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彼にあげたマフィンの残りを食べながら、
彼を思う。
ふわふわでしっとりしてて、甘くて。
美味しいけど、お酒好きな彼の口には合わなかったかもしれない。
・・・・それでも、美味しかったと言って欲しい自分が居る。
明日は何処かでお酒を買って、
彼の船に会いにいこう。
・・・赤髪のシャンクスに。
でも私、四皇赤髪のシャンクスの船に行って、やっていけるのかしら。
赤髪の言う通りそこそこの強さだし。
四皇クラスを相手にしたら手も足も出ない。
そもそも戦うことくらいしか出来ない私で、
しかもそんなに強くない私が居て、
どうすればいいの?
掃除洗濯の雑用くらいしか出来ない。
どうしよう。
考えてもいいアイディアが思いつきそうにもないので、気分転換に、と窓を開けに立った。
「・・・・ふぅ」
風に当たっていい気分。
ここからの眺めも今日で最後かな。
よく見ておこう、と思った時。
コンコン、とドアのノック音。
「はーい」
ドアを開けてみたら、
夜でもわかる鮮やかな赤い髪。
「・・・・なん、で」
「マフィンの礼に酒を持ってきた。一緒に飲まねェか?」
お酒とグラスを片手に持った、赤髪のシャンクス。
「・・・・ホントに好きなのね、宴」
「今日の宴は特別だ。2人きりだからな」
残ったマフィンと、赤髪が持ってきたお酒。
「マフィンとお酒って合う?」
「悪くないな。ものは試しだ」
目の前のグラスに注がれていくお酒に、
マフィンをぱくり。
そして、
「乾杯、だな」
「乾杯」
赤髪とグラスを合わせた。
「・・・・ん、合うかも」
悪くない。マフィンとお酒が。
「意外な組み合わせでも悪くないってことはよくあるもんだ。俺達もそうかもしれねェな」
「海軍と海賊だものね」
「最高のコンビだ」
「そこそこの強さだけどね、私」
わざと強い調子でそう言ったら、
くくっ、と赤髪が笑った。
「そこそこありゃ問題ねェだろう。俺が居てアコに滅多なことにはさせんさ」
「海賊に守られるっていうのもなぁ・・・・」
今まで海軍だった身としては複雑。
「アコも海賊になるんだってこと忘れてないか?」
「忘れてないけど。今はまだ海軍だし」
「海賊と飲み交わすのに抵抗がある、か?」
「全然。だってあなたはシャンクスでしょ?」
海賊だろうが、そうじゃなかろうが。
今私の目の前に居るのは、
赤い髪のシャンクスという男の人。
「あァ、その通りだ」
満足そうな笑みを浮かべるシャンクス。
「ところで私、そっち行って何したらいい?」
「何・・・って言われてもな。特にすることはねェな」
「・・・・ないの?」
「何がしたい?」
「・・・したいっていうか。洗濯掃除くらいはするつもりだけど」
それくらいしか出来ないし。
「来てから考えりゃいいさ」
「・・・・そんなんで私貴方の仲間になれるかしら」
「不安か?」
「不安・・・・そりゃ勿論あるけど。でも笑わせてくれるんでしょ?どんな手を使っても」
「・・・ああ、任せておけ」
片腕にぐっと抱き寄せられて、
見つめ合う。
「ねえ、どうしてあの時離してくれなかったの?痛いって言ったのに」
普通は愛してるなら離してくれる。
痛みから解放してくれる為に。
「アコが本当に痛がってなかったからだな。・・・そうだろう?」
「・・・バレてた?」
「それくらいわかる。本当に痛がっていたら・・・そうだな、無理やり俺の方に引き寄せていただろうな」
「離してくれてたらあの場でシャンクスに決めてたかも」
「離しはしなかったがアコは俺を選んだ」
「・・・そうね」
結局、最初からこの人に惹かれてたってこと。
悔しいけど。
「私の部屋はある?」
「俺の部屋でいいだろ?」
「・・・・ベッドは?」
「俺のベッドだな」
「私狭いの嫌」
・・・悔しいから、せめてもの反論。
でもシャンクスは、
「ならデカいベッドを買おう。それなら問題ないな?」
そんなの気にしないとばかりに笑う。
・・・だから、私もつられて笑った。
「うん、問題ない」
私の答えに満足そうに頷いた彼は、
「アコ、目元にゴミがついてる。目、閉じろ」
突然そう言いだした。
「あ、うん」
言われるがまま目を閉じた瞬間、
唇に柔らかい感触と、
お酒の香りが口内に広がった。
「・・・・シャンクス?」
目を開けてみたら、シャンクスが不敵な笑みを浮かべている。
「騙したの?」
「したくなったんだ、悪いな」
ちっとも悪びれていない様子で、私の頭を撫でる。
「貴方より弱いからって子ども扱いしないで」
「子ども扱いはしてねェが・・・アコは俺より弱くていいんだ」
「・・・洗濯掃除するから?」
「それもしなくていい。好きなことをやりゃあいいさ」
「・・・私の居場所は?」
「まずは俺の隣だ。そこからゆっくり見つけていけばいい」
・・・・そっか。
『居場所』なんて、簡単に作れるもんじゃないかもしれない。
海軍の中の今のこの地位も居場所も、
長い年月をかけて作り出したものだ。
まずはシャンクスが、シャンクスの隣という居場所を作ってくれて。
そこから広がっていけばいい。
・・・焦ってた、私。
「じゃあしっかり守ってもらおうかしら」
「しっかりと守らせてもらおう」
頼もしい彼の隣で。
私はこれからずっと歩いていく。
彼を思う。
ふわふわでしっとりしてて、甘くて。
美味しいけど、お酒好きな彼の口には合わなかったかもしれない。
・・・・それでも、美味しかったと言って欲しい自分が居る。
明日は何処かでお酒を買って、
彼の船に会いにいこう。
・・・赤髪のシャンクスに。
でも私、四皇赤髪のシャンクスの船に行って、やっていけるのかしら。
赤髪の言う通りそこそこの強さだし。
四皇クラスを相手にしたら手も足も出ない。
そもそも戦うことくらいしか出来ない私で、
しかもそんなに強くない私が居て、
どうすればいいの?
掃除洗濯の雑用くらいしか出来ない。
どうしよう。
考えてもいいアイディアが思いつきそうにもないので、気分転換に、と窓を開けに立った。
「・・・・ふぅ」
風に当たっていい気分。
ここからの眺めも今日で最後かな。
よく見ておこう、と思った時。
コンコン、とドアのノック音。
「はーい」
ドアを開けてみたら、
夜でもわかる鮮やかな赤い髪。
「・・・・なん、で」
「マフィンの礼に酒を持ってきた。一緒に飲まねェか?」
お酒とグラスを片手に持った、赤髪のシャンクス。
「・・・・ホントに好きなのね、宴」
「今日の宴は特別だ。2人きりだからな」
残ったマフィンと、赤髪が持ってきたお酒。
「マフィンとお酒って合う?」
「悪くないな。ものは試しだ」
目の前のグラスに注がれていくお酒に、
マフィンをぱくり。
そして、
「乾杯、だな」
「乾杯」
赤髪とグラスを合わせた。
「・・・・ん、合うかも」
悪くない。マフィンとお酒が。
「意外な組み合わせでも悪くないってことはよくあるもんだ。俺達もそうかもしれねェな」
「海軍と海賊だものね」
「最高のコンビだ」
「そこそこの強さだけどね、私」
わざと強い調子でそう言ったら、
くくっ、と赤髪が笑った。
「そこそこありゃ問題ねェだろう。俺が居てアコに滅多なことにはさせんさ」
「海賊に守られるっていうのもなぁ・・・・」
今まで海軍だった身としては複雑。
「アコも海賊になるんだってこと忘れてないか?」
「忘れてないけど。今はまだ海軍だし」
「海賊と飲み交わすのに抵抗がある、か?」
「全然。だってあなたはシャンクスでしょ?」
海賊だろうが、そうじゃなかろうが。
今私の目の前に居るのは、
赤い髪のシャンクスという男の人。
「あァ、その通りだ」
満足そうな笑みを浮かべるシャンクス。
「ところで私、そっち行って何したらいい?」
「何・・・って言われてもな。特にすることはねェな」
「・・・・ないの?」
「何がしたい?」
「・・・したいっていうか。洗濯掃除くらいはするつもりだけど」
それくらいしか出来ないし。
「来てから考えりゃいいさ」
「・・・・そんなんで私貴方の仲間になれるかしら」
「不安か?」
「不安・・・・そりゃ勿論あるけど。でも笑わせてくれるんでしょ?どんな手を使っても」
「・・・ああ、任せておけ」
片腕にぐっと抱き寄せられて、
見つめ合う。
「ねえ、どうしてあの時離してくれなかったの?痛いって言ったのに」
普通は愛してるなら離してくれる。
痛みから解放してくれる為に。
「アコが本当に痛がってなかったからだな。・・・そうだろう?」
「・・・バレてた?」
「それくらいわかる。本当に痛がっていたら・・・そうだな、無理やり俺の方に引き寄せていただろうな」
「離してくれてたらあの場でシャンクスに決めてたかも」
「離しはしなかったがアコは俺を選んだ」
「・・・そうね」
結局、最初からこの人に惹かれてたってこと。
悔しいけど。
「私の部屋はある?」
「俺の部屋でいいだろ?」
「・・・・ベッドは?」
「俺のベッドだな」
「私狭いの嫌」
・・・悔しいから、せめてもの反論。
でもシャンクスは、
「ならデカいベッドを買おう。それなら問題ないな?」
そんなの気にしないとばかりに笑う。
・・・だから、私もつられて笑った。
「うん、問題ない」
私の答えに満足そうに頷いた彼は、
「アコ、目元にゴミがついてる。目、閉じろ」
突然そう言いだした。
「あ、うん」
言われるがまま目を閉じた瞬間、
唇に柔らかい感触と、
お酒の香りが口内に広がった。
「・・・・シャンクス?」
目を開けてみたら、シャンクスが不敵な笑みを浮かべている。
「騙したの?」
「したくなったんだ、悪いな」
ちっとも悪びれていない様子で、私の頭を撫でる。
「貴方より弱いからって子ども扱いしないで」
「子ども扱いはしてねェが・・・アコは俺より弱くていいんだ」
「・・・洗濯掃除するから?」
「それもしなくていい。好きなことをやりゃあいいさ」
「・・・私の居場所は?」
「まずは俺の隣だ。そこからゆっくり見つけていけばいい」
・・・・そっか。
『居場所』なんて、簡単に作れるもんじゃないかもしれない。
海軍の中の今のこの地位も居場所も、
長い年月をかけて作り出したものだ。
まずはシャンクスが、シャンクスの隣という居場所を作ってくれて。
そこから広がっていけばいい。
・・・焦ってた、私。
「じゃあしっかり守ってもらおうかしら」
「しっかりと守らせてもらおう」
頼もしい彼の隣で。
私はこれからずっと歩いていく。
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