短編①
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夏島が近づくモビーディック号。
その厨房は、暑い。
ものすごく暑い。
火を使う場所だし当然のことなんだけど。
・・・汗が止まらない。
暑いのは苦手だ。
「アコちゃーん、肉野菜炒め追加なー!」
「はーい!」
炒めたり揚げたり、煮たりと。
更に動き回るものだから尚更。
「アコちゃん休憩!」
「へ!?」
追加の炒め物を皿に盛ったところで、サッチさんがそう言いに来た。
「ずっとこのまんまじゃ倒れちまうっての。甲板で涼んで来ること!サッチさんの命令!」
「・・・有難う御座います!」
サッチさんの随分優しい命令にお礼を言って、言われたとおり甲板へ出た。
まだ宴中の皆からのお誘いを断ってなるべく人の少ない所へ。
生ぬるい風が顔を撫でていって、それでも少し気持ちいいと思ってしまう。
「ふあー・・・・」
風は気持ちいいけどずっとこのままで居る訳にもいかない。
皆も頑張ってるんだから。
そんなコトを考えながら風に当たっていると、
突然頬に冷たい何かが押し当てられた。
「ぴゃあっ!」
「・・・くっ、ぴゃあって何だい、それ」
そう言って楽しそうに笑ったのはマルコさんで。
マルコさんは手に氷のたくさん入ったグラスを持っていて、恐らくそれを頬に押し付けられたんだろうなと思った。
「色気がないとおっしゃりたいんでしょうか」
「そんな怒るなよい。ほら、飲め」
「え、これ私もらっていいんですか?」
「その為に持って来たんだよい。・・・お疲れさん」
ひんやりとしたグラスを受け取って、中を覗いた。
「これお酒じゃないですよね?」
「ただのお茶だい。・・・まだ終わってねェんだろい?」
「・・・有難う御座います」
苦笑するマルコさんにお礼を言って口をつけた。
ごくりと喉を鳴らしてお茶を流すと思ってた以上に冷たくて美味しかった。
「ぷはーっ!ウマ!」
「・・・・おっさんかいお前は」
「だって美味しかったんですもん。ご馳走様でした!」
「もう、戻んのかい?」
「はい!そのつもりです。あ、何か食べたいのあります?」
風にも当たったし、冷たいお茶も貰ったし。
気合い入れて戻ろうとしたら、マルコさんに変な顔をされた。
「・・・・アコが食いてえ」
しかも変なこと言ってる。
暑さでおかしくなっちゃったのかな、マルコさん。
「やだなー私は食べれませんよ」
「・・・厨房は暑ィだろい?辛くはねえのかい」
「そりゃ辛いですけど」
「なら、」
「でも皆が美味しいって言って食べてくれるならいいんです」
暑くても、辛くても。
皆が美味しいって笑ってくれるから。
頑張ろうって思える。
「・・・そうかい」
「心配して下さって有難う御座います」
「心配なんざしてねぇよい」
「え、ひどい」
心配してくれてると思ったのにー。
少しだけがっかりしていたら、頭の上に乗せられた大きな手。
「ただの独占欲だよい」
「・・・・・?」
独占欲?
何が?
頭の中でクエスチョンマークが飛び交う私を笑って、マルコさんはそのまま私の頬に、
ちゅ、っと。
「・・・・・・!?」
「やっぱ熱ィじゃねえかい」
「は」
「熱中症には気をつけろよい」
その言葉をきっかけに私の体中の熱が顔に集まったように熱くなり、そのまま倒れた。
「・・・おっと」
意識がなくなる前に、
「てめェマルコ!アコちゃんに何しやがった!」
そう怒鳴るサッチさんの声が聞こえた気がした。
その厨房は、暑い。
ものすごく暑い。
火を使う場所だし当然のことなんだけど。
・・・汗が止まらない。
暑いのは苦手だ。
「アコちゃーん、肉野菜炒め追加なー!」
「はーい!」
炒めたり揚げたり、煮たりと。
更に動き回るものだから尚更。
「アコちゃん休憩!」
「へ!?」
追加の炒め物を皿に盛ったところで、サッチさんがそう言いに来た。
「ずっとこのまんまじゃ倒れちまうっての。甲板で涼んで来ること!サッチさんの命令!」
「・・・有難う御座います!」
サッチさんの随分優しい命令にお礼を言って、言われたとおり甲板へ出た。
まだ宴中の皆からのお誘いを断ってなるべく人の少ない所へ。
生ぬるい風が顔を撫でていって、それでも少し気持ちいいと思ってしまう。
「ふあー・・・・」
風は気持ちいいけどずっとこのままで居る訳にもいかない。
皆も頑張ってるんだから。
そんなコトを考えながら風に当たっていると、
突然頬に冷たい何かが押し当てられた。
「ぴゃあっ!」
「・・・くっ、ぴゃあって何だい、それ」
そう言って楽しそうに笑ったのはマルコさんで。
マルコさんは手に氷のたくさん入ったグラスを持っていて、恐らくそれを頬に押し付けられたんだろうなと思った。
「色気がないとおっしゃりたいんでしょうか」
「そんな怒るなよい。ほら、飲め」
「え、これ私もらっていいんですか?」
「その為に持って来たんだよい。・・・お疲れさん」
ひんやりとしたグラスを受け取って、中を覗いた。
「これお酒じゃないですよね?」
「ただのお茶だい。・・・まだ終わってねェんだろい?」
「・・・有難う御座います」
苦笑するマルコさんにお礼を言って口をつけた。
ごくりと喉を鳴らしてお茶を流すと思ってた以上に冷たくて美味しかった。
「ぷはーっ!ウマ!」
「・・・・おっさんかいお前は」
「だって美味しかったんですもん。ご馳走様でした!」
「もう、戻んのかい?」
「はい!そのつもりです。あ、何か食べたいのあります?」
風にも当たったし、冷たいお茶も貰ったし。
気合い入れて戻ろうとしたら、マルコさんに変な顔をされた。
「・・・・アコが食いてえ」
しかも変なこと言ってる。
暑さでおかしくなっちゃったのかな、マルコさん。
「やだなー私は食べれませんよ」
「・・・厨房は暑ィだろい?辛くはねえのかい」
「そりゃ辛いですけど」
「なら、」
「でも皆が美味しいって言って食べてくれるならいいんです」
暑くても、辛くても。
皆が美味しいって笑ってくれるから。
頑張ろうって思える。
「・・・そうかい」
「心配して下さって有難う御座います」
「心配なんざしてねぇよい」
「え、ひどい」
心配してくれてると思ったのにー。
少しだけがっかりしていたら、頭の上に乗せられた大きな手。
「ただの独占欲だよい」
「・・・・・?」
独占欲?
何が?
頭の中でクエスチョンマークが飛び交う私を笑って、マルコさんはそのまま私の頬に、
ちゅ、っと。
「・・・・・・!?」
「やっぱ熱ィじゃねえかい」
「は」
「熱中症には気をつけろよい」
その言葉をきっかけに私の体中の熱が顔に集まったように熱くなり、そのまま倒れた。
「・・・おっと」
意識がなくなる前に、
「てめェマルコ!アコちゃんに何しやがった!」
そう怒鳴るサッチさんの声が聞こえた気がした。