短編①
夢小説設定
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「腹痛ェのか?」
「え、」
驚いた。
エースとは普通に歓談してただけなのに、
いきなりそんなことを言われたから。
気分転換にと思って部屋を出たらエースが居て、そのまま廊下で話してただけ。
別にお腹を押さえてた訳でもないし、
痛みが顔に出てた訳でもないハズだ。
「ナース呼んでくるか?」
何も言えずにいた私にエースはさらに続ける。
「え、や、大丈夫」
「でも痛ェんだろ?」
「うん、でもさっきナースさんに薬もらって飲んだから」
「そっか。無理すんなよアコ、横になってた方が楽なんじゃねェ?」
「ん、そこまでひどくないし。辛くなったら言うね、有難う」
私は今日いわゆる女の子の日というやつで、実はお腹が痛い。
今日はまだ軽い方ではあるものの、重い時は部屋から出れないこともある。
でもエースが女の子の日を知ってるなんてことないよね?
たまたま食あたりとかでお腹痛いと思ってるんだろうなあ。
なんて思ってたら、
「・・・・俺詳しいことは知らねェけど、冷やすとよくないんだろ?」
「・・・・・・・・へ?あ、うん」
真顔でそう言われて思わず反応が遅れた。
「俺ならアコを温めてやれる」
「え、あ、そーだね。エースは火だもんね!あったかそうだよね」
「試してみるか?」
「な、」
何を、と言う前にエースは私をふわりと包む。
あ、あったかい。
っじゃなくて!
「ええええエース!人に物を聞いたら返事を聞くのは常識!てかここ廊下!ああでもあったかい!」
頭パニックで何言ってるのか自分でもわかんなくなってきたけど。
「な、あったけェだろ」
「・・・・・・・うん」
それでもエースの嬉しそうな声に、
まあいっかと思える自分が居る。
「何で、わかったの?」
何が、とは言えなかったけど。
それでもエースは理解したようで、
にし、と笑った。
「好きな女のことくらいわかる。いつも見てるからな!」
そしたら胸がきゅんとなって、
「・・・何かお腹痛いの治ったかも」
なんて思う。
そして、
「でももうちょっとこのままが、いいな」
我が侭言ってみる。
エースは少し照れたように笑って、
「了解」
背中に回った腕の力が少しだけ強くなった気がした。