかなぁ」
「本人に聞きなさい本人に」
「それが出来たら・・・・っ!!」
「今周りに誰も居ないしチャンスでしょ?私外行くから、行って来なさい」
「・・・・・押忍!」
ナミに背中を押されて、恐る恐る食堂に入る。
勇気を出して寝てるエースの隣に座る。
・・・・・ドキドキ。
高鳴る心臓を押さえつけてエースの寝顔拝見。
はあああっ可愛いよおおお!!!
と、突然。
ぱち。
エースの目が開いた。
「んぁ」
「えっ・・・・・・・お、おはよう」
「おー・・・・寝てた」
「知ってる。・・・お昼何食べたの?」
「まだ食ってねェ」
「食べてないの?」
「いや、食ったか・・・・?」
どっち!?
ああでも寝ぼけてるエースも可愛い!!
「・・・・食べてないの?」
「とりあえず腹減ってるから何か食う」
「い、一緒に食べていい?」
「ああ、一緒に食おうぜアコ」
爽やかな笑顔を向けられて思わず顔を背けてしまった。
カッコ良すぎるでしょ!!
・・・・でもこんな笑顔向けてくれるのに私のこと嫌いってこと、ないよね?
・・・・あるの?
「アコ何食う?」
「あ、えーっと・・・・オムライス、にしよっかな」
「いいな。俺もそうしよ」
エースとお揃い・・・・っ!!
並んだオムライス。
「頂きます」
「い、いただきますっ」
ぱくり。
「ん、んめェ」
・・・・美味しそうに食べるなぁ。
そういうとこも好き。
「美味しいね、オムライス。でも結構量あるからデザート食べれないなー」
今日はデザートにプリン食べようと思ってたんだけど。
「・・・甘いモンといえばよ」
「うん?」
「チョコ美味かった」
「あ・・・・・・・バレンタイン、の」
「あァ、あれアコの手作りだろ?」
「・・・・うん」
エースだけの。
エースの為だけのチョコ。
「ありがとな」
「・・・・他にも手作りあったでしょ?」
「よく覚えてねェな」
・・・・こんなこと言われたら期待しちゃう。
マシュマロ、もらったのに。
「エースモテるから、うらやましい」
「別にいいことねェぜ?」
「・・・・そう?」
女の子にモテても全然嬉しそうじゃないし、鼻の下伸ばさない。
そういうとこも好き。
「・・・・なァアコ」
「んー?」
オムライスを頬張りながら聞いてて、
「他に誰にやったんだ、チョコ」
噴出しそうになった。
・・・・そんなの、言える訳ないじゃないか。
「えーと・・・・・・」
「・・・・・あんまりやると誤解されるぜ」
ぼそっと呟いたエースの顔が少し拗ねてるように見えた。
「や、その」
・・・エースだけ、なんだけど。
「で、どうなったんだよ」
「え、何が?」
「告白したんだろ、好きな奴に」
「はっ・・・・!?」
「そういうイベントだろ?バレンタインって」
「・・・・そう、だけど。告白してないよ」
「・・・してねェの?」
「あげただけ。いいのそれで。エースこそホワイトデーにちゃんとあげた?」
「ああ、返した」
・・・・いいな。何あげたんだろ。
本命の子だったらアクセサリーとか?
キャンディだったら自分も好き、なんだよね。
「・・・・・何、あげたの?」
思い切って聞いてみた。
「マシュマロ」
間髪入れずに返って来た答えに一瞬思考が止まった。
「・・・・マシュマロ?」
「ああ、何かアコのほっぺたみてェにふにふにだったから」
にィ、と私を見てエースはそう言って。
「口、ついてる」
「え」
私の頬をぺろりと舐めた。
「ケチャップ味。ごちそーさまでした」
「・・・・・は!?」
「ちなみに俺アコにしか返してねェからな。・・・最低とか言うなよ」
さ・・・・・・っ最高です。