短編②
夢小説設定
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「あの時のミスは笑ったわー」
「それは言わないで・・・・」
どっと笑いが起きた。
お酒もすすんで、
盛り上がってる飲み会真っ最中。
「そういえば彼氏には今日のこと言ってあるの?」
「うん、大丈夫」
今日は職場の飲み会だから、とシャンクスには伝えた。
男の居る飲み会は賛成出来ないな、って言われたけど、
早く帰ることを条件に許してもらえた。
そもそもシャンクスだって仕事あるし、
飲み会じゃなくっても・・・会える訳じゃないし。
「いいよねーイケメンで優しくてお金持ちの彼氏」
「うーん、否定はしない」
「お、言ったね?」
「ただ付き合ってみると色々あるとも言っておく」
「ただの惚気にしか聞こえませーん」
「あははっ、ごめんて」
なんて笑いあったところに、
手元に置いておいた携帯が震えた。
「あ、ちょっとごめん」
「お、噂をすれば彼氏?」
「うん。・・・・・・もしもし?」
部屋の端に移動して、通話ボタンを押せば、
『アコ、今大丈夫か?』
まさしく、噂してたシャンクスの声。
「うん、どしたの?」
『俺も今仕事が終わって、近くに居るんだが・・・・飲み会は終わらなさそう、だな』
「あー・・・・うん」
『1人で帰れそうか?何ならタクシーで帰って来いよ』
「・・・・・・・・・シャンクス」
『ん?』
「今何処?」
『今・・・・は、ちょうど店の手前だ』
「・・・・・・・止まって」
『・・・どうした?』
「店の前で待ってて!」
それだけ叫んで、私は通話を切った。
そして急いで鞄を掴んで、
「ごめん、お迎え来ちゃったから帰るね!」
皆に頭を下げて、
「あらあら、仕方ないわねー今度はゆっくり付き合いなさいよ!」
「ありがとー!」
お店を出た。
「シャンクスっ」
シャンクスは私の言葉通り本当にお店の前で待ってくれてて、
「大丈夫だったのかアコ?」
私を見つけるとすぐに手を取ってくれた。
「うん。・・・・ちょっと」
「ちょっと?」
手を繋いで歩きながら、
「あれ?今日シャンクス車じゃないの?」
いつも車なのに。
と疑問をぶつけたら、
「たまには歩くのも悪くないからな」
・・・・・・・なんて。
「・・・・・・・・太った?」
「・・・・・・・・・そういうこと言うと今夜どうなるかわかってるな?」
「だってシャンクス最近お酒飲み過ぎてるし」
「車検に出してるだけだ」
「あら失礼。でも本当に大変なのは私なんだよねえ」
「抱き心地が良くなる分には大歓迎だぞ」
「私としては断固阻止したいところ」
乙女としてはやっぱり太るのは嫌。
でもシャンクスは楽しそうに笑うだけ。
「アコ、少し酔ってるか?」
「・・・・・かも。楽しかったし」
「楽しかったし、食いすぎた、か?」
「・・・・・・・・シャンクスさーん?」
「だっはっは!冗談だ」
笑ったシャンクスにむっとしながら、
それでも何処が心地いい。
「あ、満月」
ふと見上げた月。
「ああ、今日は満月か」
時々頬を撫でる風は酔いを醒ましてくれる。
気持ちいい。
シャンクスと繋いだ手はあったかくて、
いつも私を導いてくれる、
守ってくれる。
たまにはこんな風に歩くのも、いいな。
なんて考えてたら、
「たまにはいいな・・・歩いて帰るっつーのも」
・・・・・シャンクスも同じこと考えてたらしい。
ちょっと・・・かなり嬉しい。
「だね。車だったら気づかなかったかもしれないもんね」
「そーいや・・・良かったのか?」
「何が?」
「飲み会。盛り上がってたとこだったんだろう?」
ちら、と心配そうに向けてくる視線に、私は思わず苦笑した。
自分が電話したせいだ、って思ってるんだろうなあシャンクスは。
「・・・・・電話来る前にさ、シャンクスのこと話してたんだ」
「俺のこと?」
「イケメンで優しくてお金持ちーって」
「ほう、それで?」
「その後すぐに電話来て・・・・声聞いたら、会いたくなっちゃったから」
来ちゃった。
そう言ったら、シャンクスは一瞬目を丸くして私を見て、
「わっ!?」
急にすごい力でシャンクスの方に引っ張られた。
「な、何!?」
繋いでいた手がぱっと離れて、
かと思ったら次の瞬間には腰に回ってた。
「参ったな・・・・」
「・・・・・・・シャンクス?」
「キスしたくなった」
「・・・・・・・・・さすがにここでは、ね?」
「もっと言やァ押し倒してェ」
目が・・・・!目が本気だ!
「・・・・イケメンで優しい私の彼氏さん?」
「・・・・何だ?」
「家に着いたら、ね」
「・・・・車で来れば良かったと心底思ったところだ」
「・・・・・もう」
たまには歩いて帰るのもいいね、って言ったばっかりなのに!
でも、
「あ、あんなとこにケーキ屋さん出来てる!今度行こう?」
「ああ、行こう」
やっぱりたまには歩いて、
一緒に帰るのも、悪くない。