短編①
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「最近お頭避けてるんだって?」
「避けてる訳じゃ・・・・ないですけど」
「お頭凹んでたぜ?」
「・・・・だって」
廊下をモップ掃除してたらヤソップさんにそう話しかけられた。
・・・・お頭が凹んでる、って。
申し訳ないなぁとは思うけど。
私にだって事情がある。
「ま、お頭もアコにべったりし過ぎだとは思うがよ」
「そうなんですよ!!」
「・・・・そんなに嫌なのか、お頭のこと」
「・・・・嫌じゃないです」
大好き。
だからこそお頭に俺の女にならないか、と言われた時は嬉しかったし、
喜んでお頭の気持ちに応えた。
だから、
今は恋人同士。
・・・・だからこそ、それは普通のことだってわかってる。
でもね。
「じゃあ何が嫌なんだ、そんなに」
「・・・・シすぎなんですもん」
恥ずかしかったので小さい声で呟いたら、
ヤソップさんはそれだけで理解してくれたようで、
納得したように頷いてくれた。
「ああ、なるほどねェ。まあお頭だからなぁ」
「1回や2回じゃないんですよ!?私そんな体力ありませんて」
「お頭じゃ断っても駄目か」
「駄目なんです」
「ってもアレだろ?いつもお頭から、なんだろ」
「・・・・そうですけど」
「たまにはアコから求めたらどうよ」
「・・・・・は!?」
ヤソップさんは何気ない風にとんでもないことを言ってきた。
「そしたら嬉しくなって満足もするかもしれねェよ?」
「・・・・そんなもんですか?」
「おお、やってみろ」
・・・・やってみろ、と言われても。
お頭の部屋の中を片付けながら考える。
私から求める・・・・って。
・・・・・でも言われて見れば確かに、
いつもお頭からだった。
私はいつも受け身。
抱きしめてもらって、
キスもしてもらって、
・・・・されるだけ。
・・・・・・・恋人、なのに。
私は、されるだけ。
・・・・・だった。
確かにこれは・・・・ちょっと酷い、かも。
でもでもでもっ・・・・!
自分から求めるっていうのは!
それは、かなり難題ですよ!!
はぁ、とため息を吐きつつ部屋の惨状を見る。
・・・ほんと散らかし放題だよねお頭は。
もう慣れたけど。
「あ」
ふと目に止まった本。
これって・・・・いわゆる、エロ本。の部類。
・・・・んもう。
仕方ないなあ、と思いながら手に取った。
・・・・・・ナイスバディなお姉さんだこと。
ていうかこんな胸あり得なくない?
何食べて育ったらこんなになるの?
しかもそれでいて腰こんな細いの?
ぼんっきゅぼん、ってお姉さんのことだよ本当。
・・・・何となく、本当に何となくぺら、とページをめくってみた。
うわ、際どい下着!
いやーでもこんだけナイスバディだからこそよね。
しかしまたこのお姉さんの色っぽい表情も何とも言えないわ。
自然と指が次のページをめくる。
あ、男の人登場。
身体を絡ませる2人の写真。
・・・・・何か。
何か、こう。
「何してるんだ、アコ?」
急に耳元で声がした。
「っぎゃあああ!!!」
驚いて私は本を抱えて飛びのいた。
「だっはっは、驚き過ぎだろアコ」
驚く私を見て笑うお頭。
みっ・・・・見られた!?
「あああああの!ここっ、これは・・・・っ!」
「片付けてくれてたんだな、アコ。助かるよ」
「・・・・・・お頭」
「ん?」
「・・・・・馬鹿」
言いながら恐る恐る差し出した、本。
「・・・一緒に見るか?」
「は、い?」
怒るつもりだったのに、
まさかの言葉に絶句。
「どんなもんか興味ねェか」
ありません!!と言いたいとこだけど。
・・・・さっきじっと見てたから。
「・・・・っ興味、なんて」
「俺が見てるモンがどんなモンか」
興味、あるだろ?
「恥ずかしいっつーんなら俺は後ろ見てる」
「え、あ」
強制的に座らされて、
お頭は私の背中に自分の背中を合わせて座った。
私の手にはさっきの本。
「・・・・・こんなの見ても全然参考にならないんですけど」
「アコの方が可愛いからな」
そう言ってお頭が私の耳をぺろりと舐めた。
「っぴゃあ!」
「その声とか、な」
「おか、しら・・・」
私の目の前にある本では、
女の人が男の人に後ろから胸を揉まれている写真。
「・・・・お頭」
「ん、どうした?」
背中に感じるお頭のぬくもりとか、
お頭の匂いとか、
優しい笑顔に私はもう完全におかしくなってしまった。
「・・・・・・・シたい、です」
ぎゅ、っと抱き着いたら、
すぐにそのまま優しく押し倒された。
「あァ、俺もだ」
「っここでするんですか?」
「あのな、最近触ることすらしてねェんだぞ俺は。・・・我慢出来るか」
怒ってるような拗ねてるようなお頭の表情に少しだけ胸が痛む。
ごめんなさいと言おうと口を開こうとしたけど、
お頭の口に塞がれて出来なくなった。
「ん・・・・・・っふ、ぁ、」
舌が入り込んで来て、
私の口内を自由に暴れまわる。
かたやお頭の貴重な片腕は私の胸に。
やわやわと揉みしだかれていく感覚に、
徐々に痺れていく身体。
「・・・・・ぁ、ん・・・っ」
いつもより少しだけ力が強い。
・・・お頭、もしかして怒ってる?
最近、避けてたから。
私がずっと、受け身だったから。
「・・・おか、しら」
止まらない熱に浮かされて、
今度は私から唇を重ねた。
「・・・・・・・アコ?」
「・・・シてる時のお頭、少しだけ怖いんです」
「・・・・怖かったのか?」
「だから、避けてました。・・・ごめんなさい」
あの本の写真の男の人の優しそうな顔を見て、
お頭もこうだったらいいのに、とちょっと思ってしまった。
「もっと早く言ってくれ、そういうことは」
「ぁ、・・・・は、んっ」
胸の頂を摘ままれて声が出た。
「今までの詫びだ、今日はアコを気持ちよくさせることに専念するとしよう」
「え?」
「片手だけだが・・・まぁ、何とかなるだろう」
「っ!」
さっきまで手で弄ばれていた胸はお頭の口に変わって、
手は下に。
「い、いいんですか・・・?」
「さっきのアコからのキスで十分だ」
「ぁ、ぁ・・・・あっ」
妖しくも優しく動くお頭の手に翻弄される。
「ひゃぅっ」
今度は首をぺろり。
「首、弱いなアコは」
「・・・弱い人、多いと思いま、ぁ、はぁ、んっ」
下着越しに触れられてさえ快感に頭がおかしくなりそうになる。
「アコが可愛くて、余裕がなくなっちまうんだ」
「ひゃ、あ」
話しながらも手は止まらず、
身体の熱はあ
「こんな俺でも・・・これからも付き合ってくれるか?」
「は、い・・・・ぁぁっ」
電流が体中を走り抜けた。
「イけた、みてェだな」
「ん、・・・は、ぁ・・・っ」
「アコから誘ってくれるとは、なかなかいいもんだな。ヤソップに相談して良かった」
「・・・・・・・・・・・・え?」
聞こえた名前に思わず反応した。
「どういうことですか・・・お頭」
「最近アコに避けられててヤらせてもらえねェって」
「そ・・・そしたらヤソップさん、何て」
「一緒にエロ本見たらどうだっっつーんでやってみたまでだ」
「んな・・・・・!」
「そんだけで大丈夫か、って聞いたら後は俺に任せろって言われて来てみたが、正解だった」
ヤソップに何言われたんだ?
とお頭が嬉しそうに言う。
・・・・やられた。
・・・・・・でも、
ヤソップさんのことも間違ってないし。
嬉しそうなお頭を見てたら、
今までの自分を少し反省しなきゃ、と思った。
だから返事の代わりに、
お頭の唇に自分の唇を押し付けた。
「・・・そこまでされたら、このままじゃ終わららせられねェな、アコ」
「・・・・はい」
覚悟してます。
お頭のこんな嬉しそうな顔が見られるなら。
たまには、自分からもいいかもしれない。