短編③
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「すっごく美味しかったねあのパフェ!」
「美味かったな。今度はクレープも食べてみないか?」
「食べたいっ」
楽しかったシャンクスとのデート帰り。
とても幸せな時間。
「アコ?」
「え?」
不意に後ろから名前を呼ばれた。
「・・・・・アコ、だよな」
「・・・・あきくん?」
「やっぱアコ?すっげー偶然じゃん!」
「あきくん!?わぁぁ久しぶり!!」
「一瞬でわかった俺すごくね!?」
「はいはい、すごいすごい。ていうか久しぶり・・・今何してるの?」
声をかけて来たのは幼馴染のあきくん。
思わず話しが盛り上がったところで、
「アコ、こちらは?」
と戸惑ったシャンクスの声。
「シャンクス、幼馴染のあきくん」
「初めましてーホントはアキヒデって名前っす」
「・・・どうも」
「あきくん今何してるの?」
「俺今漫画家の卵」
「えーっすごーい!!」
「背も伸びたって気付いた?俺頑張って牛乳飲んでんだよ」
「え、うそ。・・・・言われてみれば、そう・・・・・かも」
「うわーひでェ!!」
ケラケラと笑うあきくんが昔のままで、
何だか懐かしくなって。
あきくんに抱き着いた。
「ほんと・・・昔は私より小さかったのにねー」
昔から小さかったあきくんによく抱き着く癖があったんだよね、私。
あんなに可愛かったあきくんが今はもう私より大きい。
「それ言うなって」
でも昔から決して弱い人ではなかったから、
彼のこれからの将来も心配はしてないけど。
それでも会えた嬉しさで何分か立ち話して、
「あ、ごめんねシャンクス待たせちゃって」
「いや、気にするな」
「じゃああきくん、またね」
「おー元気でやれよ、そっちも!」
「うん」
あきくんと別れて、
無事に帰宅。
「はぁ、今日も楽しかったねシャンクス。・・・・・シャンクス?」
玄関に入った瞬間シャンクスが動かなくなったので心配して名前を呼べば、
「ひゃ!?」
強く身体を引かれてシャンクスの両腕に閉じ込められた。
そして、
「ん・・・・・・・・っ」
少しだけ強引な、深い口づけ。
「・・・・・は・・・・ん・・・・」
「・・・・アコは、俺の恋人だろう?」
「シャンクス・・・・?」
「失いたくねェんだ、アコだけは・・・・」
「・・・・どうしたの?」
さっきまではいつも通りだったシャンクスが泣きそうな声で。
苦しそうな顔で私を見つめる。
思わず尋ねればシャンクスは、はっとなって慌てたように私を離した。
「いや、何でもない・・・・すまん」
「・・・・でも」
シャンクスは心配する私を誤魔化すように、
私の髪をくしゃくしゃと撫でて背中を向けた。
・・・・・シャンクスは、いつも優しいし何も言わないから気づかなかったけど。
もしかして。
「・・・・もしかして、あきくんにヤキモチ?」
妬いてくれた?なんて。
ちょっと期待したりして。
でもシャンクスは、
「そんなことはないさ」
と短く言いきる。
「ホントに?」
「ああ」
「でもシャンクスあきくんに会ってからなんか変だよ?」
・・・・シャンクスはそういうのを1回も見せてくれないから。
ほんとは少し妬いて欲しいとずっと思ってた。
「ホントに何でもねェ、気にするな」
「・・・ほんとに、妬いてないの?」
「ああ、勿論だ」
悲しい、悔しい。
そんな気持ちに支配された私は、
「何でもないなら私、久しぶりに会えたことだしあきくんところに行ってくるね」
まだ話したいこともあるし、と玄関を出ようとした。
我ながら子供だなあとは思うけど。
ドアノブに出をかけた瞬間、再び腕を引かれて、
お腹にシャンクスの手が回った。
「・・・・・シャンクス」
「駄目だ」
「どうして?家も近いしまだそんな遅い時間じゃ、」
「あの幼なじみに嫉妬した。アコがあいつに抱きついたとき、俺が見たことない表情をしていただろう?」
「え、わかんなかった、けど」
「・・・・どうしようもなく、嫉妬したんだ」
「・・・・ほん、と?」
「俺以外にあんな表情を見せて欲しくはねェ・・・・俺の恋人だと、言ってやりたかった」
・・・・言われてみればあきくんにシャンクスのこと恋人だよって紹介しなかったからな、私。
・・・・そっかぁ。
シャンクス、妬いてくれたんだ。
それでもあきくんの前では普通にしてくれてたんだ。
・・・・・・胸がきゅうっと締め付けられた。
「ごめんねシャンクス。私の大切な人はシャンクスだけだよ」
「・・・・心の狭い男と呆れたか?」
「そんなことない」
謝罪と感謝の意味をこめてシャンクスに軽く口づけた。
「今度ちゃんと恋人だって紹介する」
「・・・・嬉しいな」
突然身体がふわりと宙に浮いた。
・・・・シャンクスにお姫様抱っこされてる状態、だ。
「シャンクス!?」
「俺が世界で1番愛してるのは・・・大切なのはアコだけだ。今日は帰せねェ」
「・・・・・ん」
優しくベッドに落とされて。
優しい口づけ。
「シャンクス・・・・・っ」
「アコ・・・・・」
「・・・・大好き、だよ」
「ああ・・・・愛してる」
その日の夜は何度も愛してる、と言って。
愛してる、と耳にした。
そして数日後。
夜景の綺麗なレストランで、
「もう待てないんだ。・・・俺と結婚してくれ」
とプロポーズされて。
今度あきくんに会った時には、
恋人、ではなく。
旦那様です。
・・・・と紹介することになりましたとさ。