短編③
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「マルコさーん・・・・」
「却下」
「まだ何も言ってませんが!?」
うぅ・・・あれからマルコさんに監禁されて出られない。
シャンクスさんの掻っ攫う宣言のせいで。
私としては今すぐにでも自分からシャンクスさんのもとへ行きたいんだけど。
・・・マルコさんや父さんのことを考えると。
そもそもマルコさんに私が勝てる訳ないし。
かと言って早くシャンクスさんに来て欲しい、とも思わない。
この状況じゃ2人がぶつかるのは明白。
それも望んでない。
・・・・この恋は、障害が大きすぎる。
「赤髪んとこには行かせねェよい」
「・・・・わかって、ます」
こんなにあの人のことが好きなのに。
「・・・来ても、会わせるつもりはねェ」
私を閉じ込めてるマルコさんも何処か辛そうに見える。
・・・わかってる。
全部私の為だって。
でも、簡単に諦めきれる気持ちじゃない。
「そりゃあマルコさんが居ればシャンクスさんとは簡単に会えないですよ・・・」
「赤髪は・・・・そんなにいい男かい」
「・・・優しかった、し。いい匂いした、し」
「加齢臭が?」
「加齢臭じゃないです!!・・・・たぶん」
あの瞳の強さを、優しさを。
・・・・ぬくもりを。
忘れられない。
これからどう反論したものかと思案しながらも口を開いた瞬間、
「マルコぉ、オヤジが呼んでるぜ」
サッチさんがマルコさんを呼びに来た。
「オヤジが?・・・すぐ行く」
やった、逃げられるチャンス!!
「・・・アコ、逃げるなよい」
「・・・うへえい」
「いや、オヤジが呼んでんのアコ」
「アコ!?」
「え、私?」
「そ。1人で来いって」
「行ってきます!!」
父さんからの呼び出しにはさすがのマルコさんも勝てない。
とは言え無条件に喜べるものでもない。
何て言ったって父さんからの呼び出し。
この状態だもの、きっといいことではないだろうから。
「失礼します」
「グラララ・・・来たか、アコ」
「・・・お話しって、あのこと、だよね」
見た感じ父さんの機嫌は悪くない、けど。
「アコ。お前は俺の可愛い娘だァ。だからお前の口から聞かせろ」
お前はどうしたい?
「私は・・・・」
意思を伝えようと口を開いた瞬間、
どぉん、と大きな音がした。
敵襲!?
「アコ・・・俺の後ろに隠れておけ」
「あ・・・・」
大きい父さんの後ろに咄嗟に隠れた。
「邪魔させてもらう」
「へ・・・・」
それはそれはでっかい酒を持って現れたのは、
赤髪のシャンクス。
「大事な話しがあるんだ、白ひげ」
「グララララ・・・・ロジャーんとこの若造だったお前がいっちょまえに俺に大事な話しだァ?」
「ああ。マルコあたりから聞いてるかもしれないが・・・今日はアコをもらいにきた」
わ・・・・私のことだー!!!
「・・・・・うちの大事なアコをお前にやれっつーのは、いい度胸だ赤髪」
「覚悟は出来てる」
「何の覚悟だ」
「大事な娘をもらうんだ、それ相応のことはさせてもらうさ」
「・・・・ンな酒程度で俺が可愛い娘をやると思うか?」
「勿論酒だけじゃない」
「言ってみろ」
「俺を好きにしていい」
父さんの後ろに隠れてこっそり聞いていた私。
・・・・こっこれは、噂に聞く娘さんを僕に下さいっていうやつ!!
と衝撃を受けている場合じゃない。
これってシャンクスさんが反撃しないで父さんの攻撃をただ受け続けるってことでしょ!?
そんなことって、
「グラララ・・・!!男に二言はねェな赤髪」
嘘でしょ・・・・?
「勿論だ」
だっ、
「駄目っ!!!」
・・・飛び出てしまった。
でもシャンクスさんは私がここに居ることをわかっていたらしく、たいして驚いた風でもなかった。
「ったく、堪え性のねェ娘だァ」
「・・・ごめん、なさい。でも、駄目。私を好きにしていいから」
「ようやく迎えに来れた、アコ」
シャンクスさんの笑みに駆け寄りたい。
・・・・でも。
私には父さんも大切、だから。
だから今は父さんと向き合う。
「私は・・・弱いし、堪え性もないけど。私だって父さんの娘だから」
海賊、だから。
「だから何だァ」
「大切な人が傷つけられるのを見てるだけなんて出来ない」
「アコは十分強いし魅力的だぞ?」
「シャンクスさん・・・・っ」
キュン。
とかやってる場合じゃなかった。
「つまりお前は俺から離れて赤髪のもとへ行く、そういうことかアコ」
「はい、父さん」
「アコ、無理はしなくても」
優しく声をかけてくれるシャンクスさんに笑って、
「あら私だって海賊です。大人しく掻っ攫われるような女じゃなくてよ?」
「・・・頼もしいな。それでこそ、だ」
そっと差し出された手を取った。
「グララララ・・・・!!それがお前の答えか、アコ」
「ごめんね父さん。皆のことは大好き」
でも私はこの人と一緒に生きます。
「・・・・そうか」
「いいのか、アコ」
「一緒に生きたい、シャンクスさんと」
「・・・悪いな、白ひげ」
「酒は置いていけ。・・・それと、アコ。マルコには挨拶ぐらいはして行くんだな」
「っ、有難う父さん!!」
そうして2人で部屋を出たら、
「オヤジが認めても俺は認めてねェよい」
「・・・マルコさん」
厳しい顔のマルコさんが立っていて。
「一緒に来ないか、マルコ」
「死んでも御免だい」
「・・・マルコさん、私行きます」
私の固い決意を表すようにシャンクスさんの片腕に自分の腕を絡めた。
それを見てマルコさんがため息を吐いた。
「アコ。そんなことしたら赤髪がいざってときに動けねェだろい」
「あ、そっか」
慌てて離すも、
「構わないさ、これくらいでアコを守れない程弱くはないつもりだ」
「わ、私だって戦います!」
「ったく・・・少しでも隙見せたらすぐ取り返しに行くから覚悟しとけよい、赤髪」
「肝に銘じておくよ、マルコ」
・・・さようなら、皆。
またね。
「浮気したら実家が総出で潰しにくるって覚悟してくださいね」
「だっはっは!絶対しねェ!!」
幸せに、なります。