短編②
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「まさかあんたが結婚して子供まで育ててるなんて・・・・」
高校時代の友達とお茶中。
友達のナミが不思議そうに呟く。
「自分でも不思議。ナミの方が絶対先に結婚すると思ってた」
「アコの1番のネックはそれよね」
「・・・・これ?」
ナミが指さした私のバッグ。
言わずと知れたキティちゃん。
「そういうのひっくるめて愛してくれる男が現れるなんて貴重よ、大事にしなさいよ」
「・・・・勿論」
シャンクスの偉大さ、有難さは重々承知している。
「ちなみに今日子供は?」
「シャンクスが面倒見てくれてる」
「・・・ほんっといい旦那よね」
「えへへー」
「惚気てくれちゃって。・・・どうやって出会ったのよ、そんな人と」
「えーっと・・・・・・・」
・・・・・・・・・シャンクスとの、出会いは。
「・・・・・・・重い」
その日はサンリオショップに新商品のグッズが大量入荷されるというニュースを聞いてショップに行った私。
話しの通り新商品がたくさん。
しかも私のドツボを突いてくる可愛いものばかり。
あれもこれも欲しいと手に取りお会計。
・・・・・したあとで後悔。
渡された袋4つ。
しかも特大サイズで。
買い過ぎた。
でも頑張って持って帰らないと・・・!!
「・・・・うぅ」
意気込んですぐに撃沈。
た・・・・タクシー!!
ひらめいたもののショップで散財、持ち合わせがないことに気づいた。
・・・・可愛いこのコ達の為だ頑張ろう。
とその時、ふらりと身体が揺れた。
「あ」
やばい、と思ったけど何も出来なかった。
両手は荷物で塞がってて転んでも手も付けない。
最悪の事態を覚悟したけど、
「大丈夫か?」
がっしりした身体に支えられて何ともなかった。
「あ・・・・・すすすすみませんっ」
「怪我は?」
「大丈夫です!」
爽やかな笑顔で私を助けてくれた男の人。
赤い髪がよく似合う精悍、と言う言葉がぴったりの雰囲気の人。
うわあカッコイイ人に助けてもらっちゃった!
「それを1人で運ぶのか?」
「は・・・・・はい・・・」
恥ずかしい。
「無茶にも程があるな」
怒ったようにそう言いながらその人は私の手から袋を3つひょい、と取り上げた。
「え、あ」
「盗んだりしねェから、俺に任せてくれないか?」
そして今度はそう言ってにっこり。
「ももも申し訳ないですから!」
「何、どうせ時間が余ってたところだ。可愛い顔が傷つくよりいい」
か・・・・っ可愛いって私のこと!?
「有難う御座います・・・!!」
「っていうのが出会い。もうほんっとカッコ良かったぁ」
「今もでしょ。何その時にナンパでもされたの?」
「ううん、その時は家まで送ってくれてそれで終わり」
「・・・・そうなの?」
「私もその時はいい思い出にしようくらにいか思ってなかったし・・・・」
「・・・・次は?」
「次は・・・・」
出会いから2週間後くらいのことだった。
たまたま最寄りのサンリオショップ近くに用があって歩いていたら。
「女を口説いて昼飯抜きとはねェ」
「それ程イイ女だったってことだろ」
サラリーマン風の男の人2人がそんな会話をしながらコンビニから出てきて、
後ろから赤い髪が見えた。
「昼飯抜くくらいたいしたことじゃないだろう、彼女が無事に帰れたんだ」
・・・・っ私のことだ!!
あの日私のせいでお昼ご飯食べれなかったの・・・・!?
「・・・・・・あのっ」
気が付いたら声が出てた。
「・・・驚いたな」
彼は驚いた様子を見せながらも立ち止まってくれた。
「この間私のせいでお昼ご飯が・・・!?」
「何、気にしてもらう必要はねェ。夜はちゃんと食えた」
「じゃっじゃあ今日の夕飯ご一緒出来ませんか!?お礼に何か美味しいものでも!」
ご馳走します!!
勢いに任せて叫んだ。
彼の答えは、
「喜んで付き合わせてもらおう」
の言葉と満面の笑みだった。
改めて夜待ち合わせをして、
その時初めて自己紹介をした。
「俺はシャンクス」
「わっ私はアコです・・・!」
シャンクスの食べたいものを、と言ったんだけどシャンクスが譲らず、
結局私の希望で洋食レストランで食事をして、
更にご馳走しますと言ったのに私がご馳走されてしまった。
「また飯に付き合ってくれないか?礼ならそれでいい」
「あの時もカッコ良かった・・・・」
「はいはい。で、サンリオ好きはいつバレたの?」
「・・・・その夕飯の時」
「・・・・行ったのね、いつものアコで」
「・・・その時にシャンクスが言ってくれたこと嬉しかった」
「彼、なんて?」
私のサンリオ尽くしの恰好を見てもシャンクスは何も言わなかった。
でも食事の時、
「好きなんだな、そういうの」
・・・・突っ込まれた。
「・・・・友人には子供じゃないんだから、と言われるんですが」
・・・・だよね。
さすがにもう止めないと。
この間だってシャンクスさんに迷惑かけちゃったし。
「子供だろうと大人だろうと好きだという思いを大事に出来る女性ってのは好ましいな」
「・・・・・そう、でしょうか」
「可愛いと俺は思う」
・・・・・・・・・初めてだった。
馬鹿にしないでくれた人。
「いつか恋人が出来たらペアルックとかするのが夢なんです・・・っ」
「ということは今は居ない、と」
「・・・・・あ、はい」
・・・・・私の馬鹿。
自分の恥を自ら進んで晒してしまった。
「その相手が俺ならいいんだが」
「・・・・・・へ?」
あれ何か今幻聴が聞こえた?
「なんてな」
照れくさそうに笑う姿は子供のようで。
・・・・・・完全に、好きになってしまった。
「それから2回目の食事の時に告白されたの」
「で、受け入れたのね」
「うん」
「ま、幸せそうで何よりね」
「有難う、ナミ」
「俺もアコを見習ってみようと思う」
2回目の食事の時そう切り出したシャンクス。
「何かご趣味が・・・・?」
「趣味か・・・そうだな、アコ、ということになるか」
「・・・私?」
「ああ、好きだアコ」
「わ・・・・・私、だってサンリオが好きで・・・・子供で・・・・っ」
「ピューロランドだったか?今度一緒に行かないか?」
「・・・・・いっしょ、に?」
「デートってことで考えてもらえると嬉しいんだが」
「う・・・嬉しいです!!」
そして何回かデートを重ねた後、
同棲。
結婚。
・・・・今に至る。
私は本当に、幸せものです。