鏡花水月、のように
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「マルコ隊長、海軍の情報です!!」
「・・・・・もらっておくよい」
・・・・・いまだ動かず、かい。
来るってんなら迎え撃つまでだが。
・・・・今は、アコがいる。
相手が誰であろうと傷1つつけるつもりはねェが、
何もないならそれに越したことはない。
・・・・・まだ言えてないことも、あるしよい。
「あらマルコ隊長」
「・・・・どうかしたかい?」
アレクシスが声をかけてきたかと思ったら、
「お忙しそうでいらっしゃいますこと」
「・・・言いたいことがあるならはっきり言えよい」
妙に突っかかってくる。
「さすが道しるべさん、ですわね」
「・・・・・・おい」
道しるべ。
それは昨日、アコが俺に言ったことだ。
「アコ本人から聞きました」
「・・・・そうかい。それで?」
「帰れ、とおっしゃったそうですねあの子に」
「言ったよい。何か問題あるかい?」
「おおありです」
「帰るべき場所があるのにここに居る方がおかしいんだよい」
「海賊なら海賊らしく本音をおっしゃったらどうです?」
・・・・アレクシスがここまで突っかかって来るのは珍しいねい。
「帰って欲しくねェ、ってかい?」
「そうなんですよね?」
「帰って欲しいに決まってんだろい?」
「目が泳いだ。嘘ですね」
・・・・舌打ちが出そうになった。
アコも面倒ではあるが、アレクシスはもっと面倒そうだ。
「嘘じゃねェ。いずれ帰るなら今すぐに帰った方がいいだろい」
「何故いずれ帰ると?」
「・・・・帰りたいと願うに決まってるだろい?」
「決めつけてはアコが可哀想です」
「帰った方がいいんだよい、アコの為だ」
「そのご意見には賛同致しかねますね。アコの顔、よくご覧になりました?」
「アコの顔?」
怒ってた、そう言う顔だったと記憶している。
だからあの顔が泣き顔に変わるのは見たくない。
1年後・・・もしかしたら半年後には帰りたいと思うかもしれねェ、だがアコはそれを言えないだろう。
そんな顔を見たくない。
「泣きそうでしたよ」
・・・・そう、思ってたんだが。
「泣きそう?怒ってたの間違いだろい?」
「よく考えて下さいマルコ隊長。好きな人に帰れって言われて傷つかない女がいると思います?」
「・・・・・言わんとすることはわからないでもないよい」
「マルコ隊長はアコを傷つけました。でもマルコ隊長は傷つきたくなかった、そうですね?」
・・・・ああ、アレクシスの言う通りだ。
帰りたいと言われて自分が傷つくのが怖くて、
帰れと言ってアコを傷つけた。
なんて弱くて情けねェんだ俺は。
「アコが可哀想です」
「・・・・・まったくだよい」
返す言葉はねェ、よい。
「まっるこさーんお昼ご飯食べましょー」
朝は一緒に食べられなかったから、
そろそろお昼時。
って言う時に見かけたマルコさんに声をかけた。
「・・・・・何で、笑ってんだい」
マルコさんは私を見て複雑な顔をした。
え、駄目なの。
「え、だってお昼ご飯楽しみじゃないですか。それに朝はマルコさんと一緒に食べられなかったし」
「怒ってないのかい」
「怒ってますよ」
そりゃあ怒ってますとも。
帰りませんって言ってるのに帰れの一点張り何だものマルコさんたら。
でも、
「なら、」
「でもそれがマルコさんですもんね」
自分のことより他の人を・・・私を優先させる優しさをもってる人。
だからまあある意味仕方ないとは思ってる。
「・・・・・アコ」
「あ、でも絶対帰りませんからね私」
「・・・・・・・・参ったねい」
「はっはっは、参りましたか!?」
私の勝ちですね、なんて笑ったら、
「ああ」
「・・・・・え、うそ」
マルコさんが泣きそうな笑みを浮かべてた。
「・・・・マルコさん?」
「飯食いながら話すよい」
「あ・・・・・・・・・は、い?」
「まだ話してねェことがあるんだよい」
「まだ!?」
いくつあんの!?
「行くよい」
「は、はいっ」
慌ててマルコさんの後を追った。
「海軍とひと悶着ありそうだ、だからアコを帰したいってのは事実だい」
「はい」
オムライスをもぐもぐ。
「だがそれだけじゃねェんだい」
「・・・・と、おっしゃいますと」
「俺はアコに帰って欲しくねェんだよい」
「はあ、なるほど。・・・・・・・・・・・んん?」
今、マルコさん。
・・・・今。
「だから帰れと言った」
「おう・・・・・・マルコさん、頭おかしくなりました?」
言っていることがわからないよ!!
と混乱した私の頭にごつん。
「・・・・いたい」
「アコの口から帰りたいと聞きたくなくて帰らせようとしたんだい」
「・・・・・・・・・おっしゃってる意味が、よく」
「帰って欲しくねェから帰りたいって言われたくない、それはわかるねい?」
「はい、わかります」
「それなら言われる前に帰しちまえばいい」
「・・・・・・はあ、なるほど。って私どんだけ信用ないんですか!!!」
理解した。
マルコさんの気持ち、今までの言葉の意味。
「悪いとは思ってるよい」
「・・・・・それで、これが全部ですか?お話し」
「まだだい」
「まじすか・・・・」
今度はなんだ、もうこれ以上驚くことはないぞ。
「今度起こるかもしれねェ海軍とのいざこざの原因は俺だよい」
「・・・・・・・・おっどろきました」
「アコを元の世界へ帰す為の方法を調べる為に前に船に邪魔したことがあってねい」
「ほえええええ!?」
「それが原因だい。赤髪にも知られて忠告に来られちまった」
「わ・・・・・私の知らないところで大変なことに!!」
「俺のせいでアコに何かある前に帰しちまった方がいい」
さっきから何に驚いていいのかわからない、いや全部に驚いてる。
マルコさんは淡々と語るけど。
「・・・・戦闘で死んでも、元の世界に帰っても。私には一緒です」
言えることは1つ。
「鏡に手を伸ばした理由考えてみてください。・・・あの日まで私が、どんな思いでいたか」
そしてそれは、引っ張ってくれたマルコさんも同じ気持ちだと思ってた。
信じ合えると、思ってた。
「ああ・・・見てたよい、鏡で」
「それでも信じられないっていうんなら信じてくれるまで好きですって言いますし何なら襲いますけど」
「・・・却下」
「マルコさんが私を幸せにする自信がないって言うんなら私が幸せにします!」
「それも却下だい」
「海軍との戦闘はもしなったら私も一緒に謝ります」
「アコが謝る必要はねェよい、俺達ゃ海賊だい、戦闘はどんとこいだ」
「・・・・・さすが!」
「アコが大人しくしてるってんなら必ず守る」
「・・・・お願いします!」
「それと、これが最後だ」
まだあった!?
「好きだよい、アコ」
「・・・・・・・え?」
「愛してると言った方がいいかい?・・・・だから覚悟しろい」
「・・・・・まるこ、さ」
「もう離さねェ」
幸せにしてやるよい、と
幸せそうにマルコさんが笑った。
+幸せそうに 終+
「・・・・・もらっておくよい」
・・・・・いまだ動かず、かい。
来るってんなら迎え撃つまでだが。
・・・・今は、アコがいる。
相手が誰であろうと傷1つつけるつもりはねェが、
何もないならそれに越したことはない。
・・・・・まだ言えてないことも、あるしよい。
「あらマルコ隊長」
「・・・・どうかしたかい?」
アレクシスが声をかけてきたかと思ったら、
「お忙しそうでいらっしゃいますこと」
「・・・言いたいことがあるならはっきり言えよい」
妙に突っかかってくる。
「さすが道しるべさん、ですわね」
「・・・・・・おい」
道しるべ。
それは昨日、アコが俺に言ったことだ。
「アコ本人から聞きました」
「・・・・そうかい。それで?」
「帰れ、とおっしゃったそうですねあの子に」
「言ったよい。何か問題あるかい?」
「おおありです」
「帰るべき場所があるのにここに居る方がおかしいんだよい」
「海賊なら海賊らしく本音をおっしゃったらどうです?」
・・・・アレクシスがここまで突っかかって来るのは珍しいねい。
「帰って欲しくねェ、ってかい?」
「そうなんですよね?」
「帰って欲しいに決まってんだろい?」
「目が泳いだ。嘘ですね」
・・・・舌打ちが出そうになった。
アコも面倒ではあるが、アレクシスはもっと面倒そうだ。
「嘘じゃねェ。いずれ帰るなら今すぐに帰った方がいいだろい」
「何故いずれ帰ると?」
「・・・・帰りたいと願うに決まってるだろい?」
「決めつけてはアコが可哀想です」
「帰った方がいいんだよい、アコの為だ」
「そのご意見には賛同致しかねますね。アコの顔、よくご覧になりました?」
「アコの顔?」
怒ってた、そう言う顔だったと記憶している。
だからあの顔が泣き顔に変わるのは見たくない。
1年後・・・もしかしたら半年後には帰りたいと思うかもしれねェ、だがアコはそれを言えないだろう。
そんな顔を見たくない。
「泣きそうでしたよ」
・・・・そう、思ってたんだが。
「泣きそう?怒ってたの間違いだろい?」
「よく考えて下さいマルコ隊長。好きな人に帰れって言われて傷つかない女がいると思います?」
「・・・・・言わんとすることはわからないでもないよい」
「マルコ隊長はアコを傷つけました。でもマルコ隊長は傷つきたくなかった、そうですね?」
・・・・ああ、アレクシスの言う通りだ。
帰りたいと言われて自分が傷つくのが怖くて、
帰れと言ってアコを傷つけた。
なんて弱くて情けねェんだ俺は。
「アコが可哀想です」
「・・・・・まったくだよい」
返す言葉はねェ、よい。
「まっるこさーんお昼ご飯食べましょー」
朝は一緒に食べられなかったから、
そろそろお昼時。
って言う時に見かけたマルコさんに声をかけた。
「・・・・・何で、笑ってんだい」
マルコさんは私を見て複雑な顔をした。
え、駄目なの。
「え、だってお昼ご飯楽しみじゃないですか。それに朝はマルコさんと一緒に食べられなかったし」
「怒ってないのかい」
「怒ってますよ」
そりゃあ怒ってますとも。
帰りませんって言ってるのに帰れの一点張り何だものマルコさんたら。
でも、
「なら、」
「でもそれがマルコさんですもんね」
自分のことより他の人を・・・私を優先させる優しさをもってる人。
だからまあある意味仕方ないとは思ってる。
「・・・・・アコ」
「あ、でも絶対帰りませんからね私」
「・・・・・・・・参ったねい」
「はっはっは、参りましたか!?」
私の勝ちですね、なんて笑ったら、
「ああ」
「・・・・・え、うそ」
マルコさんが泣きそうな笑みを浮かべてた。
「・・・・マルコさん?」
「飯食いながら話すよい」
「あ・・・・・・・・・は、い?」
「まだ話してねェことがあるんだよい」
「まだ!?」
いくつあんの!?
「行くよい」
「は、はいっ」
慌ててマルコさんの後を追った。
「海軍とひと悶着ありそうだ、だからアコを帰したいってのは事実だい」
「はい」
オムライスをもぐもぐ。
「だがそれだけじゃねェんだい」
「・・・・と、おっしゃいますと」
「俺はアコに帰って欲しくねェんだよい」
「はあ、なるほど。・・・・・・・・・・・んん?」
今、マルコさん。
・・・・今。
「だから帰れと言った」
「おう・・・・・・マルコさん、頭おかしくなりました?」
言っていることがわからないよ!!
と混乱した私の頭にごつん。
「・・・・いたい」
「アコの口から帰りたいと聞きたくなくて帰らせようとしたんだい」
「・・・・・・・・・おっしゃってる意味が、よく」
「帰って欲しくねェから帰りたいって言われたくない、それはわかるねい?」
「はい、わかります」
「それなら言われる前に帰しちまえばいい」
「・・・・・・はあ、なるほど。って私どんだけ信用ないんですか!!!」
理解した。
マルコさんの気持ち、今までの言葉の意味。
「悪いとは思ってるよい」
「・・・・・それで、これが全部ですか?お話し」
「まだだい」
「まじすか・・・・」
今度はなんだ、もうこれ以上驚くことはないぞ。
「今度起こるかもしれねェ海軍とのいざこざの原因は俺だよい」
「・・・・・・・・おっどろきました」
「アコを元の世界へ帰す為の方法を調べる為に前に船に邪魔したことがあってねい」
「ほえええええ!?」
「それが原因だい。赤髪にも知られて忠告に来られちまった」
「わ・・・・・私の知らないところで大変なことに!!」
「俺のせいでアコに何かある前に帰しちまった方がいい」
さっきから何に驚いていいのかわからない、いや全部に驚いてる。
マルコさんは淡々と語るけど。
「・・・・戦闘で死んでも、元の世界に帰っても。私には一緒です」
言えることは1つ。
「鏡に手を伸ばした理由考えてみてください。・・・あの日まで私が、どんな思いでいたか」
そしてそれは、引っ張ってくれたマルコさんも同じ気持ちだと思ってた。
信じ合えると、思ってた。
「ああ・・・見てたよい、鏡で」
「それでも信じられないっていうんなら信じてくれるまで好きですって言いますし何なら襲いますけど」
「・・・却下」
「マルコさんが私を幸せにする自信がないって言うんなら私が幸せにします!」
「それも却下だい」
「海軍との戦闘はもしなったら私も一緒に謝ります」
「アコが謝る必要はねェよい、俺達ゃ海賊だい、戦闘はどんとこいだ」
「・・・・・さすが!」
「アコが大人しくしてるってんなら必ず守る」
「・・・・お願いします!」
「それと、これが最後だ」
まだあった!?
「好きだよい、アコ」
「・・・・・・・え?」
「愛してると言った方がいいかい?・・・・だから覚悟しろい」
「・・・・・まるこ、さ」
「もう離さねェ」
幸せにしてやるよい、と
幸せそうにマルコさんが笑った。
+幸せそうに 終+