短編②
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・・・・・人は、
何気ない他人の一言で傷つくし、
何気ない他人の一言で嬉しくもなる。
それは確かだと思う。
「海の馬鹿やろー・・・・・・」
恥ずかしいのでぼそっと呟くけど、
何だか余計に恥ずかしくなった気がした。
やっぱり大きな声で叫べば良かった。
でないとスッキリしないし。
・・・・・・・でも恥ずかしいんだよ。
一応これでも22歳社会人だし。
「海に恨みでもあんの?」
「は!?」
ざざん、ざざん。
穏やかな波の、夜の海。
誰も居ないことを確認して来たはずで、
更に用心深く再確認して声を出したはずだった。
・・・・・それでもだいぶ小声で口にした、
『海の馬鹿やろー』
暗闇の化身かと思う程、
髪の毛から服装は真っ黒らしい、
私に声をかけてきた男の子。
「ホントに言うやつ初めて見た」
「・・・・・・別に海に恨みはない」
「じゃあ何で海の馬鹿やろーなんだ?」
「・・・・・・・・・・・色んなものに対する苦しみとか、まとめて海に伝える為?」
・・・・自分で言ってて疑問形になっちゃった。
「海に?」
「海は・・・・広い心で全部受けれてくれるかなぁ、って」
海に心って何だ自分。
海は広いが心はないよ。
「何か嫌なことがあったとか?」
「・・・そりゃあるよ。生きてれば色々」
「ふーん」
・・・・ふーんて。
まぁそりゃ他人の不幸になんて興味ないかもしれないけど聞いておいて君。
「俺、エース」
「あ、私・・・・アコ」
暗闇でもわかる笑顔につられて私も自己紹介しちゃった。
あーあ何やってるんだろう私。
もう帰ろう。
「アコは叫びたいんじゃなくて泣きたいんだろ?」
「・・・・・・・・・え」
「そんな感じ、するぜ?」
「え、と」
「泣いちまえばいいんじゃねェ?」
「そ・・・・・っ」
そんなこと、言われても。
「俺が居たら邪魔なら帰るけど」
彼はそう言って、自然に私の手を握った。
「誰かに側に居て欲しい時も、あるもんな」
・・・・・その時確かに、
私の心は救われた。
「はー・・・・・・」
朝自分の部屋で目が覚めて、
昨夜の出来事を思い出した。
・・・・・・・あれ夢、じゃないよね。
エースの手は大きくて、
繋ぐって言うより包み込まれてるみたいで。
・・・・温かくて。
言葉も温かかった。
・・・・確かに温かった。
うん、夢じゃない。
あの後私が大泣きしたこと。
泣き止むまでエースは手を離さなかったこと。
ずっと側に、居てくれたこと。
ああ何か落ち着いたかも、と思った時、
エースは消えてた。
・・・・・思い出すと恥ずかしい。
私初対面の人に何てことを!!
いくら仕事が辛いからって・・・・!!
・・・・・・・・また会いたいような、
会いたくないような。
でも今確かに心が晴れてる。
そんな感じ。
・・・・私、泣きたかったんだ。
よし、仕事頑張ろ。
・・・・・・と思ってはいても、
上手くいかないのが世の常と言うもの。
「ねえ、あれ出来た?」
出来てません!!
「まだ?」
まだです!
「あっちもお願いねー!!」
私身体1つですけど!!
「ごめん私今日用事あって帰るから!」
私も帰りたいんですけどー!!!
「・・・・・・・・・・はぁあぁぁぁ」
ため息を吐いても楽にならない。
窓を見れば外は真っ暗で。
・・・・・・・・あそこに今日も行ったら、
彼に会えるんだろうか。
ふと頭に過ったのはエース。
・・・の、温かさ。
もし今日会えたらどうしよう。
・・・・何で昨日あそこに居たのか、
いつから居たのか。
を聞いて、
それから年齢と、あ、まずお礼言わないと。
・・・・・・それから。
気が付いたら足は自然と昨日の場所に向かっていた。
・・・さすがに居ないか。
じゃあとりあえず、
「ごめんね」
と呟いてみる。
「馬鹿やろーの次はごめんって、面白ェな」
あ。
・・・・居た。
「・・・悪かったかなぁと思って。何の罪もないのにいきなり海に馬鹿やろーは」
「はははっ、真面目だなァアコは」
「・・・・そうかな」
「でもって優しいんだな」
「そう、かなぁ」
自分で自分のこと真面目だとも優しいとも思ったことなんてない。
結構適当だし。
自己中だ。
「んですげェ面白い」
「・・・・さいですか」
面白いとも思ったことないんだけどなぁ。
「でもおかげでまた会えたな」
「・・・・うん。エースは何でここに居たの?」
「昨日のことか?それとも今日?」
「両方。あ、ていうか・・・・有難う、昨日は」
「どーいたしまして。昨日ここに居たのは何となくだ」
「・・・・何となく?」
何となくあの時間に海に、って。
「そうだなァ・・・理由つけろって言うなら海が好きだってことだろうな」
「夜の海も?」
「好きだな。俺、前世は海賊だったんじゃねェかと」
・・・・・・海賊て。
「あはははっ!!エースも面白い。私も海好きだけど海賊だったんじゃないかなんて思ったことない」
「俺達同じ船に乗ってたってこともあるんじゃねェ?」
「海賊かぁ・・・・」
イメージ出来ないなあなんて考えていたら、
「恋人同士、だったとかな」
・・・・・ドキッとした。
「・・・・今日は何で居たの?」
「アコに会えるかと思って」
・・・屈託のない笑顔。
今日のモヤモヤが消えていく。
それからすっと、昨日と同じように手が、
包まれた。
・・・・・あったかい。
「そっか・・・」
「アコは海に謝る為に来たんだろ?」
「それもあるけど・・・・エースに会えるかなぁって」
思って。
そしたら本当に会えた。
繋がれた手がくい、と引っ張られて、
自然と私の身体はエースの腕の中。
「今離したらもう会えねェって言うなら絶対離さない」
「・・・・・会えるよって言ったら?」
「・・・・キスする」
何回でも会える関係になろう。
・・・もし今日会えたら、
私もそう言いたかったんだ。
・・・・・・ちゅ。
何気ない他人の一言で傷つくし、
何気ない他人の一言で嬉しくもなる。
それは確かだと思う。
「海の馬鹿やろー・・・・・・」
恥ずかしいのでぼそっと呟くけど、
何だか余計に恥ずかしくなった気がした。
やっぱり大きな声で叫べば良かった。
でないとスッキリしないし。
・・・・・・・でも恥ずかしいんだよ。
一応これでも22歳社会人だし。
「海に恨みでもあんの?」
「は!?」
ざざん、ざざん。
穏やかな波の、夜の海。
誰も居ないことを確認して来たはずで、
更に用心深く再確認して声を出したはずだった。
・・・・・それでもだいぶ小声で口にした、
『海の馬鹿やろー』
暗闇の化身かと思う程、
髪の毛から服装は真っ黒らしい、
私に声をかけてきた男の子。
「ホントに言うやつ初めて見た」
「・・・・・・別に海に恨みはない」
「じゃあ何で海の馬鹿やろーなんだ?」
「・・・・・・・・・・・色んなものに対する苦しみとか、まとめて海に伝える為?」
・・・・自分で言ってて疑問形になっちゃった。
「海に?」
「海は・・・・広い心で全部受けれてくれるかなぁ、って」
海に心って何だ自分。
海は広いが心はないよ。
「何か嫌なことがあったとか?」
「・・・そりゃあるよ。生きてれば色々」
「ふーん」
・・・・ふーんて。
まぁそりゃ他人の不幸になんて興味ないかもしれないけど聞いておいて君。
「俺、エース」
「あ、私・・・・アコ」
暗闇でもわかる笑顔につられて私も自己紹介しちゃった。
あーあ何やってるんだろう私。
もう帰ろう。
「アコは叫びたいんじゃなくて泣きたいんだろ?」
「・・・・・・・・・え」
「そんな感じ、するぜ?」
「え、と」
「泣いちまえばいいんじゃねェ?」
「そ・・・・・っ」
そんなこと、言われても。
「俺が居たら邪魔なら帰るけど」
彼はそう言って、自然に私の手を握った。
「誰かに側に居て欲しい時も、あるもんな」
・・・・・その時確かに、
私の心は救われた。
「はー・・・・・・」
朝自分の部屋で目が覚めて、
昨夜の出来事を思い出した。
・・・・・・・あれ夢、じゃないよね。
エースの手は大きくて、
繋ぐって言うより包み込まれてるみたいで。
・・・・温かくて。
言葉も温かかった。
・・・・確かに温かった。
うん、夢じゃない。
あの後私が大泣きしたこと。
泣き止むまでエースは手を離さなかったこと。
ずっと側に、居てくれたこと。
ああ何か落ち着いたかも、と思った時、
エースは消えてた。
・・・・・思い出すと恥ずかしい。
私初対面の人に何てことを!!
いくら仕事が辛いからって・・・・!!
・・・・・・・・また会いたいような、
会いたくないような。
でも今確かに心が晴れてる。
そんな感じ。
・・・・私、泣きたかったんだ。
よし、仕事頑張ろ。
・・・・・・と思ってはいても、
上手くいかないのが世の常と言うもの。
「ねえ、あれ出来た?」
出来てません!!
「まだ?」
まだです!
「あっちもお願いねー!!」
私身体1つですけど!!
「ごめん私今日用事あって帰るから!」
私も帰りたいんですけどー!!!
「・・・・・・・・・・はぁあぁぁぁ」
ため息を吐いても楽にならない。
窓を見れば外は真っ暗で。
・・・・・・・・あそこに今日も行ったら、
彼に会えるんだろうか。
ふと頭に過ったのはエース。
・・・の、温かさ。
もし今日会えたらどうしよう。
・・・・何で昨日あそこに居たのか、
いつから居たのか。
を聞いて、
それから年齢と、あ、まずお礼言わないと。
・・・・・・それから。
気が付いたら足は自然と昨日の場所に向かっていた。
・・・さすがに居ないか。
じゃあとりあえず、
「ごめんね」
と呟いてみる。
「馬鹿やろーの次はごめんって、面白ェな」
あ。
・・・・居た。
「・・・悪かったかなぁと思って。何の罪もないのにいきなり海に馬鹿やろーは」
「はははっ、真面目だなァアコは」
「・・・・そうかな」
「でもって優しいんだな」
「そう、かなぁ」
自分で自分のこと真面目だとも優しいとも思ったことなんてない。
結構適当だし。
自己中だ。
「んですげェ面白い」
「・・・・さいですか」
面白いとも思ったことないんだけどなぁ。
「でもおかげでまた会えたな」
「・・・・うん。エースは何でここに居たの?」
「昨日のことか?それとも今日?」
「両方。あ、ていうか・・・・有難う、昨日は」
「どーいたしまして。昨日ここに居たのは何となくだ」
「・・・・何となく?」
何となくあの時間に海に、って。
「そうだなァ・・・理由つけろって言うなら海が好きだってことだろうな」
「夜の海も?」
「好きだな。俺、前世は海賊だったんじゃねェかと」
・・・・・・海賊て。
「あはははっ!!エースも面白い。私も海好きだけど海賊だったんじゃないかなんて思ったことない」
「俺達同じ船に乗ってたってこともあるんじゃねェ?」
「海賊かぁ・・・・」
イメージ出来ないなあなんて考えていたら、
「恋人同士、だったとかな」
・・・・・ドキッとした。
「・・・・今日は何で居たの?」
「アコに会えるかと思って」
・・・屈託のない笑顔。
今日のモヤモヤが消えていく。
それからすっと、昨日と同じように手が、
包まれた。
・・・・・あったかい。
「そっか・・・」
「アコは海に謝る為に来たんだろ?」
「それもあるけど・・・・エースに会えるかなぁって」
思って。
そしたら本当に会えた。
繋がれた手がくい、と引っ張られて、
自然と私の身体はエースの腕の中。
「今離したらもう会えねェって言うなら絶対離さない」
「・・・・・会えるよって言ったら?」
「・・・・キスする」
何回でも会える関係になろう。
・・・もし今日会えたら、
私もそう言いたかったんだ。
・・・・・・ちゅ。