短編②
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「ただいま、アコ」
「おかえり、シャンクス」
シャンクスが帰って来た。
・・・・さあ、ここからが勝負。
今日の食卓は、願いを込めて全部キティちゃんで揃えた。
・・・・・・ドキドキドキ。
いつものようにおかえりのキスをして。
「先お風呂入る?」
「いや、美味そうな匂いがしてるからな、飯にしよう」
「今お酒出すね」
「ああ、頼む」
料理オッケー。
お酒オッケー。
「頂きます」
「今日も美味そうだ、さすがアコだな」
「有難うシャンクス」
いただきます。
と食事開始。
「どう?」
「勿論美味いさ。それで?」
「・・・・へ?」
にこにことシャンクスは嬉しそう。
「それで今日はどんな可愛いお願いをしてくれるんだ?」
「えっ、嘘」
「俺に頼みたいことがある、さてそれをどう切り出そうかって顔に書いてある」
「・・・・・・・嘘ぉぉ」
「可愛いおねだりを期待してるんだが」
・・・・全部お見通し?
「・・・あのね。シャンクスが忙しいのは承知してるんだけど」
「ああ」
すごいなあシャンクスは。
「・・・・・旅行行かない?新幹線で」
「旅行?行きたいところがあるのか?」
「・・・行きたいところっていうか」
「なるほど。新幹線、ってところがポイントだな」
・・・・シャンクスの推理力すごすぎる。
「・・・・キティちゃんの新幹線が走るんだって」
「そりゃあ乗らない訳にはいかねェな」
「ホント!?」
「1ヵ月、待ってくれるか?」
「勿論ですとも!!」
「アコが喜んでくれる上に2人きりで旅行が出来るなんて最高だな」
「有難うシャンクス・・・!!」
優しくて心が広い私の大好きな恋人。
ああ、楽しみ!!
「休みとれた!?」
「ああ、ついでにチケットも取っておいた」
「あ・・・・あのね?運行してない日もあって」
「勿論チェック済みだ。行き先は何処でも良いんだったな?」
「うん、大丈夫」
「なら一旦大阪まで行って観光して、次に新大阪から例の新幹線に乗って新山口。どうだ?」
「完璧です・・・!!」
「アコ、ご褒美は?」
「シャンクス大好き・・・っ」
ちゅ、と頬に口づけ。
「じゃあ俺からもお返しだ」
「・・・・ん」
シャンクスからのお返しは、唇に。
「愛してる、アコ」
「・・・・・ぷしゅう・・・・」
「だっはっは、可愛いなアコは!」
・・・・シャンクスが素敵過ぎて、
恥ずかし過ぎて。
愛してるが言えなかった。
「きつねうどんがここまで美味しいなんて感激」
「串カツもさすがの美味さだ」
まずやって来た大阪を満喫。
さすが大阪、食い倒れの街。
食べ物が美味しい。
「今日は一泊して、明日は山口だったよね?」
「ああ、その予定だ」
「・・・・山口って何かある?」
高杉晋作とか桂小五郎の故郷っていうのは知ってるけど、シャンクスが歴史好きだって話は聞いたことがない。
「俺達にぴったりの場所がある」
・・・・何だかシャンクスも楽しみにしてるみたいだし、私は私で新幹線が楽しみだし。
ま、いっか。
夜は素敵なホテルを堪能して、
次の朝早く。
目的の新幹線へと、乗り込んだ。
「はわわわ・・・・・!!!」
もう外装からして可愛いでしょ、新幹線。
外装だけで何枚写真撮ったかわからない。
にも拘らず、内装と来たら!!
「可愛すぎるぅぅぅ!!!」
キティちゃんに囲まれて旅行が出来るなんて!!しかも車掌キティちゃん!
「見てシャンクス!腕のとこにも!後ろにも!!はてには窓にも!!!」
「可愛いなァ」
「可愛い!!」
「アコが可愛すぎる」
「シャンクスお願いっ」
「勿論。あとでフォトスポットにも行こう」
シャンクスは私の言いたいことがすべてわかってるかのように笑顔で頷いてくれる。
「はああっトレーシーがこんなところにぃぃ!!」
「あれもそうじゃないか?」
「モーリー!!すごいシャンクスっ!!」
キティちゃんの世界があちこちに!
大興奮!!
「アコ、こっち」
「はいっ」
シャンクスの方を向けばパシャリと写真を撮られた。
「最高に可愛いな、アコは」
「・・・・・ありがと、シャンクス」
はしゃぐ私の肩を抱き寄せてシャンクスが満足げに唇を寄せた、その瞬間。
「このチャイムは・・・キティちゃん・・・幸せ・・・・っ」
「・・・・・だな」
それでもシャンクスは笑ってくれてた。
「愛し過ぎるキティちゃん・・・!!愛してるー!!」
・・・・・・ちょっと。
シャンクスに申し訳なかったかもしれない。
新幹線のチケット、予約殺到して取るの大変だったはずなのに、取ってくれて。
なのに私ときたらキティちゃんのことばっかり。
それでも展示室など車内を満喫して、
山口に降り立った。
「何処に行くの?シャンクス」
「レンタカーを借りてあるんだ、行こう」
嬉しそうなシャンクスに連れて来られたのは。
「海峡ゆめタワー・・・・?」
「恋人の聖地と認定されてるそうだ」
「こ・・・っ」
恋人の聖地!!
「恋人証明書、作らないか?」
写真付きの恋人証明書・・・!!
「・・・・・作る」
恥ずかしいけど、お気に入りのキティちゃんのワンピース着てるし!!
シャンクスにも喜んでもらいたから!!
「こちらが証明書になります」
「うひゃあ・・・・」
写真付きの証明書はかなり恥ずかしいけど、シャンクスは嬉しそう。
「展望室もあるそうだ、行ってみないか?」
「行くっ」
展望室までのエレベーター。
シャンクスと2人きり、だったんだけど。
・・・・・愛してる、って言えば良かったのに。
言えなかった。
「わー・・・・キレー・・・・」
見下ろした山口の景色の壮大なこと。
「アコ。プレゼントだ」
「え?・・・・・・・・はあああっフグキティちゃん山口限定!!何コレ可愛すぎる!!」
シャンクスがくれたのは山口限定のフグキティちゃん根付。
「俺からの気持ちだ。いつも家事やらなにやら感謝してる。それから・・・愛してる」
ぷしゅぅぅぅ・・・・・!!
って恥ずかしがってる場合じゃない!!
わ、私も!!
「・・・・アコ?」
「・・・・有難うシャンクス。大好き」
・・・・・私にはこれがまだ精一杯だった。
山口も満喫して、
一泊。
いよいよ帰路へ。
大阪まではまたあの新幹線で帰れる。
「グッズもいっぱい買えたし・・・幸せ。ごめんねシャンクス付き合わせちゃって」
「その言葉が聞けただけで俺も幸せだ、楽しかった」
「あっ来た!!ああぁ可愛いぃぃぃ」
目の前に来たキティちゃんの新幹線。
行く時も撮ったのに今もカメラのシャッターが止まらない。
2回目の車内。
さすがに疲れも出てきて、今回は展示室を見ないで座った。
「・・・ふぅ」
「寝てていい、疲れてるだろう?」
「うん・・・・でも」
「・・・・でも?」
まだシャンクスに愛してるって言ってない。
ふと目の前に描かれた車掌キティちゃんと目が合った。・・・気がした。
頑張って、と言われた気がした。
「・・・シャンクス、休み取ってくれて有難う、チケット取ってくれて有難う。一緒に居てくれて、有難う」
それから。
「・・・・・・愛してる、シャンクス」
言えなかった、言いたかった大事な言葉。
これを言わないでこの旅行は終えられない。
「・・・・参ったな。破壊力抜群だ」
「・・・・・・・・・・・キティちゃんには簡単に言えるのに」
「キティは普段アコを抱きしめることは出来ないからな、その点は俺の勝ちだ」
「これからも抱き締めてくれる?」
「勿論、喜んでだ。・・・キティに感謝だな」
「私はシャンクスとキティちゃんに感謝」
大好きなキティちゃんに囲まれて。
大好きなシャンクスが隣に居てくれて。
幸せな私でした。