鏡花水月、のように
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・・・・・人は幸せに慣れてしまうものだなと。
しみじみ思う。
慣れちゃ駄目だ。
身近にある幸せを感じて、
感謝しないと。
・・・・・・わかってるんだけど。
大丈夫。
マルコさんが側に居てくれることは当たり前じゃない。
大事なこと。
この間風邪ひいたときだって思ったじゃないか。
・・・・・・・なのに。
私は最悪だ。
「今度は何だい」
「はい?」
マルコさんがお仕事から戻って来た。
「また厄介なこと考えてるって顔に書いてあるよい」
「・・・・・失礼な」
「ホントのことだろい?」
「別にたいしたこと考えてないですよぅ。ただ幸せを忘れちゃいけないなって」
「・・・・大層なこと考えてんじゃねェかよい」
「そうですか?ところでマルコさん、お話し長かったですね」
「・・・・ああ、そのことなんだがよい」
「何でしょう」
マルコさんが気まずさげに切り出した。
「来週から俺は居なくなる」
「・・・・・・・・・・・・・おっしゃってる意味が、よく」
わからないんですが。
マルコさんはあくまで普通の顔で、
「この部屋はしばらく1人で使えよい」
「説明を求めます何分何時間でもっ!!!」
「・・・・いいから話しを聞けよい。任務なんだい」
「任務、ですか?」
「今俺達は行ったことのねェ島に向かってる」
「はあ」
「そこがどんな島でどんな人間がいて、食い物があるのかを見て来るんだよい」
「・・・・・マルコさんが?」
「島が近づいてる、飛べばそんなに距離はねェ」
「・・・・・・・・・・・島の下見の任務?」
「よい」
「それだ」
「・・・・・おい」
島の下見の任務。
そう聞いてピンと来てしまった。
「それ私も一緒にっ」
「駄目に決まってんだろい」
行きたいです、と最後まで言わせてもらうことすら出来なかった。
速攻拒否。
「何でですか!?」
「人の話しを聞けって言ってるだろい?行くのは知らない島だ、情報もねェ」
「聞きましたそれは」
「危険か安全かもわからねェとこに連れていけるかってんだい」
あーなるほどそういうことか。
「私は無問題です」
「問題大アリだって言ってんだい」
「スリル満点の島デートっ」
そう口にした瞬間、頭にごつんと軽い衝撃。
「任務だって言ってるだろい」
「・・・・すみません」
「その島が安全ならいずれ行く、それで我慢しろよい」
「・・・・・・・・・デート」
「・・・・アコ」
「・・・・・・・ですよね。すみませんでした」
ふぅ、と息を吐いて自分を落ち着かせる。
これ以上我が儘言ったら駄目だ。
マルコさんだって疲れてるんだし。
これ以上呆れられたくもない。
「いやに諦めがいいねい」
「・・・・・えええええ」
めっちゃ疑いの目で見られてる。
もしかしてこっそりついて行こうとしてるとか思ってるのかしら。
「学習した、って訳でもねェだろい?」
「いや確かに私馬鹿ですけどね!?酷くないですかさすがに!?」
ちょっと口答えしたら、
両頬をむにぃ、と摘ままれた。
「ふぁんへふは!?」
「白状しろよい」
「へえええええ!?」
「何考えてんのか今のうちに白状しろい、アコ」
「ふぇふにふぁひも・・・・」
「別に何も、だぁ?どの顔で言ってんだよい」
あんたがさせてるんだよ!!
とツッコミは置いておいて。
「・・・・・・・・ひはあえが」
「・・・幸せが?」
って何で私が言ってることわかるんですかねこの人!
すごい!
でもさすがに話しづらいと判断したらしく、
ぱっと手が離れた。
「・・・・幸せが、足りなくて」
「明確に話せよい」
「・・・・・・・・今までは側に居るだけで幸せだったのに、もっともっとって思うんです」
側に居るだけじゃ物足りなくなった。
デートがしたい。
2人で出かけて、特別なことがしたい。
もっと一緒に笑いたい。
もっと、近くに。
・・・・・・なんて、ワガママな私。
自分で自分が嫌になる。
マルコさんと会うことすら出来なかった頃を思えば、
いつでも会えること、顔が見られること。
話しが出来ること。
・・・・隣で、笑えること。
それだけで幸せなはずなのに。
「・・・・・ごめんなさい」
「・・・・ホントにアコかい?」
むに。
再びつねられた。
「・・・・わはひへふへほ」
私ですよ。間違いなく。
じぃっと見つめて来るめは疑いの目。
「らしくねェこと言うねい」
「・・・・・落ち込んでるって言ったらキスしてくれます?」
躊躇なく手が離れた。
「間違いねェ、アコ本人みたいだよい」
「・・・・ですって」
くつくつと笑い声。
「アコはもっと海賊らしいと思ってたよい」
「・・・・はい?」
「欲張りでいいんじゃねェのかい」
「・・・いい、ですか?」
「人間なんてそんなもんだろい」
・・・・マルコさんの言葉が、すとんと心に落ちた。
ので。
ぎゅう。
マルコさんの鍛えられた身体にしがみついた。
「・・・・あー余計なこと言っちまったかねい、俺は」
「連れてってください」
「言っただろい?危険なんだよい」
「マルコさんが居ない方が危険ですよ!色んな意味で!」
「・・・・・・俺を脅すつもりかい?」
「それで連れて行ってくれるなら!」
「・・・・アコ」
見なくてもわかる、困った顔してることが。
「デートなんて甘いことは言いません、でももうマルコさんと離れたくないんですぅぅぅ!!!」
必死の懇願。
少しの沈黙の後マルコさんは、
「実を言えばオヤジの許可は出てる」
「お父様!!!」
「・・・・・行きたいかい、どんな所でも」
「行きたいです!!」
「恐竜がいても?」
「見てみたい!」
「骸骨がいても?」
「骨折させます!」
「・・・・・・絶対俺から離れねェと誓えるかい?」
「誓います・・・・絶対」
マルコさんは小さくはぁ、と息を吐き。
「来週までに準備しておけよい」
「・・・・・・・マルコさん大好きっ」
もっともっと、
幸せを望んでも。
・・・・・いいですか?
+もっと、もっと 終+
しみじみ思う。
慣れちゃ駄目だ。
身近にある幸せを感じて、
感謝しないと。
・・・・・・わかってるんだけど。
大丈夫。
マルコさんが側に居てくれることは当たり前じゃない。
大事なこと。
この間風邪ひいたときだって思ったじゃないか。
・・・・・・・なのに。
私は最悪だ。
「今度は何だい」
「はい?」
マルコさんがお仕事から戻って来た。
「また厄介なこと考えてるって顔に書いてあるよい」
「・・・・・失礼な」
「ホントのことだろい?」
「別にたいしたこと考えてないですよぅ。ただ幸せを忘れちゃいけないなって」
「・・・・大層なこと考えてんじゃねェかよい」
「そうですか?ところでマルコさん、お話し長かったですね」
「・・・・ああ、そのことなんだがよい」
「何でしょう」
マルコさんが気まずさげに切り出した。
「来週から俺は居なくなる」
「・・・・・・・・・・・・・おっしゃってる意味が、よく」
わからないんですが。
マルコさんはあくまで普通の顔で、
「この部屋はしばらく1人で使えよい」
「説明を求めます何分何時間でもっ!!!」
「・・・・いいから話しを聞けよい。任務なんだい」
「任務、ですか?」
「今俺達は行ったことのねェ島に向かってる」
「はあ」
「そこがどんな島でどんな人間がいて、食い物があるのかを見て来るんだよい」
「・・・・・マルコさんが?」
「島が近づいてる、飛べばそんなに距離はねェ」
「・・・・・・・・・・・島の下見の任務?」
「よい」
「それだ」
「・・・・・おい」
島の下見の任務。
そう聞いてピンと来てしまった。
「それ私も一緒にっ」
「駄目に決まってんだろい」
行きたいです、と最後まで言わせてもらうことすら出来なかった。
速攻拒否。
「何でですか!?」
「人の話しを聞けって言ってるだろい?行くのは知らない島だ、情報もねェ」
「聞きましたそれは」
「危険か安全かもわからねェとこに連れていけるかってんだい」
あーなるほどそういうことか。
「私は無問題です」
「問題大アリだって言ってんだい」
「スリル満点の島デートっ」
そう口にした瞬間、頭にごつんと軽い衝撃。
「任務だって言ってるだろい」
「・・・・すみません」
「その島が安全ならいずれ行く、それで我慢しろよい」
「・・・・・・・・・デート」
「・・・・アコ」
「・・・・・・・ですよね。すみませんでした」
ふぅ、と息を吐いて自分を落ち着かせる。
これ以上我が儘言ったら駄目だ。
マルコさんだって疲れてるんだし。
これ以上呆れられたくもない。
「いやに諦めがいいねい」
「・・・・・えええええ」
めっちゃ疑いの目で見られてる。
もしかしてこっそりついて行こうとしてるとか思ってるのかしら。
「学習した、って訳でもねェだろい?」
「いや確かに私馬鹿ですけどね!?酷くないですかさすがに!?」
ちょっと口答えしたら、
両頬をむにぃ、と摘ままれた。
「ふぁんへふは!?」
「白状しろよい」
「へえええええ!?」
「何考えてんのか今のうちに白状しろい、アコ」
「ふぇふにふぁひも・・・・」
「別に何も、だぁ?どの顔で言ってんだよい」
あんたがさせてるんだよ!!
とツッコミは置いておいて。
「・・・・・・・・ひはあえが」
「・・・幸せが?」
って何で私が言ってることわかるんですかねこの人!
すごい!
でもさすがに話しづらいと判断したらしく、
ぱっと手が離れた。
「・・・・幸せが、足りなくて」
「明確に話せよい」
「・・・・・・・・今までは側に居るだけで幸せだったのに、もっともっとって思うんです」
側に居るだけじゃ物足りなくなった。
デートがしたい。
2人で出かけて、特別なことがしたい。
もっと一緒に笑いたい。
もっと、近くに。
・・・・・・なんて、ワガママな私。
自分で自分が嫌になる。
マルコさんと会うことすら出来なかった頃を思えば、
いつでも会えること、顔が見られること。
話しが出来ること。
・・・・隣で、笑えること。
それだけで幸せなはずなのに。
「・・・・・ごめんなさい」
「・・・・ホントにアコかい?」
むに。
再びつねられた。
「・・・・わはひへふへほ」
私ですよ。間違いなく。
じぃっと見つめて来るめは疑いの目。
「らしくねェこと言うねい」
「・・・・・落ち込んでるって言ったらキスしてくれます?」
躊躇なく手が離れた。
「間違いねェ、アコ本人みたいだよい」
「・・・・ですって」
くつくつと笑い声。
「アコはもっと海賊らしいと思ってたよい」
「・・・・はい?」
「欲張りでいいんじゃねェのかい」
「・・・いい、ですか?」
「人間なんてそんなもんだろい」
・・・・マルコさんの言葉が、すとんと心に落ちた。
ので。
ぎゅう。
マルコさんの鍛えられた身体にしがみついた。
「・・・・あー余計なこと言っちまったかねい、俺は」
「連れてってください」
「言っただろい?危険なんだよい」
「マルコさんが居ない方が危険ですよ!色んな意味で!」
「・・・・・・俺を脅すつもりかい?」
「それで連れて行ってくれるなら!」
「・・・・アコ」
見なくてもわかる、困った顔してることが。
「デートなんて甘いことは言いません、でももうマルコさんと離れたくないんですぅぅぅ!!!」
必死の懇願。
少しの沈黙の後マルコさんは、
「実を言えばオヤジの許可は出てる」
「お父様!!!」
「・・・・・行きたいかい、どんな所でも」
「行きたいです!!」
「恐竜がいても?」
「見てみたい!」
「骸骨がいても?」
「骨折させます!」
「・・・・・・絶対俺から離れねェと誓えるかい?」
「誓います・・・・絶対」
マルコさんは小さくはぁ、と息を吐き。
「来週までに準備しておけよい」
「・・・・・・・マルコさん大好きっ」
もっともっと、
幸せを望んでも。
・・・・・いいですか?
+もっと、もっと 終+