短編③
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「次はいつ会えるのかなあ・・・・」
広い海を見つめてぽつりと呟く。
この広いひろーい海で。
次に愛しい彼に会えるのはいつだろう。
その時にはいっそ想いを伝えてしまおうかしら。
「赤髪ならしばらくは来ねェよい」
「・・・・マルコさーん」
そう、この白ひげ海賊団に居る私と。
想い人、赤髪のシャンクスさんは敵同士。
敵とは言ってもたまに父さんと飲んだり情報交換したりするくらいには仲がいいみたいだし。
・・・マルコさんを赤髪海賊団に勧誘したりするくらいには、あっちにも敵意はないみたいだし。
ああ、マルコさんが羨ましい。
私を誘ってくれたらいいのに。
「誘われてもほいほいついて行くんじゃねェよい」
う・・・・見透かされてる。
「わかってますよぅ」
・・・・早く、会いたいなあ。
「奇跡が起きた!!!」
白ひげ海賊団が停泊している島から、
少し離れたところにある小さな離島。
そこを1人で偵察に来ていたに私は。
「おお、奇遇だなァアコ」
・・・そこで赤髪のシャンクスさんに、会った。
シャンクスさんも、1人。
これは運命では・・・・!!
「あ・・・・赤髪の皆さんもここに?」
「ちっと野暮用で今は俺1人なんだ。アコがここに居ると言うことはマルコも近くに居るんだろう?」
出たよマルコさん!!
「今は私1人、です。・・・私だって海賊ですから」
1人でも大丈夫なので。
「ああ・・・いや、そういう意味じゃなかったんだが。せっかくだ、一緒に酒でもどうだ?」
「っ喜んで!!」
思わぬお誘いに喜んで頷いて、
「いい返事だ。よし、飲もう!」
2人だけの宴が始まった。
「そしたらヤソップが間違えて撃たれちまって」
「あははっ、ホント面白いですね」
「面白さなら自信がある。マルコはなかなかうんと言っちゃくれねェが・・・」
「まぁマルコさんは父さん一筋ですから」
「アコがくれば一緒に来ると思うか?」
お酒も入って楽しい夜。
「まっさかァ。来ないと思いますよ」
「・・・・そうか?」
「私だけじゃ、誘ってはもらえませんか?」
つい本音がぽつり。
マルコさんのオマケ、なんて嫌。
シャンクスさんは苦笑して、
「すまん、嫌な思いをさせちまったな」
と謝罪してから私の手を取った。
「アコも十分魅力的だ。勿論海賊として、な」
なんて妖艶な笑みを浮かべた。
「・・・ほんと、ですか?」
「ああ」
そのまま顔が近づいて。
「・・・・しゃん、」
触れるだけの、キスをした。
そしてそのキスをきっかけに。
私の身体はゆっくりと倒れ、再び深い口づけを交わして。
ぬるりと口内に入り込んで来た舌、
煽情的にも見えるシャンクスさんの視線。
・・・・目を開けたまま見つめ合ってのキスは、
ひどく官能的で。
「ぁ・・・・っぁ、ん・・・・」
不意に触れられた胸に声が出た。
片腕、だけど。
ごつくて大きくて、酷く優しい。
「ああ・・・いい声だ。もっと聞かせてくれないか?」
「あ、しゃん・・・っ、はぁ、あ・・・ぁぁんっ」
胸の先端を弄りながら首筋に落とされていく口づけ。
そしていつの間にか胸にあった手も下へ下へとずれていく。
「ひ、ぁ・・・っ」
「すまないが・・・今更止められそうにはねェ」
「ん・・・・っ止めない、で」
「可愛いことを言ってくれる。・・・このまま、いいか?」
「・・・・きて」
酒の勢い。
と言えばカッコがつくとは思ってねェ。
・・・・・が、偶然会った白ひげんとこのアコと酒を飲んで息統合。
したまではいいが、そこからいい雰囲気になって。
・・・・・ヤっちまった。
そのまま朝を迎えたアコは真っ赤な顔で戻って行ったが。
・・・・可愛かったな。
じゃねェ。
不味いことになった。
・・・・アコはマルコと付き合ってるんだろうから、バレたら殺される。
まァそう簡単にこの命くれてやるつもりはねェとは言え。
「シャンクスさん・・・・っ」
ああ、アコの声だ。
昨日の声も色っぽくて良かったなァ。
・・・・・ん?
「・・・アコ?」
そこには何かを決心したように瞳を燃やしたアコが立っていた。
「シャンクスさん・・・・私・・・・」
「おお、どうした?」
「私を連れて行って下さい!!」
「・・・・・・・・なんだって?」
いや駄目だろう。
いくら昨日そう言うことになったからと言って。
いくらアコが可愛いからと言って。
・・・・マルコの怨みをこれ以上買うことは避けたいところなんだがな。
参った。
・・・・アコは、こんなに綺麗だったか。
「私をずっと・・・・側に置いて下さい!!」
好き。
・・・・昨日の夜身体を重ねてからその思いが溢れて止まらなくなった。
もうこの人と離れたくない。
「いや、しかしだな・・・・マルコが・・・」
「今マルコさんは関係ありません!!」
「そういう訳にもいかんだろう・・・」
シャンクスさんにとって昨日のことがただ1度だけのことだったとしても。
私に気持ちなんかなかったとしても。
もう決めた。
「赤髪ィ!!」
不意に後ろから聞こえた声と、ピリピリと痛む肌。
ものすっごい、覇気。
「マルコさん!?何でここに!?」
「いやマルコ違う、これは何というかその、いや確かに俺の責任だが・・・!」
何故か慌てるシャンクスさんを睨み付けたマルコさんは、
「よくもうちのアコを誑かしてくれたねい」
それはそれは低い声で話しかける。
「あー・・・・・・・すまん」
「や、誑かしたのは私の方で、」
何とか仲裁に入ろうとするも、
「ほいほいついて行くなって言っただろい、アコ」
「はいっすみませんっ!!」
今度は矛先が私に向いて冷や汗。
「偵察に行ったまま帰ってこねェし朝方に帰ってきたと思ったら心ここにあらず・・・
そりゃおかしいと思うだろうよい」
あばばば私のせいでシャンクスさんとマルコさんが激突!?
「ごめんなさい・・・っでも私は!!シャンクスさんについて行きます!!」
「・・・・・アコ。それを俺が許すと思うかい?」
「待て待て。落ち着こう2人とも」
「っシャンクスさんは私のことどう思ってるんですか!?」
何はなくともそこだけははっきりさせておきたい。
・・・乙女心。
シャンクスさんは私の問いに一瞬の沈黙のあと、
「海賊としては度胸も腕も申し分ない」
「・・・女として、は?」
海賊とは思えない酷く優しい笑みで。
「愛しい、な」
と答えた。
胸が締め付けられた。
でも次の瞬間、
「おっと、マルコに怒られちまうな」
とおどけた様子を見せる。
「さっきから何でマルコさんを気にしてるんですか・・・?」
そりゃあシャンクスさんはマルコさんを仲間に引き入れたいんでしょうけど。
今はそういう話題でもないし。
「2人は恋人同士だろう?」
「・・・・・・・・・・へ?」
そうなの?
「いやいや違いますけど!?」
「・・・・赤髪てめェ」
「・・・・ほお、違うのか」
それならアコ、とシャンクスさんが意味ありげに微笑んで私を見た。
「今日の所は引き下がろう」
「え」
「次に会った時は掻っ攫うつもりで頼む」
「た、頼まれました・・・・」
「させるかよい!!」
「また会おう、アコ」
「は、はい・・・・・」
す、と手を取られて甲に口づけされて。
シャンクスさんは飛んだ。
「とん・・・・っ!?」
その先にはレッドフォース号。
わお・・・カッコイイ・・・・!
「レッドフォース号・・・これじゃあ手が出せねェよい」
悔しそうに呟くマルコさん。
・・・・また会える。
その言葉がどれだけ嬉しいか。
また会える日が、楽しみだなあ。