短編③
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「迎えに来た」
と、シャンクスが部屋に来た。
3つ程年上で、この船の頭で。
四皇でもあるシャンクスは私の恋人。
「・・・・まだ準備出来てないんだけど」
「心配しなくていい、ゆっくり待つさ」
・・・・待たれるのも気になるんだけど、と思ったけど口にはしないでおいた。
今日船は島に着いた。
暫くここに逗留する予定らしい。
着いた日はシャンクスとデートする約束なので準備を進める。
「そういえば・・・・ロックスターがさっき気になること言ってたんだけど」
「ロックスターが・・・・お前に告白でもしたのか?」
顔は笑ってたけど目が笑ってない、シャンクス。
「もっと大変なこと。聞いてない?」
「いや、何も」
「遠くの方に気になる船が見えたそうよ」
「気になる船?海軍か?」
「・・・・白ひげ」
ぴくりとシャンクスの眉が上がった。
「・・・聞いてねェが」
「ベックが今確認中だそうよ」
「とは言っても食料に余裕はない。ここを見逃す訳にはいかないからな・・・・」
「大丈夫だと思うわ」
「・・・・妙に落ち着いてるようだが?」
「そう見える?」
「うちもあっちも血気盛んな奴らは多い。気を付けるに越したことはねェと思うが」
「大丈夫よ、うちもあっちも頭がしっかりしてるから」
「アコに何もなけりゃ何もしないさ」
「大丈夫よ、何もない」
「させやしねェ」
「ええ、頼りにしてる」
あとは口紅を塗るだけ、と振り返ったら、
ちゅ、とシャンクスが頬に唇を落として来た。
「・・・お化粧取れちゃう」
「そのままでも十分綺麗だ」
「はいはい、有難う」
お気に入りの真っ赤な口紅を引いて。
「お待たせ、行きましょう」
シャンクスの腕に捕まって歩き出せば、
「一応言っておくが、」
「大丈夫、離れたりしない」
「アコには敵わないな・・・・」
シャンクスが幸せそうに微笑んだ。
部屋を出たらベックが居て、
「ちょうどいい、今いいか?」
「良くねェな」
「・・・・ちょっと、シャンクス」
明らかな苛立ちを見せた。
「不死鳥に気を付けろ、言いたいことはそれだけだ」
ベックはそれを気にした風でもなく(まあいつものことだけど)、
それだけ言って居なくなった。
「・・・・だ、そうよ。お頭さん」
言ってシャンクスをちらりと横目で見た。
シャンクスは不死鳥マルコを気に入ってるから。
「そうか・・・・・まあ、いるだろうなァ」
「・・・・・・広い島だし、会えるかはわからないわね」
どんな反応をするかと思えば意外にも少し困ったような顔をした。
「いいさ、楽しもう」
「・・・何かあったの?不死鳥と」
「いや・・・・何も」
・・・・何かあったのは明白。
でも言いたくないなら仕方ない。
何だか様子がおかしい彼の為にも。
「お酒の美味しいところ、探しましょ」
「ああ、そりゃあいい」
・・・・・なんて昼から居酒屋にやって来たのが不味かったらしい。
「酒が不味くなりそうだよい」
「まあそう言うな、これも何かの縁だ」
楽しく飲もう、とシャンクスが笑った。
・・・・隣の席の、不死鳥に向かって。
まさかこんな最初から不死鳥に遭遇するなんて。
「デートの邪魔して楽しめる訳ねェだろい、なあ赤髪の女」
「あら、お気になさらず。不死鳥さんと飲めるなんて光栄です」
ここはひとまず平穏に、と不死鳥に酌をした。
「あんたみたいな美人に酌してもらえるとは光栄だよい」
「まあお上手」
「心配すんない、これ飲んだら出て行くよい」
と、これは私に向けられたものじゃないな、と思った。
思った通りこれに答えたのは、
「・・・・悪いな、マルコ」
・・・シャンクスだった。
「・・・シャンクス、はいあーん」
目に見えて不機嫌なシャンクスにツマミの卵焼きをあーんしてみた。
「ん。アコに食わせてもらうツマミは格別だな」
「赤髪のデレた顔が見れるたァレアだねい」
「羨ましいだろう?」
「今ならルーキーでもやれそうだねい」
「アコが隣に居る状態でやられるつもりはねェ」
「・・・・そうかい、悪かった」
不死鳥はそう言ってグラスのお酒を飲みほして、席を立った。
「また何処かで会えたらよろしく頼むよい、別嬪さん」
何事もなく終わったことにほっとしながらシャンクスを見るとまだ不機嫌。
「・・・シャンクス?」
「まったく油断も隙もないな」
・・・・何のことわからない。
「アコが鈍感で助かった」
「・・・・それ褒めてないわね」
「今のは口説かれてたんだぞ」
「・・・・そうなの?」
それはわからなかった。
「以前から気になってたんでベンに調べてもらったんだ」
「何を?」
「マルコがアコをどう思ってるか、をだ」
・・・真剣な顔で何を言うかと思えば。
「またまたぁ」
「今日ベンは俺達に、マルコに気を付けろ、と言ったな」
「・・・・言ったわね」
「そういうことだ」
・・・・・なるほど。
それで今のシャンクスの様子に納得。
「大丈夫よ、シャンクス」
思わず苦笑してシャンクスの頭を撫でた。
「私はあなた以外の男に靡いたりなんかしない」
「わかっちゃいるが・・・・」
ちらりと彼の視線がグラスに移った。
「はい、どうぞ」
空になったグラスにお酒を注げばようやく嬉しそうに笑ってお酒に口をつけた。
かと思いきや、シャンクスはそのまま唇を私の唇を重ねた。
お酒が私の口内に流れ込んでくる。
「ん・・・・・・っ」
「・・・美味いだろう?」
「・・・ええ、とても」
悪戯が成功した子供のような顔でシャンクスが笑うから怒る気も失せてしまった。
可愛いなあ。
「もう1杯頼むか」
「私もシャンクスと同じのを」
「アコ」
「何?」
「俺だけに酔っててくれるんだろう?」
「勿論よ、シャンクス」
そして今度こそ2人きりの乾杯で。
可愛い可愛い、私の恋人。