短編②
夢小説設定
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お頭と2人きりの夜は更けていく。
2人、赤らんだ頬。
目の前には空っぽになった瓶と、グラス。
元々少なかった肴もほとんどない。
「・・・・アコ?」
「・・・・・はい?」
「眠そうな顔してるな」
「眠い、ですもん」
「寝るか?」
「ここで、ですか?」
「今なら添い寝のサービスつきだ」
「あははっ、っそれは遠慮しておきます」
「・・・・そうかァ、そりゃ残念だ」
残念だ、と言って笑って目を閉じたお頭が綺麗で。
・・・キスしたい、と思った。
言わないけど。
「お頭も眠そう」
「ああ・・・・眠いな」
「片付け私やっておきますから、寝て下さい」
「・・・もう少し、駄目か?」
「え?」
「もう少し俺の側に居てくれ」
「・・・・・・お酒、持って来ます?」
なくなっちゃったし。
「いや、酒はもういい」
「そう、ですか?」
「アコがいてくれりゃ十分酔える」
「もう十分酔ってるじゃないですか、お酒で」
「まだ足りねェ・・・・アコが足りてねェのさ」
「・・・・・飲み過ぎですよ、お頭」
「シャンクス、とは呼んでくれねェか」
「・・・・・・・・シャンクス」
「アコ」
お頭の顔が近くなって、
目を閉じて。
「・・・・・・あ、れ」
気が付いたら見慣れた天井が見えて。
・・・・・・・あれ?
横にはお頭。
ここは・・・・お頭の部屋のベッド。
えええええ!?
どういうこと!?
私・・・・どうしたんだっけ?
「どうした?」
「・・・・お頭?」
「具合が悪いか?」
「えっと・・・・・・あの」
優しい顔のお頭が、声をかけてくれて。
・・・・なんだか、不思議な空気。
「気持ち悪いか?大丈夫か?」
「私・・・・・何でここで寝てる、んです・・・・か?」
お頭の心配も嬉しかったけど、
何よりこの状況の理解をしたかった。
「言っていいのか?」
「え」
「まあそういうことなら説明するが」
「どういうことですか!?」
聞きたいような聞きたくないような!!
お頭は私の顔を見て、ふ、と微笑んだ。
「まだ辛いだろう?寝てていいんだぞ」
・・・・・・・どういうことですかホントに。
ぽんぽん、とお頭の大きな手が私の頭を軽く叩く。
でもそれは包み込むように優しくて。
温かくて。
・・・また、眠くなってきちゃった。
酔ってる時なら好きって何回言ってもきっと戯言で許される。
でも、こんな酔いが覚めてから好きって言ったら。
・・・・お頭はどう思うかな。
まだ酔ってるのか?なんて言って笑うかも。
「いい夢が見たい、です」
「見れるさ」
「お頭も・・・見れます?」
「勿論だ。アコが隣に居ていい夢を見ない訳がねェ」
「なら嬉しい・・・・です」
ああ、幸せだなあ。
こんな幸せな夜があっていいのかしら。
「幸せだなァ」
私が今思ったことをお頭がぽつりと呟いた。
「・・・しあわせ、ですねえ」
「アコと2人きりで酒が飲めて、今俺の隣にアコが寝てる。こんなにいい夜はねェ」
「・・・・それ、私の台詞です」
「・・・・駄目だぞアコ」
「・・・・え?」
「そんなこと言われたら期待しちまうだろ?」
・・・・それも私の台詞、です。
そんな風に言われたら期待しちゃう。
この気持ちはまだ言わないでおこうと思ってるのに。
・・・・ずっと、この胸に秘めておこうと思ってるのに。
「・・・・シャンクス」
私はずっと、あなたのことが。
「・・・・ん?」
「・・・・また、2人でお酒飲みましょうね」
「・・・・そうだな」
そうして再び目を閉じたら、
次に開けたのは朝だった。
「・・・・・・・・・・・・恥ずかし過ぎてどうにかなりそう」
「可愛かったぞ、アコ」
ご機嫌そうなお頭の口から語られたのは、
どうも目を閉じた後私がそのままこてんと寝てしまったのでベッドに運んでくれて、
そのままお頭も寝た、ということだった。
・・・・・・い、色んな意味でセーフ!!