短編②
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「食べ過ぎた!」
「飯の後に甘いの食うからだろ」
私の悲鳴にも近い台詞にエースの冷たい言葉。
「甘いの食べないと食事した!って気しないもん。・・・・・それに」
「それに?」
「マルコさんが・・・・お菓子くれたから・・・・っっ!!」
そう、今日は特別!
特別なの!!
ご飯いっぱい食べて、
甘いので〆て、
・・・・・・・でもその後にマルコさんがお菓子をくれた。
私の大好きな、お菓子。
・・・・・・・・・・・だから食べた。
・・・・・・・・・・・・・・・・だから、
食べ過ぎた!!!
昨日も一昨日もその前もね!!
「でも太るぞ確実に」
「・・・・・・・・・・・・わかってる」
でもマルコさんからもらうお菓子を断れないじゃない!!
「明日から節制するから大丈夫!!!」
と。
昨日エースに宣言した口で、
私は今食後のたい焼きを頬張っている。
マルコさんのお部屋で。
「美味いかい?」
「美味しいですとっても・・・!!」
イゾウさんのくれたお茶も一緒に。
ずずっとお茶を啜って、
「はぁ・・・・幸せ」
「アコのその顔が見れりゃ俺も満足だよい」
「でもアレですね、マルコさんのくれるお菓子って間違いないですね!」
「当たり前だろい?アコにやるもんだよい」
な・・・・・・・何か変な空気!!
マルコさん妙に艶っぽいし、
し・・・・視線が突き刺さる!!
「わ・・・・わぁ有り難う御座います!」
少し棒読みっぽくなってしまった!
でもマルコさんはそんなことを気にした風でもなく、話を続ける。
「明日はどんなのが食いたい?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・あし、た?」
思わず聞き間違いか幻聴かと思った。
明日?
明日って何?
「甘いもんはもう飽きたかい?」
「・・・・・・・・・・・・・そそそそそんな!!というかもう本当、お気持ちだけで!!」
慌てる私にマルコさんはにっこりと微笑む。
逆に怖いんですけど!!
「遠慮すんなよい」
遠慮してないです!!
あぁ、何て言ったら!!
このお腹が最近ヤバイんですぅぅ!!
とかマルコさんに言えないし!!
肉が!脂が!!
「肉?肉が食いたいのかい」
「ほげええええ!!!??私口に出してました!?」
「ああ、出てたよい」
「いえ!!肉駄目!絶対!!」
思い切り叫んだ私にマルコさんはクッ、と笑い声を漏らした。
「やっぱアコは甘いモンだねい」
「甘いの大好きですー・・・・・じゃなくてですね!!」
うっかり流されそうになった!
しかも話しが通じない!!
「今日は餡子だから・・・明日はチョコレートがいいかい?」
「ちょこれーと・・・・っっ!!」
何ていう魅力!!
「決まりだねい」
不敵に笑うマルコさんは素敵・・・!!
でもなくて!!
「いや、あの・・・!!マルコさん実はっ!!」
「何だい」
・・・・・・・・・・・・・い、言わねば!
「最近私・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・体重が」
げふんごふん。
「増えてるだろうねい」
「そうなんですっ!!!」
私が言えなかった続きの言葉をマルコさんが言ってくれたので、私は力強く頷く。
「なのでその、本当にお気持ちだけで嬉しいので!」
「それじゃあ駄目なんだよい」
ああ、これでわかってくれる!と思いきや。
マルコさんは憮然とした顔でそう呟く。
「・・・・・・・・駄目、ですか?」
何が駄目?
「今のアコじゃ駄目なんだい」
「・・・・・・・・・・っ!!」
ショック、だった。
今の私じゃ駄目という言葉が。
何が、とは聞けない。
・・・・・・・・・・・怖い。
「・・・・・・・・・すみません、でした」
「・・・・・・・アコ?」
「わたし・・・・っ精進します!」
「おい」
「頑張り・・・・ますから!そしたらまたマルコさんとお菓子食べたい・・・ですっ!!」
泣きそう。
でも、泣かない・・・!!
「・・・・・・・・・何を頑張るんだいアコ」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・え」
言われてみれば・・・・・!
「な・・・・何を頑張ればいいんでしょうか私は!」
それすらわからないなんて!!
ああああ!と悩む私にマルコさんは、
「食えばいいんだよい」
とあっさり。
「・・・・・・・・食べるんですか?」
「いっぱい食って太ればいい」
「・・・・・・・・・・・・マルコさんそれは何と言う死刑宣告ですか」
涙は止まったけど別の意味でショックだよ!?
「今のアコじゃ細すぎるんだよい」
「えええええ!?そんなことないですけど!」
「いいや、駄目だい」
「・・・・・・・・・・・・太ったら何かいいことあります?」
いっぱい食べて太ればマルコさんに認められるの?
「俺の子を生むにはもうちっと食った方が安心だからよい」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・あれおかしいな、また幻聴。
「生んでくれるんだろい?アコ?」
・・・・・・・・・・・それはもう嬉しそうに微笑むマルコさんに、
私はただ、
「・・・・・・・・・・・はい」
としか言えませんでした。
でもお菓子はもう断りました。