短編③
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とある日。
お頭から素敵なワンピースをプレゼントされた。
本当に可愛くて、私なんかには勿体ないくらい。
・・・・そう思ったらなかなか着れなくて、
お頭に『いつ着てくれるんだ?』と言われてしまった。
・・・・そして私は気づいてしまったのだ。
お頭と恋人という関係になってから早数か月。
私はネックレスやら指輪やら、
それこそたくさんの物をお頭からもらった。
でも、私は?
・・・・私はお頭に今まで何もプレゼントをしてない。
もらうばっかりで。
・・・・・・最低だ。
でもお頭にプレゼントって言っても、
お酒はあるし着るものにこだわりもないし、
身に着けるものだって似たようなもんだし。
何が1番喜んでくれるのか。
そもそもあまり大金を持たせると危ないとか言って持ち金少ないし・・・。
どうしよう。
「という訳なんですがベンさん」
まず頼れる副船長、ベンさんに相談。
「そりゃあちょうどいい。これをやれ」
「・・・・本ですか?」
「今後の為に読んでおけと言っても手に取りもしないからなあいつは」
・・・・それ喜ばないですよね。
却下。
・・・・でもベンさんの為にも渡してはおこう。
「という訳なんですがヤソップさん」
次に我らがお父さんヤソップさんに。
「そりゃアレだろ、アコがリボン首に巻いて私がプレゼント、ってのが1番喜ぶだろあの人は」
「・・・それ以外では?」
「ないな」
「出来れば物で残したいんです」
思い出も素敵だけど。
「手紙とか?」
「手紙・・・素晴らしいですけど、何かこうそれだけじゃなくて」
「ない」
「・・・・・ですよね」
有難う御座いました、とお礼を言ってヤソップさんの部屋を出た。
・・・・・というかそもそも、
私1人で買い物に行かせてくれる訳ないんだ、お頭が。
プレゼント買うにしたってそれが実行出来るかどうかは難しい。
気づいてしまった事実に思わず深いため息を吐きだした。
「はぁ・・・・・」
「悩み事か?」
「はあ、まあ」
「原因は?」
「一応ぷ・・・・」
「オープ?何だそりゃ」
後ろから聞こえて来た声と無意識のうちに会話していたけど。
くるりと振り返れば大好きな、でも今は会いたくなかった赤い髪。
「・・・オープじゃありません、おぅふ、って言ったんです。朝ごはん食べ過ぎました」
「そうだったか?」
「そうです。・・・ところでお頭は何でここに?」
危ないところだった・・・!
「お前を探してたらヤソップの部屋から出て来るのを見かけたんでついてきた。何を話してた?」
「か・・・・簡単に痩せられる道具作れませんか?ってお願いを」
お願いお頭騙されて・・・!
「痩せたいのかアコ?なら運動がいい」
「・・・運動、ですよねえやっぱり」
「夜の運動が1番だ」
「・・・・それって健全なやつですか?」
「さて、どうだろうな。今夜が楽しみだ」
嬉しそうに笑うお頭にほっと安堵しつつ、
やっぱりため息が漏れた。
・・・・・でもやっぱり諦めたくない。
だって明日は島に着く。
そこで何か買いたい。
何を買っていいのかはわからなくても、見るだけでも!
でもお頭にはバレたくない。
驚かせて、喜ばせたい。
「お頭っ」
「却下」
「・・・・私まだ何も言ってませんが」
「1人で行動したいんだろ」
「・・・何で」
わかったの!?
お頭は呆れ顔で、
「新聞の通販のところを熱心に見てたな、この間」
「あ」
「欲しいモンがあるなら俺が買うから、それでいいだろう?」
「っそこを何とか!お願いします!」
「駄目だ」
「30分・・・・15分でいいです!」
「あのなァ、島に見慣れねェ女が1人で居たら好都合なんだぞ」
「ちょっとだけ!買ったらすぐ戻りますから!」
「俺が居たら駄目なもんなのか?」
駄目に決まってるじゃないですか!
「・・・駄目なんです」
「そうは言ってもな・・・」
「絶対駄目って言うなら・・・・その次の島まで無視します」
「・・・・そこまでか?」
「そこまでです!」
「・・・・・・俺の目の届く範囲内で10分間」
お頭は私の気持ちを汲んでくれたようで、
仕方なさそうに、でも受け入れてくれた。
「っ有難う御座います!」
という訳で早速、
翌日お頭とお買い物デート。
「賑わってますねっお頭!」
私としてはここで絶対お頭へのプレゼントを買う!と決めているのでワクワクなんだけど、
お頭はそれを知らないから少しだけ不機嫌。
「で、アコ。何処で買うんだ?」
「えーと・・・・あ、あそこで」
「じゃあここで待ってるが・・・何かあったらデカい声出せよ。それと10分だからな」
「はいっ」
「10分経過しても戻って来なかったら探しに行くしお仕置きだ」
「りょ・・・了解です」
「・・・・ちなみに誰の為に買うつもりだ?」
「私の為です!行って来ます!」
言って狙いをつけた雑貨店に急いで入った。
10分しかない、急がないと。
何か・・・何か・・・・!
首をぐるんと回した先に見つけた文字。
よしこれに決まり!
「すみませんこれ下さいっあとラッピングもお願いします大至急で!!」
・・・・という訳で、ぎりぎり10分。
「1分前、だな。買い物は出来たのか?」
「はい!お頭有難う御座いました!」
満足!
「・・・・何を買ったんだ?」
「今は内緒です!」
「今は、な。いつになったら教えてくれるんだ?」
「後日!」
お頭はその答えにとりあえずは諦めたようで、この日はお頭とのデートを楽しんだ。
後日。
船ではいつも通り夜の宴。
でもそこに、私は居ない。
私は今、とある部屋に居る。
きっとお頭は今頃私を探しに行こうとして、
ベンさんに止められる。
私が預けた手紙を渡されて、私の部屋に行ってる頃。
そして私の部屋にある別の手紙を見つける。
その紙には、
『書庫』の文字。
そして書庫に行けば、ベンさんから預かった本とまた別の手紙。
そこには、『厨房』。
厨房に行けばコックさんに頼んでおいたとっておきのビール瓶を出してもらえる。
そしてまた、手紙。
そこに書いてあるのは。
『お頭の部屋』
・・・もうそろそろ、来るかな。
ああ、ドキドキする。
綺麗にラッピングされた箱を両手で握りしめて。
軽く深呼吸をした時、
「・・・・・驚いたな」
珍しく本当に驚いた顔をしたお頭が顔をドアを開けた。
「・・・・いつも、もらってばかりなので。お礼です。コレと・・・・私」
「その箱はこの間のやつか」
「・・・目ざといですね」
さすがお頭。
「それより・・・最高だなアコ、よく似合ってる」
・・・今私が着てるのは、
この間お頭からプレゼントされた。
襟にレースをあしらった、シンプルだけど素敵なロングワンピース。
せっかくの機会だから、と。
「・・・プレゼントも開けて下さい」
「有難くもらうよ」
片手で丁寧にラッピングを解いていくお頭。
・・・・そういう優しさ、好き。
「ビールグラス?」
「ビールが美味しくなる!って書いてあったんです」
「なるほど。それでこれか」
お頭が手に持ったビール瓶を見て笑った。
「はい、これで飲んでほしくて。あ、お酌します」
コックさんに持たせてもらったビール瓶を預かって、開けた。
お頭の持つグラスに注いで。
「・・・・どぞ」
「ああ、最高だ。・・・・・・美味いよ」
お頭はビールを一気に飲み干して幸せそうに微笑んだ。
・・・・ああ、プレゼントってあげる側も嬉しいもんなんだなぁ。
「良かった・・・・」
「それで?そんなカッコして俺の部屋にベッドに居るってことは・・・アコ」
「あ・・・・」
「お前もプレゼントの1つってことでいいんだな?」
「・・・リボンはないですけどね」
「十分だ」
ゆっくりとお頭に押し倒されながら、
その今までにないほどの嬉しそうな笑顔に、
やっぱり私も笑顔になるのでした。
とある日。
お頭から素敵なワンピースをプレゼントされた。
本当に可愛くて、私なんかには勿体ないくらい。
・・・・そう思ったらなかなか着れなくて、
お頭に『いつ着てくれるんだ?』と言われてしまった。
・・・・そして私は気づいてしまったのだ。
お頭と恋人という関係になってから早数か月。
私はネックレスやら指輪やら、
それこそたくさんの物をお頭からもらった。
でも、私は?
・・・・私はお頭に今まで何もプレゼントをしてない。
もらうばっかりで。
・・・・・・最低だ。
でもお頭にプレゼントって言っても、
お酒はあるし着るものにこだわりもないし、
身に着けるものだって似たようなもんだし。
何が1番喜んでくれるのか。
そもそもあまり大金を持たせると危ないとか言って持ち金少ないし・・・。
どうしよう。
「という訳なんですがベンさん」
まず頼れる副船長、ベンさんに相談。
「そりゃあちょうどいい。これをやれ」
「・・・・本ですか?」
「今後の為に読んでおけと言っても手に取りもしないからなあいつは」
・・・・それ喜ばないですよね。
却下。
・・・・でもベンさんの為にも渡してはおこう。
「という訳なんですがヤソップさん」
次に我らがお父さんヤソップさんに。
「そりゃアレだろ、アコがリボン首に巻いて私がプレゼント、ってのが1番喜ぶだろあの人は」
「・・・それ以外では?」
「ないな」
「出来れば物で残したいんです」
思い出も素敵だけど。
「手紙とか?」
「手紙・・・素晴らしいですけど、何かこうそれだけじゃなくて」
「ない」
「・・・・・ですよね」
有難う御座いました、とお礼を言ってヤソップさんの部屋を出た。
・・・・・というかそもそも、
私1人で買い物に行かせてくれる訳ないんだ、お頭が。
プレゼント買うにしたってそれが実行出来るかどうかは難しい。
気づいてしまった事実に思わず深いため息を吐きだした。
「はぁ・・・・・」
「悩み事か?」
「はあ、まあ」
「原因は?」
「一応ぷ・・・・」
「オープ?何だそりゃ」
後ろから聞こえて来た声と無意識のうちに会話していたけど。
くるりと振り返れば大好きな、でも今は会いたくなかった赤い髪。
「・・・オープじゃありません、おぅふ、って言ったんです。朝ごはん食べ過ぎました」
「そうだったか?」
「そうです。・・・ところでお頭は何でここに?」
危ないところだった・・・!
「お前を探してたらヤソップの部屋から出て来るのを見かけたんでついてきた。何を話してた?」
「か・・・・簡単に痩せられる道具作れませんか?ってお願いを」
お願いお頭騙されて・・・!
「痩せたいのかアコ?なら運動がいい」
「・・・運動、ですよねえやっぱり」
「夜の運動が1番だ」
「・・・・それって健全なやつですか?」
「さて、どうだろうな。今夜が楽しみだ」
嬉しそうに笑うお頭にほっと安堵しつつ、
やっぱりため息が漏れた。
・・・・・でもやっぱり諦めたくない。
だって明日は島に着く。
そこで何か買いたい。
何を買っていいのかはわからなくても、見るだけでも!
でもお頭にはバレたくない。
驚かせて、喜ばせたい。
「お頭っ」
「却下」
「・・・・私まだ何も言ってませんが」
「1人で行動したいんだろ」
「・・・何で」
わかったの!?
お頭は呆れ顔で、
「新聞の通販のところを熱心に見てたな、この間」
「あ」
「欲しいモンがあるなら俺が買うから、それでいいだろう?」
「っそこを何とか!お願いします!」
「駄目だ」
「30分・・・・15分でいいです!」
「あのなァ、島に見慣れねェ女が1人で居たら好都合なんだぞ」
「ちょっとだけ!買ったらすぐ戻りますから!」
「俺が居たら駄目なもんなのか?」
駄目に決まってるじゃないですか!
「・・・駄目なんです」
「そうは言ってもな・・・」
「絶対駄目って言うなら・・・・その次の島まで無視します」
「・・・・そこまでか?」
「そこまでです!」
「・・・・・・俺の目の届く範囲内で10分間」
お頭は私の気持ちを汲んでくれたようで、
仕方なさそうに、でも受け入れてくれた。
「っ有難う御座います!」
という訳で早速、
翌日お頭とお買い物デート。
「賑わってますねっお頭!」
私としてはここで絶対お頭へのプレゼントを買う!と決めているのでワクワクなんだけど、
お頭はそれを知らないから少しだけ不機嫌。
「で、アコ。何処で買うんだ?」
「えーと・・・・あ、あそこで」
「じゃあここで待ってるが・・・何かあったらデカい声出せよ。それと10分だからな」
「はいっ」
「10分経過しても戻って来なかったら探しに行くしお仕置きだ」
「りょ・・・了解です」
「・・・・ちなみに誰の為に買うつもりだ?」
「私の為です!行って来ます!」
言って狙いをつけた雑貨店に急いで入った。
10分しかない、急がないと。
何か・・・何か・・・・!
首をぐるんと回した先に見つけた文字。
よしこれに決まり!
「すみませんこれ下さいっあとラッピングもお願いします大至急で!!」
・・・・という訳で、ぎりぎり10分。
「1分前、だな。買い物は出来たのか?」
「はい!お頭有難う御座いました!」
満足!
「・・・・何を買ったんだ?」
「今は内緒です!」
「今は、な。いつになったら教えてくれるんだ?」
「後日!」
お頭はその答えにとりあえずは諦めたようで、この日はお頭とのデートを楽しんだ。
後日。
船ではいつも通り夜の宴。
でもそこに、私は居ない。
私は今、とある部屋に居る。
きっとお頭は今頃私を探しに行こうとして、
ベンさんに止められる。
私が預けた手紙を渡されて、私の部屋に行ってる頃。
そして私の部屋にある別の手紙を見つける。
その紙には、
『書庫』の文字。
そして書庫に行けば、ベンさんから預かった本とまた別の手紙。
そこには、『厨房』。
厨房に行けばコックさんに頼んでおいたとっておきのビール瓶を出してもらえる。
そしてまた、手紙。
そこに書いてあるのは。
『お頭の部屋』
・・・もうそろそろ、来るかな。
ああ、ドキドキする。
綺麗にラッピングされた箱を両手で握りしめて。
軽く深呼吸をした時、
「・・・・・驚いたな」
珍しく本当に驚いた顔をしたお頭が顔をドアを開けた。
「・・・・いつも、もらってばかりなので。お礼です。コレと・・・・私」
「その箱はこの間のやつか」
「・・・目ざといですね」
さすがお頭。
「それより・・・最高だなアコ、よく似合ってる」
・・・今私が着てるのは、
この間お頭からプレゼントされた。
襟にレースをあしらった、シンプルだけど素敵なロングワンピース。
せっかくの機会だから、と。
「・・・プレゼントも開けて下さい」
「有難くもらうよ」
片手で丁寧にラッピングを解いていくお頭。
・・・・そういう優しさ、好き。
「ビールグラス?」
「ビールが美味しくなる!って書いてあったんです」
「なるほど。それでこれか」
お頭が手に持ったビール瓶を見て笑った。
「はい、これで飲んでほしくて。あ、お酌します」
コックさんに持たせてもらったビール瓶を預かって、開けた。
お頭の持つグラスに注いで。
「・・・・どぞ」
「ああ、最高だ。・・・・・・美味いよ」
お頭はビールを一気に飲み干して幸せそうに微笑んだ。
・・・・ああ、プレゼントってあげる側も嬉しいもんなんだなぁ。
「良かった・・・・」
「それで?そんなカッコして俺の部屋にベッドに居るってことは・・・アコ」
「あ・・・・」
「お前もプレゼントの1つってことでいいんだな?」
「・・・リボンはないですけどね」
「十分だ」
ゆっくりとお頭に押し倒されながら、
その今までにないほどの嬉しそうな笑顔に、
やっぱり私も笑顔になるのでした。