短編②
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片思い、どれくらいだっただろう。
ずっと思いを告げるつもりなんかなかった。
・・・・・ずっと、このままでいいと。
そう思ってた。
あの人がよく吸ってる煙草の匂いに包まれて、
『好きだと言ってもいいか?』
なんて海賊らしくない言葉を伝えられた日までは。
「あ・・・・」
その後ろ姿を見つめて思わず駆け寄れば、
「アコ」
優しい声と柔らかな笑み。
「ベンさん」
「・・・・まだそれか?」
苦笑しながら吸っていた煙草を携帯灰皿に押し付ける姿は流れるようで、
思わず見惚れた。
・・・・大人な、恋人。
別に私だって子供じゃないけど。
特に感じる、ベンさんの大人っぽさ。
・・・対して自分の、子供っぽさ。
「・・・ベック」
名前1つ呼ぶのがこんなに難しいなんて。
こんなに恥ずかしい、なんて。
実際彼も、
「本当なら無理にはさせたくねェんだが・・・お頭に見せつけてやろうじゃねェか」
言いながら私の髪を優しく撫でる。
嬉しいけど、子ども扱いされてる感が否めない。
「あははっ、そうしましょう」
・・・・・ぎゅ、と抱きしめてくれる彼は。
煙草の匂い。
私は何の匂い?
・・・・・食べ物だったりして。
「・・・・今日で2日目だが、我慢出来そうか?」
「はい」
島に着いて2日目。
・・・・私は降りてない。
ベックが出られないから。
1人で出るのは駄目だし、
他の人と出るのはもっと駄目だから。
お頭と一緒にやらなきゃいけないことがあるベックは、今日も一緒に出掛けられない。
・・・・仕方ない。
「すまん」
「・・・いえ」
と口にしてみたものの、顔に出てたらしい。
額にちゅ、と軽い口づけを残して、
「明日には出られるよう頑張って来る」
と私に向けた笑顔は困ったような笑みだった。
「行ってらっしゃい・・・!!」
・・・精一杯笑顔を作ってお見送り。
してからの、
「・・・・・はぁ」
・・・・・・大人になりたい。
でなきゃあの人と釣り合わない気がする。
・・・・・・・・・なろう。大人に!!
・・・・・と決めたはいいけど。
大人って何!?
・・・・・とりえず今出来ることは。
まず服!
今はほわわんって感じだからもっと色っぽい服に・・・・!!
今持ってる服をアレンジして。
ブラウスのボタンを開けてスカートを短く。
うん、これだけでもぐっと大人っぽくなった気がする。
ここに更にお仕事中のベックに珈琲を差し入れる気が利く女アピール!!
「失礼します!」
珈琲を淹れていざ部屋へ突入。
「どうしたアコ?」
・・・・・ベックはこちらを見てくれない。
「珈琲をお持ちしました」
「ああ、助かる」
と、振り返りざまベックが固まった。
「・・・・・アコ」
ドキドキ。
「は、はい」
「今日はそんなに暑かったか?」
「へ」
「薄着でいると風邪を引く」
「・・・・・・・はい」
「それにそんな姿、お頭にでも見られたら秒で襲われる」
「・・・・ベックは?」
私の切実な問いにベックはにィ、と口角を上げた。
「襲って欲しいのか?」
・・・・余裕の笑み。
大人だなぁ。悔しいなあ。
「失礼しました・・・・!!」
私の方が恥ずかしくなってしまって、
退室。
・・・・・・・・・・大人って難しい。
でもこんなんじゃ駄目。
ベックに釣り合う女になるんだからー!!
次はどうしよう。
・・・・大人。
は!!
1人で行動出来ない=子供!?
つまり1人で行動出来る=大人!!
1人で島に降りてベックへのプレゼントを買ったら喜んでくれるかな!?
思い至ったらすぐ行動!
幸いベックは今仕事中だし。
支度を済ませてこっそり部屋を出た。
よしよし。
ベックの部屋を通り過ぎたところで、
後ろから腕を引かれた。
「・・・・・え」
「荷物を持って何処へ行くつもりか聞いても?」
「・・・・・ベック?」
「頼むから部屋で大人しくしててくれ・・・・でないと落ち着いて仕事も出来ん」
「・・・・ごめんなさい」
・・・・困らせちゃった。
「一服してくる。戻ったら少し話そう」
ぽんぽん、と頭を叩いてベックは煙草片手に甲板に向かった。
・・・・・煙草。
煙草か!!
煙草吸ってみよう。
吸うならベックと同じのがいい。
部屋にまだストックがあったはず。
1本こっそりもらって吸ってみる。
・・・・・よし。潜入。
整頓された綺麗な部屋。
でも香る煙草の匂い。
・・・ベックの匂い。
机の上にまだ未開封の煙草の箱を発見。
ゆっくりと開けて、恐る恐る1本手に取って気が付いた。
・・・・・・火がない。
どどどどどうしよう、早くしないとベック戻って来ちゃっ、
「アコ」
「・・・・・・あー」
・・・・来ちゃった。
「どうにも怪しいな。さっきからこそこそと・・・何が目的だ?」
ベックは怪訝な顔で私をまじまじと見つめる。
「あ、えっと・・・・」
「俺の煙草を持ち出して何をするつもりだったのか」
聞かせてもらおうか、と耳元で低く囁かれて。
・・・・全部吐きますとも。
「という訳で」
ベックに釣り合う大人になりたかったんです。
「・・・・釣り合ってない、か?」
「だってベック大人だし・・・・っ」
「歳はくってるだろうが・・・年の差が気になるか」
「少しでもベックの隣に似合う女になりたかったんです・・・・!」
「それならまずその敬語をやめてくれ」
「あ・・・・・」
・・・・確かに。
「俺は今のアコを愛おしいと思っているんだ、無理に変わろうとしないでもらいたい」
それに、とベックが笑った。
「いずれ嫌でも大人になる時は来る。その時までは可愛いアコでいてくれ」
それから優しく抱きしめてくれて、
「・・・・・・ん」
少しだけ深い大人のキス。
「明日はいつもの服を着て、俺と2人で煙草のしないアコとデートがしたい」
「・・・・・うん」
我が儘なんだ俺は、だからまだ子供さ。
そういう彼は、
デートの時歩幅を合わせてくれるとことか、
頻繁に疲れてないか?と聞いてくれたり。
・・・・・・大人な恋人。
私はまだまだ子供だけど、
待っててね。
いつか私も大人に、なるから。
ずっと思いを告げるつもりなんかなかった。
・・・・・ずっと、このままでいいと。
そう思ってた。
あの人がよく吸ってる煙草の匂いに包まれて、
『好きだと言ってもいいか?』
なんて海賊らしくない言葉を伝えられた日までは。
「あ・・・・」
その後ろ姿を見つめて思わず駆け寄れば、
「アコ」
優しい声と柔らかな笑み。
「ベンさん」
「・・・・まだそれか?」
苦笑しながら吸っていた煙草を携帯灰皿に押し付ける姿は流れるようで、
思わず見惚れた。
・・・・大人な、恋人。
別に私だって子供じゃないけど。
特に感じる、ベンさんの大人っぽさ。
・・・対して自分の、子供っぽさ。
「・・・ベック」
名前1つ呼ぶのがこんなに難しいなんて。
こんなに恥ずかしい、なんて。
実際彼も、
「本当なら無理にはさせたくねェんだが・・・お頭に見せつけてやろうじゃねェか」
言いながら私の髪を優しく撫でる。
嬉しいけど、子ども扱いされてる感が否めない。
「あははっ、そうしましょう」
・・・・・ぎゅ、と抱きしめてくれる彼は。
煙草の匂い。
私は何の匂い?
・・・・・食べ物だったりして。
「・・・・今日で2日目だが、我慢出来そうか?」
「はい」
島に着いて2日目。
・・・・私は降りてない。
ベックが出られないから。
1人で出るのは駄目だし、
他の人と出るのはもっと駄目だから。
お頭と一緒にやらなきゃいけないことがあるベックは、今日も一緒に出掛けられない。
・・・・仕方ない。
「すまん」
「・・・いえ」
と口にしてみたものの、顔に出てたらしい。
額にちゅ、と軽い口づけを残して、
「明日には出られるよう頑張って来る」
と私に向けた笑顔は困ったような笑みだった。
「行ってらっしゃい・・・!!」
・・・精一杯笑顔を作ってお見送り。
してからの、
「・・・・・はぁ」
・・・・・・大人になりたい。
でなきゃあの人と釣り合わない気がする。
・・・・・・・・・なろう。大人に!!
・・・・・と決めたはいいけど。
大人って何!?
・・・・・とりえず今出来ることは。
まず服!
今はほわわんって感じだからもっと色っぽい服に・・・・!!
今持ってる服をアレンジして。
ブラウスのボタンを開けてスカートを短く。
うん、これだけでもぐっと大人っぽくなった気がする。
ここに更にお仕事中のベックに珈琲を差し入れる気が利く女アピール!!
「失礼します!」
珈琲を淹れていざ部屋へ突入。
「どうしたアコ?」
・・・・・ベックはこちらを見てくれない。
「珈琲をお持ちしました」
「ああ、助かる」
と、振り返りざまベックが固まった。
「・・・・・アコ」
ドキドキ。
「は、はい」
「今日はそんなに暑かったか?」
「へ」
「薄着でいると風邪を引く」
「・・・・・・・はい」
「それにそんな姿、お頭にでも見られたら秒で襲われる」
「・・・・ベックは?」
私の切実な問いにベックはにィ、と口角を上げた。
「襲って欲しいのか?」
・・・・余裕の笑み。
大人だなぁ。悔しいなあ。
「失礼しました・・・・!!」
私の方が恥ずかしくなってしまって、
退室。
・・・・・・・・・・大人って難しい。
でもこんなんじゃ駄目。
ベックに釣り合う女になるんだからー!!
次はどうしよう。
・・・・大人。
は!!
1人で行動出来ない=子供!?
つまり1人で行動出来る=大人!!
1人で島に降りてベックへのプレゼントを買ったら喜んでくれるかな!?
思い至ったらすぐ行動!
幸いベックは今仕事中だし。
支度を済ませてこっそり部屋を出た。
よしよし。
ベックの部屋を通り過ぎたところで、
後ろから腕を引かれた。
「・・・・・え」
「荷物を持って何処へ行くつもりか聞いても?」
「・・・・・ベック?」
「頼むから部屋で大人しくしててくれ・・・・でないと落ち着いて仕事も出来ん」
「・・・・ごめんなさい」
・・・・困らせちゃった。
「一服してくる。戻ったら少し話そう」
ぽんぽん、と頭を叩いてベックは煙草片手に甲板に向かった。
・・・・・煙草。
煙草か!!
煙草吸ってみよう。
吸うならベックと同じのがいい。
部屋にまだストックがあったはず。
1本こっそりもらって吸ってみる。
・・・・・よし。潜入。
整頓された綺麗な部屋。
でも香る煙草の匂い。
・・・ベックの匂い。
机の上にまだ未開封の煙草の箱を発見。
ゆっくりと開けて、恐る恐る1本手に取って気が付いた。
・・・・・・火がない。
どどどどどうしよう、早くしないとベック戻って来ちゃっ、
「アコ」
「・・・・・・あー」
・・・・来ちゃった。
「どうにも怪しいな。さっきからこそこそと・・・何が目的だ?」
ベックは怪訝な顔で私をまじまじと見つめる。
「あ、えっと・・・・」
「俺の煙草を持ち出して何をするつもりだったのか」
聞かせてもらおうか、と耳元で低く囁かれて。
・・・・全部吐きますとも。
「という訳で」
ベックに釣り合う大人になりたかったんです。
「・・・・釣り合ってない、か?」
「だってベック大人だし・・・・っ」
「歳はくってるだろうが・・・年の差が気になるか」
「少しでもベックの隣に似合う女になりたかったんです・・・・!」
「それならまずその敬語をやめてくれ」
「あ・・・・・」
・・・・確かに。
「俺は今のアコを愛おしいと思っているんだ、無理に変わろうとしないでもらいたい」
それに、とベックが笑った。
「いずれ嫌でも大人になる時は来る。その時までは可愛いアコでいてくれ」
それから優しく抱きしめてくれて、
「・・・・・・ん」
少しだけ深い大人のキス。
「明日はいつもの服を着て、俺と2人で煙草のしないアコとデートがしたい」
「・・・・・うん」
我が儘なんだ俺は、だからまだ子供さ。
そういう彼は、
デートの時歩幅を合わせてくれるとことか、
頻繁に疲れてないか?と聞いてくれたり。
・・・・・・大人な恋人。
私はまだまだ子供だけど、
待っててね。
いつか私も大人に、なるから。