短編①
夢小説設定
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「俺アコよりルフィのことが大事だから」
エースは至って真面目に言う。
ルフィ君て弟君のことだよね。
「だから別れてくれ」
私はといえば、嬉しいとも悲しいとも思うことなく。
他人事のようにそれを見ていた。
けれど、
言われているのは紛れもなく、
私。
「エース、待って」
「悪ィけどもう決めたんだ」
「や、ちょっと」
「じゃあな」
そう言って去っていくエース。
待って。
ねえ、エース。
「そもそも私達付き合ってなくね!?」
そう叫んだところで、目の前にあったのはエースではなく天井だった。
「あれ」
そこは間違いなく私の部屋で、
私以外誰も居なくて。
「・・・・夢、ですか」
一人呟いた声は闇に消える。
そう、別に私とエースは恋人同士でもなんでもない関係。
・・・・なのに、
こんな夢を見るなんて。
「何ぼーっとしてんだ?」
「・・・っわあああああ!!!!エース!?」
「マジでどうしたんだよアコ?熱でもあんのか?」
今朝の夢を思い出していると
突然エースの顔のドアップ。
そして、
こつん、
と合わさる額。
「・・・・・・・・」
「・・・・・・・・」
「・・・・え、エース?」
いつまでも無言のままのエース。
「悪ィ、俺も熱ィからわかんねぇや」
にしし、と何処か照れくさそうに笑う
エースの顔は少し赤い。
「・・・・・・・・・ねえエース」
「ん?何だ?」
「もし、仮にだよ?付き合うことになった女の子と弟君どちっが好きって聞かれたら?」
「あー?何だソレ。んん・・・まあでも好きにも種類があるだろ?」
「ああ、うん、まあね」
「ルフィへの好きと、お前への好きは全然違ェし、俺は絶対お前を大事にするからさ」
「そっかそっかぁ、・・・って、うん?」
今何かおかしかった。
「ルフィも大事だけどアコも大事だからな!」
だから安心しろよ、と何とも爽やかな笑顔を残してエースは去っていった。
残された私が呟いた言葉は。
「・・・や、だからそもそも私達付き合ってなくね?」
言いながらも何処か嬉しい気持ちを隠せない私。