短編②
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「アコ、おはよう」
「おはようシャンクス」
私たち新婚夫婦の朝。
おはようのキスに始まり、
「飯は?」
「パン買ってある!ごめんね飲み物冷蔵庫に入ってる!」
「了解」
ドタバタで、
「アコ、行って来る」
行って来ますのキスは慌ただしく。
「行ってらっしゃいー!!」
シャンクスを見送って私もすぐに家を出た。
シャンクスと結婚する少し前に重要な役職に就いたこと、
人手不足なことが重なって、
大変な状態。
これで家事もやらないといけないんだから。
・・・・と言ってもシャンクスが大半は協力してくれて、何とかなってる。
・・・・というかまだ慣れないから家のことはほぼ何も出来てない。
シャンクスには本当に感謝。
「感謝が嬉しくない訳じゃない」
頼んだビールを飲み干し、思いの丈を吐いた。
ヤソップはまたか、と言う顔で、それでも付き合ってくれるいい仲間だ。
「・・・・今日は帰った方がいいんじゃねーの?」
「帰ってもアコが居ねェんだぞ。帰っても意味ないだろう」
「嫁さんが仕事辞められないってのはわかってて結婚したんだろ?仕方ないよなぁそりゃ」
「仕事してる姿も可愛いからなアコは」
まあ、何をしてても可愛いんだが。
「・・・・にしても洗濯掃除料理、もう少しやれるくらいはなぁ」
「そんなことはどうでもいい」
「・・・・いいのか」
家事の分担がどう、とかそんなものはどうでもいい。
「むしろ俺が全部やってもいい」
「じゃあ何が問題なんだか」
「アコが俺を構ってくれねェことだ!」
「・・・・いい歳したオッサンがそりゃねーよ」
「俺が家事をこなすことでアコが俺に構ってくれるっつーなら喜んで全部やろう」
「それ全部嫁さんに言ってやれば解決・・・はしねーか」
「いっそこの会社辞めてアコのとこに行こうと思ってる」
「・・・・おいおい」
「アコの仕事が少しでも楽になればデートも出来るはずだ」
結婚してからまともにデート1つ出来てねェんだぞ。
確かに俺も忙しいが、それ以上にアコが忙しい。
休日があっても休ませてやりたいと思っちまう。
「・・・夜も駄目か?」
「そっちの方も全然だ」
「・・・・じゃなくてよ、寝る時に話したりとかするだろ普通」
「アコの視線はずっとパソコンだ」
「・・・・離婚寸前か?」
「冗談じゃねェぜ。まだ新婚だぞ俺達は」
「時間の問題だな」
「・・・・今更辞めてくれとは言えねェ」
「ま、少しでも人が入ることを祈るんだな」
「・・・・・・・・・そうだな」
おはようのキスと行って来ますのキスだけは何とか出来てるんだ。
有難う、とアコから言ってもらえるのも悪くない。
もう少し待つか。
「アコ、まだ寝ないのか?」
「うん、もうちょっと」
パソコンとのにらめっこを続けながらシャンクスに、
「ごめんね、先に寝てて」
「・・・わかった、おやすみ」
おやすみの挨拶。
・・・・切ない。
シャンクスが優しくて怒らないからって甘えてるよね私。
こんなんじゃいつ愛想つかされるか。
はあ、と一息ついて再びパソコンとにらめっこ開始。
・・・・あ、明日朝早いんだった。
「アコ、そろそろ起きなくていいのか?」
シャンクスの控えめな声で目を開けた。
時計を見て、顔からさーっと血の気が引いていくのがわかった。
「っ寝坊した!!」
「俺はもうすぐ行くが・・・・」
「ごめん起こしてくれてありがと、行ってらっしゃい!!!」
あああ昨日の資料何処だっけ!?
その前に顔洗って化粧して、髪まとめて!!
それからそれから、
「アコ、」
「何!?」
「・・・・・いや、行って来る」
「うん気を付けてね」
何か言いたそうなシャンクスを雑に見送って、自分の支度を大急ぎで終えて、
鍵だけはしっかりかけて私も出勤。
・・・・・忘れ物、ないよね?
「・・・・・キス出来なかった」
「・・・・そんなことでこの世の終わりみたいな顔せんでも」
「キスだけは必ずしてたんだぞ今まで。それが・・・・!!」
「向こうも大変なんだろ。言ってやるな」
・・・・・・・ヤソップの言うことも理解出来る。
確かに今大変な時だ。
・・・・アコも寂しいと思ってくれているか?
・・・思ってるだろう。
それなら夫である俺が今支えないでどうする。
寂しい構って欲しいと自分の欲求は後回しだ。
・・・・まずアコを笑顔にすることを考えるべきだ。
イコールキスに繋がるはずだ。
「た・・・・・ただいま・・・・」
激務を終えて帰宅して、違和感に気づいた。
薄暗い部屋。ほのかなローズの香り。
「おかえり、アコ。お疲れ」
出迎えてくれたシャンクスが、ちゅ、とキス。
・・・・あ。
そういえば今朝、キスしなかったかも。
シャンクスに悪いことしちゃったな。
・・・・でもシャンクスが怒ってる様子はなくてほっとした。
「夕飯は出来てる。簡単なもので悪いが」
「え、ごめん・・・!」
「それとアコの好きな香りの入浴剤も買っておいた」
「・・・・・ありがと。ね、部屋暗くない?」
「それは来てみてのお楽しみだ」
「匂いもなんか」
「それも、お楽しみだ」
シャンクスに腕を引かれて上がれば、
「わ・・・・」
薄暗い部屋に光るキャンドル。
もしかしてこれアロマキャンドル・・・・?
「家でも少しはリラックス出来るだろう?」
「・・・・・・・・シャンクス」
「頼りないかもしれないが、俺はいつでも側に居る」
「・・・・頼りなくなんかない・・・・っ」
食卓のご馳走。
もう、ほんと・・・・・っ!!
私、もっとシャンクス大事にしないといけないなと思いました。
後日。
最高の夜だった、とシャンクスさん談で御座いました。