鏡花水月、のように
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「・・・・・素直に喜べない」
「何か言ったかよい」
「・・・・・・いえ何も」
デートのリベンジ、と島を散策。
に来たはいいけど。
マルコさんが手を繋いでくれた。
・・・・・そこまでは素直に嬉しかった。
んだけども。
『また迷子になられたら困るからねい』
・・・・の一言によって浮いた気持ちは見事に沈んで行った。
・・・・・子ども扱いですかそうですか。
・・・・まあ、子ども扱いでも。
いっか。
手を繋いでくれるなら。
ぱっと見恋人同士に見えなくもないはずだし!
「で、今日はどうするんだい」
「とりあえず美味しいものが食べたいですねー」
「・・・昨日もそう言ってたよい」
「乙女はいつでも美味しいものが食べたいんです!」
「乙女が喰いモンのことしか語らねェのかよい」
「・・・・・・・・乙女はいつでもお腹が空くんです」
げふんごふん。
「それで脱走出来たんですぅ、だったかい?」
「それはもう言わなくていいです!!」
恥ずかしい!!
昨日あったことをマルコさんに話した私のモノマネ。
妙に上手いところがすっごい恥ずかしい。
「・・・・・でも美味しくなかったから、マルコさんの作ったカレーが食べたいなって」
「・・・・そんなに不味かったのかよい」
「不味くはないけど美味しくもなかったんです」
「は、贅沢だねいアコは」
「贅沢にもなりますよ・・・マルコさんの作るご飯が美味しいせいで」
「俺のせいかよい」
「・・・・ですよ」
くつくつと嬉しそうに笑うマルコさんに1キュン。
「ま、確かに腹が減っちゃ戦は出来ねェよい」
と言いながらぐぅぅ、とお腹を鳴らすマルコさんに2キュン。
可愛すぎか!!
「まずご飯にしましょー!それからおやつ!」
「・・・・太るよい」
「その分歩きます!!」
「・・・・ったく、よい」
入ったお店で焼きそばを食す。
「・・・・・・・あれ」
「何だい」
「・・・・・いえ、その」
マルコさんが怪訝な顔で私を睨む。
「・・・・・言えよい」
「・・・思ってた味と違ってただけです、ハイ」
「要は美味くねェってことだねい」
「マルコさん婉曲表現って知ってます?」
「んなもん知らねェよい」
「マルコさん食べて見て下さい!」
自分の舌が不安なのでマルコさんに少し御裾分け。
マルコさんはそれを一口でぺろり。
そして、
「こんなもんだろい?特別美味くはねェが不味くもねェよい」
「・・・・・・・私の舌おかしくなったんでしょうか」
「・・・たまたまだろい」
「だと、いいんですけど」
それから軽く観光をして、
夕方には船に戻った。
マルコさんの仕事がまだ残ってるってことと、
昨日の今日で私のことを心配してくれてるらしい。
「・・・・って、あれ」
部屋に戻る気満々だったんだけど、ここは違う。
「あら、アコ。マルコ隊長も・・・どうされました?」
ここは医務室。
「不安なんだろい?一応診てもらえよい」
「マルコさん・・・・!!」
「俺は部屋に戻ってるよい」
嬉しいけど感動したけどやっぱり子供扱いされてる気がしないでもない。
「どうしたのアコ」
「アレクシスさぁぁん実は・・・・!!」
味覚がおかしいんです、と相談した。
「・・・・やだ、それってストレスとか?」
「ストレスなんて・・・・」
「マルコ隊長に振り向いてもらえないストレス」
「ないです。側に居てくれるだけで幸せなので」
会えなかった、あちらに居た時の方がストレス半端なかったと思う。
「・・・顔赤いわよアコ」
「・・・いやぁ、そんな」
「・・・・・・待って」
「え?」
「・・・・あれ、マルコさんそれ」
「ああ、腹が減ったんで適当に作ったモンだよい」
部屋に戻ったらマルコさんが美味しそうな焼きおにぎりを食べてた。
「・・・・・一口」
「・・・・食えよい」
「頂きます!」
呆れた顔で差し出された焼きおにぎりをぱくり。
「・・・めっちゃ美味しい」
「で、どうだったんだい診察の結果は」
「あー・・・・・・・・まだ」
「出たんだねい?」
何ですぐわかっちゃうのマルコさん怖い!!
「・・・・風邪だそうです」
「風邪?」
「で、味覚が変になってるらしいです」
そう言った瞬間ベッドに押し倒された。
「きゃあマルコさん大胆!」
「さっさと寝ろよい」
「あっでもご飯食べて薬飲まないと」
「・・・サッチに頼んで飯を」
「私今味覚が・・・・マルコさんが作ったやつなら」
マルコさんは舌打ちして、
「・・・・寝てろよい」
「はーい有難う御座いますっ」
出て行った。
・・・・マルコさんの料理だけ特別なのは、
やっぱり愛?
+美味しいものを 終+