いつかまた
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別に、初めてじゃないから。
落ち込んだりとか、
傷ついたりとはかしないけど。
ましてや、泣くなんてことは。
・・・・・・・・・・絶対、ない。
たいしたことじゃないもんね、
仕事のミスなんて!!
「うぇぇぇぇい・・・・ただいまですー」
「・・・・落ち込んでるねい」
「いいえ!断じて落ち込んでなどおりませぬ!」
何故バレた!
いやいや、マルコさんには心配かけまいと即効で誤魔化してみたんだけど、
「何処がだよい」
マルコさんの立派なツッコミに、がっくりと肩を落とした。
「・・・・・・こっ、こんなことで落ち込む私では・・・!!」
「何があったんだよい」
「・・・・・・・・し・・・仕事でちょっとミスりまして、大惨事にげふんごふん」
「大惨事、ねェ」
「でっでもその分はちゃんと収拾つけましたから!」
自分のミスは自分で何とかする!
大人として!
「うちの奴らに聞かせてやりてェよい」
「へ?」
「暴れるだけだからよい、あいつら」
「へーそうなんですねー」
海賊だしそんなもんじゃないのか、と思ってたけどそうでもないらしい。
海賊の世界も意外と大変だ。
・・・・まあ、マルコさんが真面目だっていうのもあると思うけど。
「そんなことより、飯食うだろい?」
「え?」
「作っておいたよい」
「ま・・・・マジですかぁぁぁ!!!」
実は今日の夕飯どうしようと思っていたとこ。
冷凍食品は底を尽きたし、
冷凍食品半額セールはまだだし、
かといって定価のお弁当には手出せないし!
「冷蔵庫のモン勝手に使わせてもらったよい」
「全然オッケイですぅぅ!有り難う御座います!」
私、大喜び。
2人で配膳して、
「いただきまっす!」
マルコさんが作ってくれたマーボー茄子とサラダを食す。
ああ・・・・優しい辛さが沁みるよ・・・!
「はああ・・・悲しみに囚われた心に沁みますぅぅ」
「やっぱり気にしてたんじゃねェかい」
「あ」
言っちゃった。
マルコさんの料理の美味しさに思わずぽろっと。
「・・・・・・・はい、気にしてました」
「なら最初っからそう言えよい」
「うぅ・・・・はーい」
呆れ気味のマルコさんは、
それでもその後何も聞こうとはしなかった。
・・・・・・・・・・優しい、なあ。
「あ、そういえば私明日の休み出掛けるんですけど大丈夫ですか?」
「・・・・・・・・アコ」
「はい」
「俺をいくつだと思ってんだい?」
「あー・・・立派なおっさんで海賊さんですね。・・・すみませんでした」
「確かに俺ぁこっちの世界では赤子同然かもしれねェが」
「いやいや、赤子はこんな美味しいご飯作れませんて」
だから、心配ないのは・・・わかってるんだけど。
「飯作れるくらいじゃ威張れねェよい」
と困ったように苦笑するマルコさんに、
何とかこの気持ちを伝えたい。
「や、何と言うかですねー・・・うーん、その・・・精神的に?」
「精神的?」
「・・・・・・・・・寂しいんじゃ、ないかと」
控えめにぽつりと言ったらマルコさんは目を丸くして、
面食らったような顔。
私は慌てて、
「ああああ!ごめんなさい!余計なお世話ですねハイ!」
フォローしてみたけど時既に遅し。
ああ、恥ずかしい!
「・・・・・・・アコ」
ぐ、と険しい顔になったマルコさんに次はどう謝ろうかと思っていたら、
「・・・・・・く、くくっ、はははっ!」
俯いたマルコさんから聞こえてきたのは笑い声。
「・・・・・・・ま、まるこさーん?」
「まさかそんなことを言われようとは思わなかったよい・・・ははっ」
「いやいや確かにね?おっさんだし海賊の人に言うことじゃないのはわかってますよ?」
「やっぱり子供扱いじゃねェかい」
「・・・・・・・・・・そんなこと、ないですよぅ」
子ども扱いじゃない。
ただ、
「大人だって・・・寂しいって思う時あるじゃないですか」
「・・・・・・・・まあ、ねい」
マルコさんは、ただでさえ知らない世界で、
仲間どころか知り合いもないなくて。
心の準備も何もないうちに、来ちゃって。
・・・・・・・・帰り方だってまだ、わからないのに。
不安で仕方ないはず、なのに。
それなのに長い間1人にさせてしまったら、と思うと。
胸が苦しくなる。
「まるで年下の母親が出来た気分だよい」
「お母さんって呼んでもいいですよ!」
「絶対嫌だよい」
「・・・・・・・・・ですよねー」
私だって嫌だ。
家事が苦手な母親なんて。
「とにかく・・・・・よい」
「・・・・・はい」
「人の世話焼いてる場合じゃねェだろい?」
「と、申しますと?」
「出掛けるんだろい?準備しなくていいのかい」
「・・・・・・・お父さん」
「やめろよい!!」
かっと必死なマルコさんが面白くて笑ったら、
マルコさんも気まずさそうに笑った。
「・・・・・どうぞお構いなく」
「・・・・・・・・落ち込んでるんだろい?」
「ぜーんぜん大丈夫ですよお、あははは!」
「・・・・・・・ったく」
翌日、私は泣きながらパソコンに向かっていた。
「ホントに、たいした用事でも・・・なかったですし・・・ハイ」
「でも楽しみにしてたんだろい?」
「・・・・・別に今日じゃなきゃいけない訳じゃなかったので、大丈夫ですよー」
頑張って笑顔を作ってみるけど、
マルコさんには通用しなかったらしい。
・・・・昨日私がやらかした大惨事。
収まってはいなかったらしい。
仕方なく家で仕事することになってしまった。
「男、かい?」
「だったら良かったんですけどねー。ちょっと遠い喫茶店に行くつもりだったんですよ」
「喫茶店?」
「昔1人で出かけた時に見つけたとこで、ちょっと狭いけどいいとこなんですよー」
「へェ・・・・」
「コーヒーも美味しいしワッフルも絶品。何より店主さんとの会話が楽しくて」
1人が好きな私が、
見つけた大事な場所。
「よく1人で行くのかい?」
「はい。何かあるとよく相談乗ってもらったり、お話ししに行ったり」
今日は、マルコさんのことを話そうと思ってた。
「血の繋がらないお母さん、って感じなんです」
「・・・・・・わかるよい」
「あ、でも別にだからって落ち込んではおりませんので!」
「・・・・・・馬鹿、だねい」
「・・・・・うぐぅ」
マルコさんはそれきり何処かへ行ってしまって、
私も落ち込んでる場合じゃないんだ仕事なんだとパソコンに向かうこと数分。
「休憩、しろよい」
カタ、と静かに置かれたティーカップ。
美味しそうなコーヒーの匂い。
「ま・・・・・マルコさぁぁぁん・・・!」
「落ち込んでる時に無理して笑うんじゃねェよい」
「・・・・・・う・・・・ハイ」
あーあ、と俯いた私の頭に、
ぽん、と大きなものが乗せられた。
「落ち込んだ時は励ますくらい・・・してやるから、よい」
「・・・・・・・・・ありがとう、ございます」
見上げた時のマルコさんの顔が優しくて。
・・・・・・・・・この人本当に海賊なんだろうかと思った。
+大丈夫、と 終+
落ち込んだりとか、
傷ついたりとはかしないけど。
ましてや、泣くなんてことは。
・・・・・・・・・・絶対、ない。
たいしたことじゃないもんね、
仕事のミスなんて!!
「うぇぇぇぇい・・・・ただいまですー」
「・・・・落ち込んでるねい」
「いいえ!断じて落ち込んでなどおりませぬ!」
何故バレた!
いやいや、マルコさんには心配かけまいと即効で誤魔化してみたんだけど、
「何処がだよい」
マルコさんの立派なツッコミに、がっくりと肩を落とした。
「・・・・・・こっ、こんなことで落ち込む私では・・・!!」
「何があったんだよい」
「・・・・・・・・し・・・仕事でちょっとミスりまして、大惨事にげふんごふん」
「大惨事、ねェ」
「でっでもその分はちゃんと収拾つけましたから!」
自分のミスは自分で何とかする!
大人として!
「うちの奴らに聞かせてやりてェよい」
「へ?」
「暴れるだけだからよい、あいつら」
「へーそうなんですねー」
海賊だしそんなもんじゃないのか、と思ってたけどそうでもないらしい。
海賊の世界も意外と大変だ。
・・・・まあ、マルコさんが真面目だっていうのもあると思うけど。
「そんなことより、飯食うだろい?」
「え?」
「作っておいたよい」
「ま・・・・マジですかぁぁぁ!!!」
実は今日の夕飯どうしようと思っていたとこ。
冷凍食品は底を尽きたし、
冷凍食品半額セールはまだだし、
かといって定価のお弁当には手出せないし!
「冷蔵庫のモン勝手に使わせてもらったよい」
「全然オッケイですぅぅ!有り難う御座います!」
私、大喜び。
2人で配膳して、
「いただきまっす!」
マルコさんが作ってくれたマーボー茄子とサラダを食す。
ああ・・・・優しい辛さが沁みるよ・・・!
「はああ・・・悲しみに囚われた心に沁みますぅぅ」
「やっぱり気にしてたんじゃねェかい」
「あ」
言っちゃった。
マルコさんの料理の美味しさに思わずぽろっと。
「・・・・・・・はい、気にしてました」
「なら最初っからそう言えよい」
「うぅ・・・・はーい」
呆れ気味のマルコさんは、
それでもその後何も聞こうとはしなかった。
・・・・・・・・・・優しい、なあ。
「あ、そういえば私明日の休み出掛けるんですけど大丈夫ですか?」
「・・・・・・・・アコ」
「はい」
「俺をいくつだと思ってんだい?」
「あー・・・立派なおっさんで海賊さんですね。・・・すみませんでした」
「確かに俺ぁこっちの世界では赤子同然かもしれねェが」
「いやいや、赤子はこんな美味しいご飯作れませんて」
だから、心配ないのは・・・わかってるんだけど。
「飯作れるくらいじゃ威張れねェよい」
と困ったように苦笑するマルコさんに、
何とかこの気持ちを伝えたい。
「や、何と言うかですねー・・・うーん、その・・・精神的に?」
「精神的?」
「・・・・・・・・・寂しいんじゃ、ないかと」
控えめにぽつりと言ったらマルコさんは目を丸くして、
面食らったような顔。
私は慌てて、
「ああああ!ごめんなさい!余計なお世話ですねハイ!」
フォローしてみたけど時既に遅し。
ああ、恥ずかしい!
「・・・・・・・アコ」
ぐ、と険しい顔になったマルコさんに次はどう謝ろうかと思っていたら、
「・・・・・・く、くくっ、はははっ!」
俯いたマルコさんから聞こえてきたのは笑い声。
「・・・・・・・ま、まるこさーん?」
「まさかそんなことを言われようとは思わなかったよい・・・ははっ」
「いやいや確かにね?おっさんだし海賊の人に言うことじゃないのはわかってますよ?」
「やっぱり子供扱いじゃねェかい」
「・・・・・・・・・・そんなこと、ないですよぅ」
子ども扱いじゃない。
ただ、
「大人だって・・・寂しいって思う時あるじゃないですか」
「・・・・・・・・まあ、ねい」
マルコさんは、ただでさえ知らない世界で、
仲間どころか知り合いもないなくて。
心の準備も何もないうちに、来ちゃって。
・・・・・・・・帰り方だってまだ、わからないのに。
不安で仕方ないはず、なのに。
それなのに長い間1人にさせてしまったら、と思うと。
胸が苦しくなる。
「まるで年下の母親が出来た気分だよい」
「お母さんって呼んでもいいですよ!」
「絶対嫌だよい」
「・・・・・・・・・ですよねー」
私だって嫌だ。
家事が苦手な母親なんて。
「とにかく・・・・・よい」
「・・・・・はい」
「人の世話焼いてる場合じゃねェだろい?」
「と、申しますと?」
「出掛けるんだろい?準備しなくていいのかい」
「・・・・・・・お父さん」
「やめろよい!!」
かっと必死なマルコさんが面白くて笑ったら、
マルコさんも気まずさそうに笑った。
「・・・・・どうぞお構いなく」
「・・・・・・・・落ち込んでるんだろい?」
「ぜーんぜん大丈夫ですよお、あははは!」
「・・・・・・・ったく」
翌日、私は泣きながらパソコンに向かっていた。
「ホントに、たいした用事でも・・・なかったですし・・・ハイ」
「でも楽しみにしてたんだろい?」
「・・・・・別に今日じゃなきゃいけない訳じゃなかったので、大丈夫ですよー」
頑張って笑顔を作ってみるけど、
マルコさんには通用しなかったらしい。
・・・・昨日私がやらかした大惨事。
収まってはいなかったらしい。
仕方なく家で仕事することになってしまった。
「男、かい?」
「だったら良かったんですけどねー。ちょっと遠い喫茶店に行くつもりだったんですよ」
「喫茶店?」
「昔1人で出かけた時に見つけたとこで、ちょっと狭いけどいいとこなんですよー」
「へェ・・・・」
「コーヒーも美味しいしワッフルも絶品。何より店主さんとの会話が楽しくて」
1人が好きな私が、
見つけた大事な場所。
「よく1人で行くのかい?」
「はい。何かあるとよく相談乗ってもらったり、お話ししに行ったり」
今日は、マルコさんのことを話そうと思ってた。
「血の繋がらないお母さん、って感じなんです」
「・・・・・・わかるよい」
「あ、でも別にだからって落ち込んではおりませんので!」
「・・・・・・馬鹿、だねい」
「・・・・・うぐぅ」
マルコさんはそれきり何処かへ行ってしまって、
私も落ち込んでる場合じゃないんだ仕事なんだとパソコンに向かうこと数分。
「休憩、しろよい」
カタ、と静かに置かれたティーカップ。
美味しそうなコーヒーの匂い。
「ま・・・・・マルコさぁぁぁん・・・!」
「落ち込んでる時に無理して笑うんじゃねェよい」
「・・・・・・う・・・・ハイ」
あーあ、と俯いた私の頭に、
ぽん、と大きなものが乗せられた。
「落ち込んだ時は励ますくらい・・・してやるから、よい」
「・・・・・・・・・ありがとう、ございます」
見上げた時のマルコさんの顔が優しくて。
・・・・・・・・・この人本当に海賊なんだろうかと思った。
+大丈夫、と 終+