短編②
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お頭が酔ってる。
これは面倒なことになりそうな予感。
「こらアコ」
うわ、来た。
「お前そんな端っこで何やってんだ。もっとこっち来い、ほら」
案の定赤い顔で私に声をかけてくる。
・・・・・・・今日は何だか、
いいお酒と上質のつまみが手に入ったとかでお頭を始め皆ご機嫌だ。
こんな時にお頭を止めたら何されるかわかんない。
「・・・・・・・・・・はいはい」
仕方なくお頭の方に近寄ると、
酒臭い息が吐きかけられた。
「ほら飲め!」
「・・・・・・・・はーい」
無理やり渡されたグラスに注がれたお酒を見つめて軽くため息。
相手にしたくないので一気にそれを飲み干して、
「ご馳走様でしたー!」
にっこり笑って立ち去ろうとしたけど、
がっしりと腕を捕まれた。
「・・・・・・お頭?」
「よし、キスしよう」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・!?
「脈絡がありませんが!?」
「いいじゃねェか」
「よくないです!」
ずい、と突き出されるお頭の顔に慌てて逃げようとするけど、
掴まれた腕の力が強くて逃げられない。
・・・これだから酔っ払いは!
「まあそう言うなって。な?」
「な?じゃないですよ!」
「減るもんじゃねェだろう別に」
「むしろ私のストレスが増えます!」
こうして目の前で話してるだけでも、
お酒臭い。
そりゃお頭といえばお酒だし、
仕方ないんだけど。
「何だ、そんなに嫌か?」
「・・・・・・・・・・・嫌ですよ。お酒臭いし」
ぷいっと横を向けば、
ぞぞっと悪寒がした。
「!?」
何事かとお頭を見直す。
「・・・・・・・・そうか、要は酒臭くなきゃいい訳だな?」
ぎらりとした眼で。
にんまりと笑う口元。
恐怖!
この人本気だ!!
「え、いや」
そういう問題ではありませんが!?
「何か食えばいいんだな」
「チョコで!」
「チョコ?」
「・・・・・・・・キスするなら、チョコ味がいいです」
「・・・・・・・・・あったか、そんなモン」
お頭は顎に手をやり訝しげに呟く。
「私が持ってなきゃないでしょうね。チョコとか食べるの私だけだし」
「じゃあくれ」
「却下します」
「・・・・・・・・・船長命令」
くっ・・・!!
そう来ましたか・・・!!
でもね、
世の中そう甘くないんですよ!
「持ってません」
「何だって?」
「私今持ってません、チョコ」
「・・・・・・・嘘だろ?」
「この間食べたのが最後のチョコでしたもん。次の島で買わなきゃ」
呆然とするお頭ににっこりと微笑む。
するとお頭は真面目な顔で唸りだした。
「・・・・・・チョコ作れねえもんかコックに聞いてくる」
「はい!?」
そこまでしますか!?
「ちょっ、お頭!?そ・・・・そこまで私とキ・・・・キスしたいんですか!?」
私はお酒を飲んでないのに、
顔が熱い。
「してえな」
すぐに返って来たお頭の答えに、
熱はますます上がるばかり。
「・・・・・・・っな、なんで」
「お前が欲しいから、だ」
・・・・・・・・・こんなにお酒臭いのに、
酔ってるのに。
不敵に笑うお頭がカッコイイと思ってしまう。
「おか、しら」
もう別にお酒臭くてもいいかなあ。
「本当なら無理やり奪うとこだが・・・嫌われたら敵わねェからな」
今度はぶすっとした、拗ねたような表情でそう呟く。
・・・・・・・・・そんな顔で、
そんなこと言われたら。
・・・・・・・・・・・・もうどんな匂いでもいいから、
キスして。
って言いたくなる。
「待ってろよアコ」
「え、あ」
そうして、
「よーしちゅーするぞちゅー!」
「・・・・・・・・えー」
暫くしてご機嫌で戻ってきたお頭は、
本当にただの酔っ払い。
・・・・・・・・・さっきまでのカッコイイお頭は何処へ置いてきましたか!?
「・・・・・・・もう」
でも、
これはこれで可愛い。
と思ってしまったから。
私も、近づいてくるお頭の顔に覚悟を決めて目を閉じた。
そして。
「・・・・・・・・・・・ん、」
触れた唇から移った香りは、
「・・・・甘い?チョコ?」
チョコレートの甘い香り。
「あれ、何で?」
「コックに聞いたらココアがあったんで飲んでみたんだ」
「ココア・・・・」
そういえばココア、私飲みたくて買ったんだった。
まだ、残ってたんだ。
「甘かったな、あれは」
「甘いです、ね」
「・・・・・まあ、でも」
お前とのキスの方が甘いか。
そう言って笑ったお頭が、
私は好きだから。
チョコじゃなくても、
本当は良いんだけどね。
これは面倒なことになりそうな予感。
「こらアコ」
うわ、来た。
「お前そんな端っこで何やってんだ。もっとこっち来い、ほら」
案の定赤い顔で私に声をかけてくる。
・・・・・・・今日は何だか、
いいお酒と上質のつまみが手に入ったとかでお頭を始め皆ご機嫌だ。
こんな時にお頭を止めたら何されるかわかんない。
「・・・・・・・・・・はいはい」
仕方なくお頭の方に近寄ると、
酒臭い息が吐きかけられた。
「ほら飲め!」
「・・・・・・・・はーい」
無理やり渡されたグラスに注がれたお酒を見つめて軽くため息。
相手にしたくないので一気にそれを飲み干して、
「ご馳走様でしたー!」
にっこり笑って立ち去ろうとしたけど、
がっしりと腕を捕まれた。
「・・・・・・お頭?」
「よし、キスしよう」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・!?
「脈絡がありませんが!?」
「いいじゃねェか」
「よくないです!」
ずい、と突き出されるお頭の顔に慌てて逃げようとするけど、
掴まれた腕の力が強くて逃げられない。
・・・これだから酔っ払いは!
「まあそう言うなって。な?」
「な?じゃないですよ!」
「減るもんじゃねェだろう別に」
「むしろ私のストレスが増えます!」
こうして目の前で話してるだけでも、
お酒臭い。
そりゃお頭といえばお酒だし、
仕方ないんだけど。
「何だ、そんなに嫌か?」
「・・・・・・・・・・・嫌ですよ。お酒臭いし」
ぷいっと横を向けば、
ぞぞっと悪寒がした。
「!?」
何事かとお頭を見直す。
「・・・・・・・・そうか、要は酒臭くなきゃいい訳だな?」
ぎらりとした眼で。
にんまりと笑う口元。
恐怖!
この人本気だ!!
「え、いや」
そういう問題ではありませんが!?
「何か食えばいいんだな」
「チョコで!」
「チョコ?」
「・・・・・・・・キスするなら、チョコ味がいいです」
「・・・・・・・・・あったか、そんなモン」
お頭は顎に手をやり訝しげに呟く。
「私が持ってなきゃないでしょうね。チョコとか食べるの私だけだし」
「じゃあくれ」
「却下します」
「・・・・・・・・・船長命令」
くっ・・・!!
そう来ましたか・・・!!
でもね、
世の中そう甘くないんですよ!
「持ってません」
「何だって?」
「私今持ってません、チョコ」
「・・・・・・・嘘だろ?」
「この間食べたのが最後のチョコでしたもん。次の島で買わなきゃ」
呆然とするお頭ににっこりと微笑む。
するとお頭は真面目な顔で唸りだした。
「・・・・・・チョコ作れねえもんかコックに聞いてくる」
「はい!?」
そこまでしますか!?
「ちょっ、お頭!?そ・・・・そこまで私とキ・・・・キスしたいんですか!?」
私はお酒を飲んでないのに、
顔が熱い。
「してえな」
すぐに返って来たお頭の答えに、
熱はますます上がるばかり。
「・・・・・・・っな、なんで」
「お前が欲しいから、だ」
・・・・・・・・・こんなにお酒臭いのに、
酔ってるのに。
不敵に笑うお頭がカッコイイと思ってしまう。
「おか、しら」
もう別にお酒臭くてもいいかなあ。
「本当なら無理やり奪うとこだが・・・嫌われたら敵わねェからな」
今度はぶすっとした、拗ねたような表情でそう呟く。
・・・・・・・・・そんな顔で、
そんなこと言われたら。
・・・・・・・・・・・・もうどんな匂いでもいいから、
キスして。
って言いたくなる。
「待ってろよアコ」
「え、あ」
そうして、
「よーしちゅーするぞちゅー!」
「・・・・・・・・えー」
暫くしてご機嫌で戻ってきたお頭は、
本当にただの酔っ払い。
・・・・・・・・・さっきまでのカッコイイお頭は何処へ置いてきましたか!?
「・・・・・・・もう」
でも、
これはこれで可愛い。
と思ってしまったから。
私も、近づいてくるお頭の顔に覚悟を決めて目を閉じた。
そして。
「・・・・・・・・・・・ん、」
触れた唇から移った香りは、
「・・・・甘い?チョコ?」
チョコレートの甘い香り。
「あれ、何で?」
「コックに聞いたらココアがあったんで飲んでみたんだ」
「ココア・・・・」
そういえばココア、私飲みたくて買ったんだった。
まだ、残ってたんだ。
「甘かったな、あれは」
「甘いです、ね」
「・・・・・まあ、でも」
お前とのキスの方が甘いか。
そう言って笑ったお頭が、
私は好きだから。
チョコじゃなくても、
本当は良いんだけどね。