短編③
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「あ。マヨネーズもうなかった」
「買って来よう」
「いいよ、シャンクスせっかくのお休みなのに」
お休みの日。
シャンクスのリクエストでお昼ご飯にポテトサラダを作ろうとしたんだけど、
マヨネーズがなかったことに気が付いた。
「せっかくだアコ、一緒に行かないか?」
「私は勿論大丈夫だけど・・・シャンクス平気?疲れてない?」
「もう十分休ませてもらったさ。本来なら俺1人で行った方がいいんだろうが・・・・」
「え、何で?」
「主婦には休日がないからな。だが買い物とはいえデート気分が味わえるだろう、2人で行けば」
だからこれは俺のワガママなんだ、とシャンクスが苦笑した。
「むしろ私はシャンクスと行くと重い物買えるから嬉しい。行こ?」
「車出すか?」
「ううん、今日Lスーパーがマヨネーズ安いから。あそこなら近いし歩いて行こう」
「わかった」
「あ、でもそしたら重いのやめとくね。シャンクス大変だし」
「気にしないで買え。力ならそこらの男より自信があるつもりだ」
・・・やめとくね、と言ったことが気に障ったのか、シャンクスの顔が少しだけ曇った。
珍しい。
「うん、頼りにしてる。ありがとね」
「よし、行こう」
結婚1年目。
もう新婚とは言えないかもしれないけど、
まだまだラブラブ。
手を繋いで買い物。
「そこの本屋、潰れたんだな」
「結構前だよー潰れたの。次薬局になるんだって」
「薬局ならすぐそこにもあったはずだが・・・」
「意識してるのかもね。ライバル意識出して安くなってくれたら嬉しい」
「チラシの見比べが大変そうだ」
「なかなか面白いんだよ?来週オープンってチラシ既に入ってた」
「・・・情報が早いな。さすがだ」
感心してるのか呆れてるのかわからない表情のシャンクスに、
「シャンクスのお嫁さんですから」
と言ってこつん、と頭をシャンクスの肩に預けてみた。
「頼もしいな、俺の嫁さんは」
シャンクスは優しく笑いながら私の髪を撫でてくれた。
「1年、色々勉強したから」
「俺の為に?」
「勿論。店員さんとも仲良くなったし」
ぴく、とシャンクスの眉が上がった。
「男?」
「女性。同じ歳くらいかなぁ、恋人は居るけどまだ独身って言ってた」
「・・・そうか」
ほっとしたように息をついたシャンクスに苦笑したとこでお店に到着。
「マヨネーズと・・・シャンクス何食べたい?」
「簡単なモンでいい」
「お酒のおつまみ?」
「酒のつまみとお前が居りゃ俺は満足だ」
「もう少しお酒減らしてくれると嬉しいんだけどな」
シャンクスの健康の為にも、家計の為にも(困窮はしてないけど)。
「心配は嬉しいが、惚れた女の側で飲む酒は美味くてな」
「・・・・もう」
いつもこんな感じ。
でも、好きな人にこんなこと言われて嬉しくない訳がない。
「それに料理がまた美味いだろう?最高だな」
「・・・・・有難う」
ああっもうほんとに上手いんだから!
「あ、鶏肉安い。チキンステーキとかどう?」
焼くだけだけど。
「美味そうだ」
「じゃあ決定。あとうちにあるのでサラダにして・・・・」
あとお魚。
「うーん・・・・・」
どれも安くないな。
あ、待って。
「今何時?」
「12時55分だな」
「やった!あと5分でタイムサービス始まる!しかも今日はお刺身の日!」
「・・・そうなのか?」
「土曜はお刺身で日曜日はステーキの日なの。13時からはタイムサービスで更にお得」
「詳しいなアコ」
「任せて。・・・ね、お菓子買ってもいい?」
「好きなだけ買えばいい。俺からの礼だ」
いつもはダイエットのことも考えてほとんど買わないんだけど。
・・・・シャンクスと一緒だから。
って、シャンクスのお酒論と一緒になっちゃうけど。
シャンクスの言葉に甘えてチョコレートのケーキとお菓子を少々カゴに入れた。
「・・・・重くない?」
カゴを持っててくれてるシャンクス。
「まったく重くない。気にしなくていいから好きなように買い物してくれ」
・・・我が旦那ながら素敵。
「ありがとっ、じゃあタイムサービス行ってくるからここで少し待っててね!」
そして意気込んでタイムサービスのお魚コーナーへ。
結果。
「カツオのお刺身激安でゲット!」
「やったな。怪我してないか?」
「全然平気。お会計でいい?」
「ああ、そうしよう」
カツオのお刺身を無事ゲット。
マヨネーズも入れたし、お会計。
「1つ持つよ?」
店を出たとこで袋2つ持ってくれてるシャンクスにそう声をかけたけど、
「気にするな」
と頑として渡してくれない。
「重くない?」
「重くねェさ、これくらい」
「そっか。じゃあお願いする。ついでにこっちの道通って帰らない?」
来た時とは別の道。
「そっちは?」
「そっちは駄目」
「工事中だったか?」
「それもあるけど・・・・あ、ほら見て。花が綺麗なのこの道」
「よく知ってるな」
「前までは別の花が咲いてて・・・ここはいつも花が咲いてる」
四季折々の花が見れる道。
「・・・ちなみに、さっきの道が駄目だった理由を聞いてもいいか?」
「道が狭いの」
「・・・それが嫌なのか?」
「・・・・・だってシャンクスと並んで歩けないから」
道が狭いと並んで歩けない。
手も繋げない。
そんなのつまんない。
「・・・・・可愛いな、本当に」
「シャンクス?」
その何とも言えない柔らかい表情に見惚れた。
「頼もしくて可愛い奥さんを持った俺は幸せだな」
「・・・どうしたの急に」
「急じゃねェ。俺は何度もアコに恋をする」
「・・・私も」
いつまでも変わらないシャンクスと、
まだ知らなかったシャンクスを発見してはその度にシャンクスに恋をする。
「生まれ変わっても俺と結婚してくれるか?」
「・・・気が早くない?」
「早くない。・・・誰にも渡するつもりはないからなアコ」
ちゅ、と額に軽く口づけを受けて。
私も笑った。
「じゃあ、予約。私もシャンクスを誰にも渡さない」
予約、という名の約束。
来世でも、
シャンクスと手を繋いで歩く権利は私だけ。