選択制夢
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やっぱり私も父さんにあげたい。
1番大好きな人は、父さんだから。
・・・・・・・・・・・ナースさん達からチョコをたくさんもらってる父さんの想像をしたら少し寂しくなったけど。
とりあえず今ある材料じゃ足りないし、島着いたらお買い物だ。
当日、無事に島に着いた私は街に買い物に来ていた。
見渡せば嫌でも目に付く恋人達。
私も年頃だし、そういうことを考えないわけではないけど。
・・・・・・・・・それでも思い出すのは父さんの笑顔。
豪快な笑い声。
大きな手。
膝に乗せてもらって、頭を撫でてもらうのが好き。
大きくてあったかい父さん。
喜んで欲しいな。
「父さん、アコです。入りますよー?」
コンコン、とドアをノックしてみるけど、返事がない。
「・・・・・父さん?」
いつもなら部屋に居るはずで、優しい声で出迎えてくれるはずなのに。
不思議に思いつつドアを開けると、大きいベッドがどでん、と寂しげに置いてある。
「・・・・・・・・・・居ないんだ」
チョコ、持って来たんだけどな。
「・・・・・・・・・・・・・・・何か」
父さんの、ベッドの大きさに改めて感動する。
そして感動した後に湧き上がる思いは、
「寝てみたい」
ということで。
机の上にチョコを置いて、
ぼふっ、と思い切り飛び込んだ。
「ふわー広い!!さすが父さんのベッドー!」
父さんの匂いもする気がする。
安心する、父さんの匂い。
いつも私達を愛してくれて、守ってくれる父さん。
・・・・・・・有難う、の気持ちをこめて。
大好きだよ、の思いをこめて。
・・・・・・・チョコ、食べてくれるかな。
そんなことを考えていたらなんだか眠くなって。
ああ駄目だ、と思うのに。
私の瞼は閉じていき、意識は消えていった。
「・・・・・・・・・・・ん、」
ふと目が覚めた。
温かい何かが私を包んでくれてる。
優しい、ぬくもり。
大好きな匂い。
あ、そっか。
チョコをあげようとして父さんのベッドの魅力に負けてそのまま寝ちゃったんだ。
起きなきゃ、と思ったところで完全に覚醒した。
「・・・・・・・・とう、さん?」
寝ている私の視線の先には天井があるのかと思いきや、目を細めて優しく笑う父さんの顔。
「え、え、ええ!?」
「グララララ・・・・!まだ寝ぼけてやがるのか?アコ」
ここはベッド、じゃない。
・・・・・・父さんの、膝の上だ。
「父さん?いつの間に?」
「ベッドと俺の膝、どっちがいいんだアコ」
「・・・・・・そんなの、」
決まってる。
「父さんの膝がいい」
「グラララ・・・・可愛いこと言ってくれるじゃねえか。菓子ももらったぜ、有難うよ」
「あ、チョコ?どうだった?」
「どうにも妙な気分だったな・・・自分のヒゲの形をしたチョコってのは」
そう、私が父さんの為に作ったのは、
父さんのひげを模ったチョコレート。
しかも大きく。
「ナースさんからも貰ったんでしょ?どうだった?」
「そりゃ不味くはねえが、可愛い娘の手作りにゃ敵わなねえな・・・グラララ・・・!」
楽しそうに笑う父さんに、私も嬉しさがこみあげる。
「父さん、大好き」
そしてゆっくりと大きい手が降ってきた。
優しく頭を撫でてくれる。
「・・・・・・・・・気持ちいい」
・・・何だかまた眠くなってきた。
「このまま寝ちまえ」
「・・・・・・いいの?」
「かまわねえよ」
父さんの笑みに守られて、
こんな風に眠れるなんて、幸せ。
「・・・・・・・・父さん、ハッピーバレンタイン」
一言だけ言葉を紡いで、
私はゆっくりとまどろみの中に意識を委ねた。