短編③
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ああっ見つかりませんように、どうかここに来ませんように私に気づきませんように!!
びくびくしながら時間が過ぎるのを待つ。
ねえホントに怖いんだけど。
本気なのが怖いし、
見つかったら何されるのかわからないのが、また怖い。
・・・・・・・怖いよお頭。
確かに私も悪いんだけど。
・・・・・・・・・お頭が本気で怒ってるかどうかは別として、
この後私がお頭に掴まったら本気でやばいことだけは理解出来てる。
ことの起こりは昨日。
お昼ご飯も食べてすることもなく、
波も穏やかで。
まったりお茶なんか飲んでいたところにお頭が現れた。
「暇だなァアコ」
そして一言呟いて欠伸。
「暇ですねえ」
私も同意。
「何か面白いことないか?」
「ないです」
暇ではあるけどお頭の言う面白いことは全然面白くないことに決まってるから。
せっかく何事もなく平和なのに。
暇だけどこのままでいい。
そう思ってたのに、
「・・・・・つまんねェ」
「・・・いいじゃないですか平和で」
「いや、よくない」
「・・・・お茶でもご一緒に」
変なことを言いだす前に何とかしなきゃとお茶を差し出した私にお頭がにィ、と笑みを浮かべた。
「決めた。かくれんぼだ」
「・・・・・・・・・は?」
「俺が隠れるからアコ、探してくれ」
「・・・・・・・・本気ですか?」
「本気だ」
・・・・まあ想像よりはまともだったけど。
「今から・・・そうだな、5分後に探しに来ること」
「船長命令?」
「船長命令」
いそいそと楽しそうにお頭は私にそう言い残して出て行った。
それから5分後、私は仕方なくお頭を探しに行った。
お頭の部屋も私の部屋も、食堂もトイレも甲板も。
すべてを探し尽くした。
30分は探した。
「お頭ー・・・・・もう降参ですぅ」
そう声をかけて回っても、
お頭は出てきてはくれなかった。
・・・・・・なので。
私はそこで探すのをやめた。
夜になって目の前に現れたお頭は、そりゃあもう不機嫌だった。
「私もう降参ですって言ったじゃないですか」
と言っても聞こえなかった、
俺の気持ちを考えろの一点張り。
そしてお頭が私を許せる案として提案したのが、
再びかくれんぼ。
・・・・だった。
しかも今度は、
「俺が探す。お前は隠れるだけでなくて逃げていいぞ」
え、いいの?
と思っていたら。
「ただし俺に掴まったら何されても文句は言わせねェ」
「え」
「制限時間は1時間だ」
「長くないですか!?」
「俺はもっと待った」
「・・・・・っでも見聞色」
「使わないと約束する」
「・・・・掴まったら何されるんですか?」
「それは掴まってからのお楽しみだ」
・・・・さすがに殺されるってことはないだろうけど。
嫌な予感しかしない。
「ち・・・ちなみに勝負を放棄したら?」
「その時点で何をされても文句は言わせねェな」
さーっと血の気が引いていくのがわかった。
もう受けるしかない。
・・・・受けるしか、なかった。
そして今日お昼ご飯を食べ終えたタイミングでお頭が言い放った。
「勝負開始だ」
お頭が入れないようなところところ・・・・!
そんなところある!?
女子トイレ!は逃げ場がないし、
お風呂場も同じ。
私の部屋もお頭の部屋も危ういでしょ!?
ということでやって来たのは、
「どうですかヤソップさん?」
「まだ大丈夫みてェだ」
ヤソップさんのお部屋。のベッドの下。
ヤソップさんならお頭の来る気配もわかるだろうし、来ても庇ってもらえるだろうし。
万が一それが駄目でもヤソップさんの部屋なら窓とか壁突き破ってもいいかなぁ、と。
・・・・今勝負開始から10分が経過。
ああっ長いよ!!
早く終わって!!
「おい・・・まずいぜアコ」
「えっ!?」
ヤソップさんの緊迫した声に思わず身構えた。
その瞬間。
どぉん、という大きい音。
・・・・・これは。
「・・・・ひでェなお頭。仲間の部屋のドアをぶち壊すなんざ」
ひっぇぇ!!
やっぱりお頭!!
早くない!?
「隠してるお宝を見つけに来た」
「・・・・何のことだかな」
「逃げるなら今のうちだ」
・・・これ絶対私に言ってるよね。
考える。・・・お頭絶対私がここに居るってわかってて言ってる。
ならここに居る意味はもうない!
黙って逃げるに限る!
「・・・・っ!!」
立ち上がってすぐに、
「窓がァァ!!!」
窓を突き破って逃げた。
だって必死なんだもん!!
「危ねェことするなァ、怪我したらどするんだ」
「お頭に掴まった方が危険な気がしますので!!」
叫びながら後ろも見ずに逃げる。
でも甲板に出たところで、
力強く腕を掴まれて心臓が止まったかと思った。
「うー・・・・・」
「アコ、捕まえた」
・・・・・・悔しい、早すぎる。
「お頭見聞色」
「使わなくてもわかるさ」
お前のことならな、とお頭が不敵な笑みを浮かべた。
「・・・・私何されちゃうんですか?」
「何されたい?」
「・・・・美味しいもの食べてゆっくりしたい」
「それが叶うと思うか?」
「怖いのはヤ・・・・です」
特にお頭からのは。
恐る恐る言ってみると、
「目、閉じろ」
「・・・・っはいぃ」
拳でも唇でもどんと来い・・・・もう諦めた。
覚悟して待つけど、衝撃は来ない。
代わりに両耳に違和感を感じた。
「もういいぞ」
「・・・・・・へ?」
目を開けて最初に見えたのは自分の顔。
あれ。
・・・・あ、これ鏡か。
って、
「・・・・・・お頭、これ」
「気に入ったか?なかなか似合ってると思うんだが」
何処か照れくさそうに見えるお頭の顔。
・・・鏡に映った私の顔をもう1度見る。
両耳にぶらさがった、ピンクのビーズのイヤリング。
「町で売ってて、アコに似合うと思って買ったのを忘れてたんだ」
「おっ・・・・・・お頭ぁ!!」
怖いことされるって思ってごめんなさい!
変なことされるって思ってごめんなさい!
感動した私をお頭はそっと抱きしめて、
「ん」
「・・・・・・・・っ」
まさかのキス。
でもまぁお頭嬉しそうだし、
昨日のことは少し反省もしてるし。
・・・・・いっか。
・・・・ほっと肩を撫で下ろしたら、
イヤリングが揺れた。
(心も揺れた)
びくびくしながら時間が過ぎるのを待つ。
ねえホントに怖いんだけど。
本気なのが怖いし、
見つかったら何されるのかわからないのが、また怖い。
・・・・・・・怖いよお頭。
確かに私も悪いんだけど。
・・・・・・・・・お頭が本気で怒ってるかどうかは別として、
この後私がお頭に掴まったら本気でやばいことだけは理解出来てる。
ことの起こりは昨日。
お昼ご飯も食べてすることもなく、
波も穏やかで。
まったりお茶なんか飲んでいたところにお頭が現れた。
「暇だなァアコ」
そして一言呟いて欠伸。
「暇ですねえ」
私も同意。
「何か面白いことないか?」
「ないです」
暇ではあるけどお頭の言う面白いことは全然面白くないことに決まってるから。
せっかく何事もなく平和なのに。
暇だけどこのままでいい。
そう思ってたのに、
「・・・・・つまんねェ」
「・・・いいじゃないですか平和で」
「いや、よくない」
「・・・・お茶でもご一緒に」
変なことを言いだす前に何とかしなきゃとお茶を差し出した私にお頭がにィ、と笑みを浮かべた。
「決めた。かくれんぼだ」
「・・・・・・・・・は?」
「俺が隠れるからアコ、探してくれ」
「・・・・・・・・本気ですか?」
「本気だ」
・・・・まあ想像よりはまともだったけど。
「今から・・・そうだな、5分後に探しに来ること」
「船長命令?」
「船長命令」
いそいそと楽しそうにお頭は私にそう言い残して出て行った。
それから5分後、私は仕方なくお頭を探しに行った。
お頭の部屋も私の部屋も、食堂もトイレも甲板も。
すべてを探し尽くした。
30分は探した。
「お頭ー・・・・・もう降参ですぅ」
そう声をかけて回っても、
お頭は出てきてはくれなかった。
・・・・・・なので。
私はそこで探すのをやめた。
夜になって目の前に現れたお頭は、そりゃあもう不機嫌だった。
「私もう降参ですって言ったじゃないですか」
と言っても聞こえなかった、
俺の気持ちを考えろの一点張り。
そしてお頭が私を許せる案として提案したのが、
再びかくれんぼ。
・・・・だった。
しかも今度は、
「俺が探す。お前は隠れるだけでなくて逃げていいぞ」
え、いいの?
と思っていたら。
「ただし俺に掴まったら何されても文句は言わせねェ」
「え」
「制限時間は1時間だ」
「長くないですか!?」
「俺はもっと待った」
「・・・・・っでも見聞色」
「使わないと約束する」
「・・・・掴まったら何されるんですか?」
「それは掴まってからのお楽しみだ」
・・・・さすがに殺されるってことはないだろうけど。
嫌な予感しかしない。
「ち・・・ちなみに勝負を放棄したら?」
「その時点で何をされても文句は言わせねェな」
さーっと血の気が引いていくのがわかった。
もう受けるしかない。
・・・・受けるしか、なかった。
そして今日お昼ご飯を食べ終えたタイミングでお頭が言い放った。
「勝負開始だ」
お頭が入れないようなところところ・・・・!
そんなところある!?
女子トイレ!は逃げ場がないし、
お風呂場も同じ。
私の部屋もお頭の部屋も危ういでしょ!?
ということでやって来たのは、
「どうですかヤソップさん?」
「まだ大丈夫みてェだ」
ヤソップさんのお部屋。のベッドの下。
ヤソップさんならお頭の来る気配もわかるだろうし、来ても庇ってもらえるだろうし。
万が一それが駄目でもヤソップさんの部屋なら窓とか壁突き破ってもいいかなぁ、と。
・・・・今勝負開始から10分が経過。
ああっ長いよ!!
早く終わって!!
「おい・・・まずいぜアコ」
「えっ!?」
ヤソップさんの緊迫した声に思わず身構えた。
その瞬間。
どぉん、という大きい音。
・・・・・これは。
「・・・・ひでェなお頭。仲間の部屋のドアをぶち壊すなんざ」
ひっぇぇ!!
やっぱりお頭!!
早くない!?
「隠してるお宝を見つけに来た」
「・・・・何のことだかな」
「逃げるなら今のうちだ」
・・・これ絶対私に言ってるよね。
考える。・・・お頭絶対私がここに居るってわかってて言ってる。
ならここに居る意味はもうない!
黙って逃げるに限る!
「・・・・っ!!」
立ち上がってすぐに、
「窓がァァ!!!」
窓を突き破って逃げた。
だって必死なんだもん!!
「危ねェことするなァ、怪我したらどするんだ」
「お頭に掴まった方が危険な気がしますので!!」
叫びながら後ろも見ずに逃げる。
でも甲板に出たところで、
力強く腕を掴まれて心臓が止まったかと思った。
「うー・・・・・」
「アコ、捕まえた」
・・・・・・悔しい、早すぎる。
「お頭見聞色」
「使わなくてもわかるさ」
お前のことならな、とお頭が不敵な笑みを浮かべた。
「・・・・私何されちゃうんですか?」
「何されたい?」
「・・・・美味しいもの食べてゆっくりしたい」
「それが叶うと思うか?」
「怖いのはヤ・・・・です」
特にお頭からのは。
恐る恐る言ってみると、
「目、閉じろ」
「・・・・っはいぃ」
拳でも唇でもどんと来い・・・・もう諦めた。
覚悟して待つけど、衝撃は来ない。
代わりに両耳に違和感を感じた。
「もういいぞ」
「・・・・・・へ?」
目を開けて最初に見えたのは自分の顔。
あれ。
・・・・あ、これ鏡か。
って、
「・・・・・・お頭、これ」
「気に入ったか?なかなか似合ってると思うんだが」
何処か照れくさそうに見えるお頭の顔。
・・・鏡に映った私の顔をもう1度見る。
両耳にぶらさがった、ピンクのビーズのイヤリング。
「町で売ってて、アコに似合うと思って買ったのを忘れてたんだ」
「おっ・・・・・・お頭ぁ!!」
怖いことされるって思ってごめんなさい!
変なことされるって思ってごめんなさい!
感動した私をお頭はそっと抱きしめて、
「ん」
「・・・・・・・・っ」
まさかのキス。
でもまぁお頭嬉しそうだし、
昨日のことは少し反省もしてるし。
・・・・・いっか。
・・・・ほっと肩を撫で下ろしたら、
イヤリングが揺れた。
(心も揺れた)