短編①
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怒涛の食事タイムは終わった。
あとは各自、風呂に入ったり甲板あたりでまだ飲んでいたりと自由な時間。
実際外からはまだ楽しそうな声が聞こえる。
あ、でもマルコさんあたりは部屋で仕事してそうだな、と私は一人苦笑する。
もう少しで終わりそうな食器の後片付けを黙々とやりながら、
次に思い浮かんだ顔は黒髪そばかすの男の人。
こないだも書類をまだ提出してないとか怒られてたし、
その前は洗濯物を燃やしたらしく、
更にその前は食料庫のものを隠れて食べて
サッチさんに怒られてた。
ふと耳を澄ますと、カチャカチャ、と食器の音だけが響く私以外誰も居ない筈の食堂で
カタン、というかすかな音が聞こえた。
怖いとは思わない。
だってここは海の上で、白ひげ海賊団の船なのだから。
・・・・それと、その物音に心当たりがあるから。
私はそっと隠れるように隅っこに移動する。
そこからよく見える冷蔵庫を見つめること数秒。
来た。
冷蔵庫の扉の前に人の影。
そして扉を開けて食べ物を探してる。
その人はハムの残りを見つけると嬉しそうにそれを頬張った。
その姿がなんだか可愛くて、緩む口元を手で隠す。
私は後ろからそっと近づき、
「エース」
名前を呼ぶ。
「お、アコ」
「サッチさんに怒られるよ?」
無駄なことだと知りつつ一応止めてみる。
「アコが言わなきゃ大丈夫だ」
うん、やっぱり無駄だった。
「や、私が言わなくてもバレると思うけど」
「そうか?でも腹減るのは仕方ねぇだろ?」
にこっと微笑む彼に私はただ笑う。
それはいつもの会話。
エースは私が一人で食堂に居る時、結構な確立でツマミ食いにやって来る。
私が誰にも言わないことを知ってるから。
ってもいつもサッチさんにはバレてお説教されてるけど。
「でもホント懲りないよねエース。ていうかそんなに食べてるのに痩せてるのが羨ましいよ」
「あー・・・まあ腹が減るのもだけど」
「・・・けど?」
突然言いにくそうに口をもごもごとさせるエース。
「お、これももーらい」
「あ、ちょ、お酒まで!」
そして奥にしまってあったお酒を手に取ると、
エースは何かを誤魔化すようにそれを飲み干した。
「・・・・なあ」
「ん?」
何か嫌なことでもあったのかも、と私は出来るだけ優しく返す。
エースは真っ直ぐな瞳で私を見返して。
一歩、エースが進んだ分距離が縮んだ。
「俺さ、アコが居ない時はここ来ねェんだよ」
また一歩。
「え、」
一歩。
「どっちみち怒られるならアコのいる時がいいから」
ああ、駄目だ。
「何でかわかるか?」
二人の距離はゼロになった。
鍛えられたエースの腹筋を目の前に私はただ、
くらりと眩暈がした。
エースは酒瓶片手に私を抱きしめる。
「会いたかったんだ、アコに」
とくり、と心臓が鳴る。
たぷん、とエースの持つお酒が動いた。
そして。
エースは酒を一口含むと、
そのまま、
エースが近づいてきて、
「・・・・・・・っ!?・・っは、」
唇が重なり、
苦い液体が口いっぱいに行き渡る。
これアルコール度数かなり強いやつだ、
なんて私はのんきに考える。
ごくん、とすべてを飲み込む、と。
エースは怪しげにニヤリと笑う。
「・・・えーす、」
そして名前を呼ぶだけで辛うじての私に耳元で囁く。
「これでアコも共犯だぜ?」
不意に飲まされた度数の強い酒と、
エースの色っぽいカオと、
熱い声と、
抱きしめられた熱さと、
エースの発言によって、
私が倒れるまであと十秒。
あとは各自、風呂に入ったり甲板あたりでまだ飲んでいたりと自由な時間。
実際外からはまだ楽しそうな声が聞こえる。
あ、でもマルコさんあたりは部屋で仕事してそうだな、と私は一人苦笑する。
もう少しで終わりそうな食器の後片付けを黙々とやりながら、
次に思い浮かんだ顔は黒髪そばかすの男の人。
こないだも書類をまだ提出してないとか怒られてたし、
その前は洗濯物を燃やしたらしく、
更にその前は食料庫のものを隠れて食べて
サッチさんに怒られてた。
ふと耳を澄ますと、カチャカチャ、と食器の音だけが響く私以外誰も居ない筈の食堂で
カタン、というかすかな音が聞こえた。
怖いとは思わない。
だってここは海の上で、白ひげ海賊団の船なのだから。
・・・・それと、その物音に心当たりがあるから。
私はそっと隠れるように隅っこに移動する。
そこからよく見える冷蔵庫を見つめること数秒。
来た。
冷蔵庫の扉の前に人の影。
そして扉を開けて食べ物を探してる。
その人はハムの残りを見つけると嬉しそうにそれを頬張った。
その姿がなんだか可愛くて、緩む口元を手で隠す。
私は後ろからそっと近づき、
「エース」
名前を呼ぶ。
「お、アコ」
「サッチさんに怒られるよ?」
無駄なことだと知りつつ一応止めてみる。
「アコが言わなきゃ大丈夫だ」
うん、やっぱり無駄だった。
「や、私が言わなくてもバレると思うけど」
「そうか?でも腹減るのは仕方ねぇだろ?」
にこっと微笑む彼に私はただ笑う。
それはいつもの会話。
エースは私が一人で食堂に居る時、結構な確立でツマミ食いにやって来る。
私が誰にも言わないことを知ってるから。
ってもいつもサッチさんにはバレてお説教されてるけど。
「でもホント懲りないよねエース。ていうかそんなに食べてるのに痩せてるのが羨ましいよ」
「あー・・・まあ腹が減るのもだけど」
「・・・けど?」
突然言いにくそうに口をもごもごとさせるエース。
「お、これももーらい」
「あ、ちょ、お酒まで!」
そして奥にしまってあったお酒を手に取ると、
エースは何かを誤魔化すようにそれを飲み干した。
「・・・・なあ」
「ん?」
何か嫌なことでもあったのかも、と私は出来るだけ優しく返す。
エースは真っ直ぐな瞳で私を見返して。
一歩、エースが進んだ分距離が縮んだ。
「俺さ、アコが居ない時はここ来ねェんだよ」
また一歩。
「え、」
一歩。
「どっちみち怒られるならアコのいる時がいいから」
ああ、駄目だ。
「何でかわかるか?」
二人の距離はゼロになった。
鍛えられたエースの腹筋を目の前に私はただ、
くらりと眩暈がした。
エースは酒瓶片手に私を抱きしめる。
「会いたかったんだ、アコに」
とくり、と心臓が鳴る。
たぷん、とエースの持つお酒が動いた。
そして。
エースは酒を一口含むと、
そのまま、
エースが近づいてきて、
「・・・・・・・っ!?・・っは、」
唇が重なり、
苦い液体が口いっぱいに行き渡る。
これアルコール度数かなり強いやつだ、
なんて私はのんきに考える。
ごくん、とすべてを飲み込む、と。
エースは怪しげにニヤリと笑う。
「・・・えーす、」
そして名前を呼ぶだけで辛うじての私に耳元で囁く。
「これでアコも共犯だぜ?」
不意に飲まされた度数の強い酒と、
エースの色っぽいカオと、
熱い声と、
抱きしめられた熱さと、
エースの発言によって、
私が倒れるまであと十秒。
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