鏡花水月、のように
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「・・・・・マルコさん?」
「・・・何だい」
もぐもぐ、ごっくん。
ご飯を飲み込んでマルコさんをじーっと見た。
「・・・・・サッチさんと仲直りしてないんですか?」
「・・・・何でそう思うんだい?」
「こんなに美味しい夕飯のカレーをまだ食べ終えてないから、です」
私はもう食べ終わっちゃったのに。
「カレーは美味いが、よい」
「・・・・美味いが?」
「酒の肴にゃならねェよい」
「ご飯がなければ肴にもなるんじゃないですか?前にもつカレーで飲んだことありますよ私」
「別にカレーが不味い訳じゃねェんだよい」
「・・・・・手伝いましょうか?」
不機嫌、という訳じゃないけど。
元気がない。
そんな感じのマルコさん。
・・・サッチさんもマルコさんもいい大人だし、
余計なお世話かもしれないけど。
「サッチさんとの仲直り」
この間私がマルコさんを引き留めなかった時から何だか変で。
喧嘩じゃない、ふて腐れただけだってマルコさんは言ってたけど。
マルコさんがふて腐れればそれはサッチさんだっていい気はしないだろうから。
それで気まずいんじゃないんだろうか。
「言っただろい?喧嘩じゃねェ、だから仲直り云々じゃねェんだい」
「・・・・時間が解決、ってことですか?」
「・・・そういうことだい」
とマルコさんに言い切られたらどうしようもないんだけど。
仕方ない、今度はサッチさんにいってみよう。
「アコ」
「はい?」
「余計なことは考えるなよい」
「・・・・・・・・はて」
じろりと睨まれた。
やだ怖い、心が読まれてるみたいだわ。
「サッチに話しを聞こうと考えてんだろい?」
「やだわあマルコさん、こわーい」
「は、怖いってんなら怖がってみろよい」
「・・・・そこまでバレてるんすかマジで怖いんですけど」
怖がってないことすらバレていたことにはさすがに恐怖ですよ。
「アコの考えてることくらいわかるよい」
「・・・・そっかぁ」
「・・・なんだい」
それは怖くもあるけど、同時に嬉しくもある。
だって、
「それだけ長い時間一緒に居るってことですね」
まあ私が単純ってこともなくもないだろうけど。
なんて割と軽い気持ちで言っただけなんだけど、
一瞬マルコさんが固まった。
でもそれは本当に一瞬で、
「・・・・・時間は関係ねェよい」
いつもの顔でぽつり。
・・・・・これは。
もしかしてもしかしなくても、サッチさんとのケンカの原因て私?
って聞いても少なくとも今は答えてくれないだろうから聞かないけど。
・・・・やめて私の為に争わないで、きゃっ!
とか言ってる場合じゃないよ。
でもなーサッチさんの好み絶対私じゃないし。
そう言う感じでもない。はずだ。
じゃあ何だろう。
・・・・・やっぱりあとでこっそり聞いてみよう。
「アコ、俺はこの後オヤジに呼ばれてる」
「あ。はい。遅くなります?」
こういうことはたまにある。
それは何かの相談だったりお酒の付き合いだったり。
遅くなりそうな時は先に寝てていいって言われるのだ。
「・・・・わからねェ、が」
「・・・・が?」
「起きていられるかい?」
「え」
「眠いならいいよい」
マルコさんはお酒をぐびりと飲んで、私の返事を待っている。
・・・・何だろ、なんか怖い。
や、でもマルコさんに限って怖いことなんて。
・・・・ある訳、ない。
「一緒に寝ます?」
「アコ」
真剣な顔と声音に思わず、
「・・・・起きてます」
つられた。
「・・・頼むよい」
「・・・・・は、い」
1人先に部屋に戻って心の準備。
・・・・考えよう、最悪のパターンを。
・・・・・最悪のパターン、それは。
私の帰る方法が見つかったこと、かな。
それで帰れって言われるの。
うわ。めっちゃあり得そう。
マルコさん私のこと帰そうとしてるし。
でなきゃあとは最近は言いつけも割と守ってるし、こんな改まって怒られることない。
・・・・はず。
それと最悪のパターンはもう1つある。
・・・・・マルコさんに好きな女の人が出来た。
もしくは恋人が出来た。
・・・・・最悪過ぎる。
いやいやでもそんな雰囲気全然なかったし!!
きっと大丈夫!!
・・・・・・・・にしてもマルコさん来ないな。
・・・・・・・・・・ドキドキ。
してたのに。
「は!!」
あれ!?
ここ何処!?あれ!?
「起きたかい」
「ぎゃあああああ!!!!」
「・・・うるせェよい」
気が付いたら窓から差し込む光が眩しくて。
不機嫌そうなマルコさんが居て。
「私寝てました!?」
「ぐっすりとねい」
「・・・・・・申し訳御座いません・・・・」
どんなことになるだろうとドキドキしてたはずなのにいつの間にか寝てたらしい。
気が付いたら朝だ。
「別に急ぎの用でもねェ、構わないよい」
・・・いつものマルコさん。
ぽんぽん、と優しく頭を叩いてくれる。
でも怖い。
「・・・今じゃ駄目ですか?」
怖いから早く知りたい。
「今日はこれから忙しい・・・また今度話すよい」
「・・・・・・・・・はい」
寝てしまった私が悪い。
もう何も聞けない。
「・・・そんなに気になるかい?」
マルコさんが笑った。
「めっちゃ気になります」
「1つだけ教えてやるよい。近々大きな戦いが起こるかもしれねェ」
「・・・・・・はあ」
「・・・反応薄いねい」
「いやだって小さかろうと大きかろうと戦はつきものですからねえ海賊に」
「・・・は、頼もしいねい」
「お任せを!!邪魔だけはしませんからね!」
「頼りにしてるよい」
「はいっ!!」
まだ気になることはあるけど。
とりあえず1つだけわかって安心。
ってとこかな。
+まず1つ 終+