短編②
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好きな人と両想いになれて。
その人とのデートが楽しみじゃない、なんて。
・・・・こんな不幸なことってある?
絶対叶わない恋だって思ってたのに、
ずっと好きだった人から告白されて舞い上がった私が馬鹿みたいだ。
そう思う程。
・・・・・・明日のシャンクスとのデートが、楽しみじゃない。
「はあ・・・・・・」
それでも手は自然に明日着て行く為の服を選んでるし、
どの鞄にしよう、と脳内ではファッションチェックが入ってる。
会社の5コ上の先輩、シャンクス先輩はカッコ良くて優しくて強くて。
とにかく非の打ちどころがないような人。
・・・・・だと思ってた。
そんな人から告白されて夢のようだ、なんて思ってたけど。
実際恋人になってみると辛いことのほうが多い。
明日はきっと朝から憂鬱だ。
シャンクスとの待ち合わせ場所。
駅前に時間5分前に到着。
そこに既にシャンクスはもう来てる。
・・・・・・行きづらいなぁ。
そっと聞き耳をたててみる。
「待ち合わせ?何処行くの?」
「お菓子あるわよ、ほら持っていきなさいな」
「あらシャンクス君偶然ねえ、うちの娘が今度シャンクス君に教えてほしいことがあるって言ってたのよ」
・・・・・・おばさまたちに囲まれるシャンクス。
シャンクスもそつなく対応するもんだから、おばさまたちも嬉しそう。
シャンクスはこの辺りじゃ有名人。
だから若い女性だけでなく、
うちの娘の婿に!っておばさまたちも多い。
こんなことで妬くなんて私もまだ子供だなぁって思うんだけど、
モヤモヤは募るばかり。
うぅ、悲しい。これさえなければ幸せなのに!
じっと見つめていたらシャンクスと目が合った。
シャンクスはおばさまたちに一言何かを告げ、私のところに寄って来てくれた。
「アコ」
「あ・・・お待たせシャンクス」
先輩、と呼ぶのは会社でだけな、と前に言われたので、まだあまり慣れない呼び捨て。
恋人なんだから、と敬語もナシ。
「時間通りだ。そんなことより今日も可愛いな」
言いながらシャンクスは目を細めて私の髪を撫でてくれる。
「・・・・ありがと」
「よし、行こう」
そしてさりげなく私の手を取り、指を絡める。
・・・・・こうして手を繋げるのは私だけの権利、だよね。
そう思ったら少しだけ嬉しくなった。
「シャンクス、あれから乗りたいっ」
「ああ、そうしよう」
今日のデートは遊園地。
でも遊園地って人も多いから。
「お兄さん何処から来たのぉ?」
「あの・・・一緒に観覧車乗りませんか?」
「あそこのチュロス美味しいんですよぉ、私お金出しますから一緒に食べましょぉ」
・・・・・・・私!!隣に居るんですけど!!
でもそんなの関係ないとばかりに、
アトラクションに乗る為に並んでる時もシャンクスにはお声がかかる。
シャンクスはそんな綺麗なお姉さまがたに、にこりと微笑み、会話を始めてしまった。
・・・・・・私が、ここに居るのに。
確かに話しかけてくる人を無碍には出来ないけど。
でも。
・・・・・・デート、なのに。
今に始まったことじゃないけど悔しいし悲しい。
もう何を話してるのかさえ耳に入って来ない。
私たちの番がきてようやく解放されて、
乗ったジェットコースター。
落ちる瞬間に叫ぶのは、
「馬鹿-!!!」
・・・・シャンクスの、馬鹿。
乗り終わった後シャンクスはそんな私を笑いながら、
「スッキリしたか?」
と聞いてくる。
「・・・・ちょっとだけ」
「甘いモンでも食わないか?」
「食べる!」
ということで私はフードコート内の席を取り、シャンクスがアイスを注文。
帰って来たシャンクスを見て驚いた。
「・・・・私頼んだのシングルだったけど」
シャンクスが持ってるアイスは2つともどう見てもトリプル。
「サービスしてくれたんだ、お得だった」
「・・・・・・優しいお姉さんだったんだね」
これは係りの人が絶対女性だなと踏んだら、
「そうだな」
・・・・当たりだよ。
でも融けないうちに、と食べてみた。
「・・・・・美味しい」
・・・美味しい、このアイス。
「アコ、ついてる」
「え?」
ちゅ、ぺろ。
シャンクスの唇が私の頬にくっついて、ぺろり。
「しゃ・・・っ」
「これが1番美味いんだ」
不敵に笑うシャンクスに顔が熱くなる。
・・・・さっきお姉さんたちに向けてた笑みとは違う。
これが、私だけに向けられるもの。
・・・・うん、自信持とう。
私はシャンクスの1人だけの恋人なんだから。
「ぱぁぱ」
と、突然の幼子の声。
見るとシャンクスの袖をくい、と引っ張る可愛い1歳くらいの女の子。
「・・・・・ぱぱ?」
って言ったよね今!!
「ぱぁぱ、ぱぁぱ」
「お、迷子か?」
・・・・こんな小さい女の子にまでモテるのか。
「・・・・・ご両親、探そっかシャンクス」
「ああ、そうしよう」
女の子はすっかりシャンクスに懐いてて、抱っこされて嬉しそう。
歩いていたら「あっ」と声がして、1組の男女が近寄って来た。
「うちの子ですぅ、すみません」
お母さんらしき人はシャンクスから女の子を受け取って、
シャンクスを見てはっとした様子。
「お礼に食事ご一緒しませんかぁ!?」
・・・・旦那さんが置いて行かれてますよ奥さん。
シャンクスはやんわりと断ったけど、子供や人妻にまでモテるシャンクスって・・・・!!
というか隣に居る私の存在って!!
「アコ、次は観覧車に乗らないか?」
「・・・・・うん」
観覧車に並んでる最中もキャラクターが寄って来たり、女子高生に声をかけられたり。
ああもううんざり。
「ほら、アコ」
ぼんやりしてる間に私たちの番になってたらしい。
シャンクスが先に乗り込んで、私に手を差し伸べてくれた。
「・・・・・ん、ありがと」
扉がしまって、2人きりの空間。
・・・・・落ち着く。
「ようやく2人きりになれたな、アコ」
そう言ってシャンクスが隣に座った。
「え、こっち・・・来るの?」
普通向かい同士で座るんじゃないの!?
シャンクスの体重で観覧車が少し傾いた。
「怖いか?」
「ちょっと・・・驚いた、だけ」
・・・・ほんとはちょっと怖い。
そんな私を見透かしてるかのようにシャンクスが私の肩を抱く。
「見えるか?アコ。あのへんに俺達の会社がある」
・・・・ムードもへったくれも。
「仕事のことは思い出したくなかった・・・・」
ぼそりと呟けば、
「だっはっは!そう言うな」
シャンクスが笑った。
「だって今デート中なのに」
そうだよ、デートなのに。
「俺達の出会いの場だ、俺にとっては大事なんだ」
「あ・・・・そっか」
確かに言われてみれば。
「今度はあっちだ、アコ」
「あっち?」
「赤い看板。あそこのイタリアンが美味いらしい、夕飯はあそこにしないか?」
「・・・・詳しいね」
「並んでる時に教えてもらった」
「そうなの!?」
「アイスも美味かっただろう?ここにアイスを売ってるところはたくさんあるがあそこが1番美味いそうだ」
「だ・・・誰にそんなことを」
「並んでる時に聞いた」
いつの間にそんな話を・・・!!
「アコ・・・・見ろ、夕陽だ」
「わ・・・・・綺麗」
シャンクスの指さす先に綺麗な夕陽。
・・・・素敵。
「この時間に観覧車に乗ると綺麗な夕陽が見れると聞いてな。正解だった」
「・・・それも教えてもらったの?」
「ああ。すべてアコに喜んでもらえる情報だけ入手した。妬かせるつもりはなかったんだ、すまん」
・・・・・って、それ。
「・・・・私がヤキモチやいてるって知ってたの?」
「勿論だ。可愛かった」
くっくっく、と笑いをこらえてるようなシャンクス。
「今まで妬かせた詫びだ、この観覧車が地上に着くまでもう少し」
「ん・・・・」
シャンクスの顔がゆっくり近づく。
私が目を閉じて。
長く優しいキス。
「この時間だけは、アコを俺だけのものにさせてくれないか?」
「・・・逆だよシャンクス」
この時間だけは、
シャンクスが私だけのシャンクスになるの。
その人とのデートが楽しみじゃない、なんて。
・・・・こんな不幸なことってある?
絶対叶わない恋だって思ってたのに、
ずっと好きだった人から告白されて舞い上がった私が馬鹿みたいだ。
そう思う程。
・・・・・・明日のシャンクスとのデートが、楽しみじゃない。
「はあ・・・・・・」
それでも手は自然に明日着て行く為の服を選んでるし、
どの鞄にしよう、と脳内ではファッションチェックが入ってる。
会社の5コ上の先輩、シャンクス先輩はカッコ良くて優しくて強くて。
とにかく非の打ちどころがないような人。
・・・・・だと思ってた。
そんな人から告白されて夢のようだ、なんて思ってたけど。
実際恋人になってみると辛いことのほうが多い。
明日はきっと朝から憂鬱だ。
シャンクスとの待ち合わせ場所。
駅前に時間5分前に到着。
そこに既にシャンクスはもう来てる。
・・・・・・行きづらいなぁ。
そっと聞き耳をたててみる。
「待ち合わせ?何処行くの?」
「お菓子あるわよ、ほら持っていきなさいな」
「あらシャンクス君偶然ねえ、うちの娘が今度シャンクス君に教えてほしいことがあるって言ってたのよ」
・・・・・・おばさまたちに囲まれるシャンクス。
シャンクスもそつなく対応するもんだから、おばさまたちも嬉しそう。
シャンクスはこの辺りじゃ有名人。
だから若い女性だけでなく、
うちの娘の婿に!っておばさまたちも多い。
こんなことで妬くなんて私もまだ子供だなぁって思うんだけど、
モヤモヤは募るばかり。
うぅ、悲しい。これさえなければ幸せなのに!
じっと見つめていたらシャンクスと目が合った。
シャンクスはおばさまたちに一言何かを告げ、私のところに寄って来てくれた。
「アコ」
「あ・・・お待たせシャンクス」
先輩、と呼ぶのは会社でだけな、と前に言われたので、まだあまり慣れない呼び捨て。
恋人なんだから、と敬語もナシ。
「時間通りだ。そんなことより今日も可愛いな」
言いながらシャンクスは目を細めて私の髪を撫でてくれる。
「・・・・ありがと」
「よし、行こう」
そしてさりげなく私の手を取り、指を絡める。
・・・・・こうして手を繋げるのは私だけの権利、だよね。
そう思ったら少しだけ嬉しくなった。
「シャンクス、あれから乗りたいっ」
「ああ、そうしよう」
今日のデートは遊園地。
でも遊園地って人も多いから。
「お兄さん何処から来たのぉ?」
「あの・・・一緒に観覧車乗りませんか?」
「あそこのチュロス美味しいんですよぉ、私お金出しますから一緒に食べましょぉ」
・・・・・・・私!!隣に居るんですけど!!
でもそんなの関係ないとばかりに、
アトラクションに乗る為に並んでる時もシャンクスにはお声がかかる。
シャンクスはそんな綺麗なお姉さまがたに、にこりと微笑み、会話を始めてしまった。
・・・・・・私が、ここに居るのに。
確かに話しかけてくる人を無碍には出来ないけど。
でも。
・・・・・・デート、なのに。
今に始まったことじゃないけど悔しいし悲しい。
もう何を話してるのかさえ耳に入って来ない。
私たちの番がきてようやく解放されて、
乗ったジェットコースター。
落ちる瞬間に叫ぶのは、
「馬鹿-!!!」
・・・・シャンクスの、馬鹿。
乗り終わった後シャンクスはそんな私を笑いながら、
「スッキリしたか?」
と聞いてくる。
「・・・・ちょっとだけ」
「甘いモンでも食わないか?」
「食べる!」
ということで私はフードコート内の席を取り、シャンクスがアイスを注文。
帰って来たシャンクスを見て驚いた。
「・・・・私頼んだのシングルだったけど」
シャンクスが持ってるアイスは2つともどう見てもトリプル。
「サービスしてくれたんだ、お得だった」
「・・・・・・優しいお姉さんだったんだね」
これは係りの人が絶対女性だなと踏んだら、
「そうだな」
・・・・当たりだよ。
でも融けないうちに、と食べてみた。
「・・・・・美味しい」
・・・美味しい、このアイス。
「アコ、ついてる」
「え?」
ちゅ、ぺろ。
シャンクスの唇が私の頬にくっついて、ぺろり。
「しゃ・・・っ」
「これが1番美味いんだ」
不敵に笑うシャンクスに顔が熱くなる。
・・・・さっきお姉さんたちに向けてた笑みとは違う。
これが、私だけに向けられるもの。
・・・・うん、自信持とう。
私はシャンクスの1人だけの恋人なんだから。
「ぱぁぱ」
と、突然の幼子の声。
見るとシャンクスの袖をくい、と引っ張る可愛い1歳くらいの女の子。
「・・・・・ぱぱ?」
って言ったよね今!!
「ぱぁぱ、ぱぁぱ」
「お、迷子か?」
・・・・こんな小さい女の子にまでモテるのか。
「・・・・・ご両親、探そっかシャンクス」
「ああ、そうしよう」
女の子はすっかりシャンクスに懐いてて、抱っこされて嬉しそう。
歩いていたら「あっ」と声がして、1組の男女が近寄って来た。
「うちの子ですぅ、すみません」
お母さんらしき人はシャンクスから女の子を受け取って、
シャンクスを見てはっとした様子。
「お礼に食事ご一緒しませんかぁ!?」
・・・・旦那さんが置いて行かれてますよ奥さん。
シャンクスはやんわりと断ったけど、子供や人妻にまでモテるシャンクスって・・・・!!
というか隣に居る私の存在って!!
「アコ、次は観覧車に乗らないか?」
「・・・・・うん」
観覧車に並んでる最中もキャラクターが寄って来たり、女子高生に声をかけられたり。
ああもううんざり。
「ほら、アコ」
ぼんやりしてる間に私たちの番になってたらしい。
シャンクスが先に乗り込んで、私に手を差し伸べてくれた。
「・・・・・ん、ありがと」
扉がしまって、2人きりの空間。
・・・・・落ち着く。
「ようやく2人きりになれたな、アコ」
そう言ってシャンクスが隣に座った。
「え、こっち・・・来るの?」
普通向かい同士で座るんじゃないの!?
シャンクスの体重で観覧車が少し傾いた。
「怖いか?」
「ちょっと・・・驚いた、だけ」
・・・・ほんとはちょっと怖い。
そんな私を見透かしてるかのようにシャンクスが私の肩を抱く。
「見えるか?アコ。あのへんに俺達の会社がある」
・・・・ムードもへったくれも。
「仕事のことは思い出したくなかった・・・・」
ぼそりと呟けば、
「だっはっは!そう言うな」
シャンクスが笑った。
「だって今デート中なのに」
そうだよ、デートなのに。
「俺達の出会いの場だ、俺にとっては大事なんだ」
「あ・・・・そっか」
確かに言われてみれば。
「今度はあっちだ、アコ」
「あっち?」
「赤い看板。あそこのイタリアンが美味いらしい、夕飯はあそこにしないか?」
「・・・・詳しいね」
「並んでる時に教えてもらった」
「そうなの!?」
「アイスも美味かっただろう?ここにアイスを売ってるところはたくさんあるがあそこが1番美味いそうだ」
「だ・・・誰にそんなことを」
「並んでる時に聞いた」
いつの間にそんな話を・・・!!
「アコ・・・・見ろ、夕陽だ」
「わ・・・・・綺麗」
シャンクスの指さす先に綺麗な夕陽。
・・・・素敵。
「この時間に観覧車に乗ると綺麗な夕陽が見れると聞いてな。正解だった」
「・・・それも教えてもらったの?」
「ああ。すべてアコに喜んでもらえる情報だけ入手した。妬かせるつもりはなかったんだ、すまん」
・・・・・って、それ。
「・・・・私がヤキモチやいてるって知ってたの?」
「勿論だ。可愛かった」
くっくっく、と笑いをこらえてるようなシャンクス。
「今まで妬かせた詫びだ、この観覧車が地上に着くまでもう少し」
「ん・・・・」
シャンクスの顔がゆっくり近づく。
私が目を閉じて。
長く優しいキス。
「この時間だけは、アコを俺だけのものにさせてくれないか?」
「・・・逆だよシャンクス」
この時間だけは、
シャンクスが私だけのシャンクスになるの。