鏡花水月、のように
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「来るよい、アコ」
「どんと来やがれってんです!」
「・・・・・・さすがにくっつき過ぎじゃねェかい」
「これくらいでいいんです!危険だから!」
「・・・で、何で笑ってんだよい」
ぎゅううう、っと腕を絡めた。
何だかんだいいながらマルコさんも離そうとしないところが嬉しい。
「てへ」
もうすぐ来るらしい。
赤い髪の人・・・シャンクスさんが。
何でもお父様に並ぶ強い海賊の1人なんだとか。
でもお父様も・・・・ここの人たちも皆いい人ばかりだから、
海賊で危険だと言われてもピンと来ないんだけど。
でもマルコさんが隣に居てくれたら絶対平気。
「とはいえ、覇気に当てられちゃ立ってはいられねェだろうよい」
「覇王色でしたっけ?」
「そうだい。赤髪の覇気は半端じゃねェからよい」
「気絶したら抱きしめて下さいね!」
「・・・・面倒だよい」
「とにかく気をしっかり持てばいいんですよね!」
「・・・・まあ、期待はしねェ」
その時ぴり、と肌が痛くなった。
「・・・・来たよい、アコ」
「・・・・・・・・マジすか」
周囲が異様にざわつき、
「えっ」
1人、2人と倒れて行くのが見えた。
「・・・あいつら次回からは駄目だねい」
「久しぶりだなァ、マルコ」
驚く私、冷静に呟くマルコさん。
そんな私たちの前に颯爽と現れた赤い髪の、人。
続いて何人かの強面の方々。
「・・・・見たい顔でもねェよい」
「だっはっは!相変わらずだな・・・と言いたいところだが」
赤い髪、無精ひげ。
黒いマントを羽織った、精悍なおじさま。
・・・・シャンクスさんが、じろりと私を見た。
「嫁さんをもらってたとは知らなかったな」
「初めましてアコと申しますいずれマルコさんの嫁になる女です!!」
勢い余った自己紹介。
シャンクスさんは数秒私を見つめて、
にィと笑った。
「よし!飲もう!」
「はい!?」
「本気にすんなよい赤髪!」
「そんな見せつけておいてそりゃないぜ。まあいいじゃねェか、飲もう」
にこにこと嬉しそうに私たちをお酒に誘う姿はただのおじさま。
「あの・・・・シャンクスさん?」
「ん?」
「今日は何をしに?」
「ああ、美味い酒が手に入ったんでどうかと思ってな」
・・・・・・・アレこの人さっきから酒のことしか話してなくない?
「グラララ、うちの可愛い娘にちょっかい出してくれるなよ赤髪ィ」
「ますます欲しくなったな、マルコうちにくれ」
んな・・・・・っ!!
「私からマルコさんを離すなんて許しませんよ!?」
「お嬢さんごとうちに来ればいい」
「行かねェよい。こいつも渡さねェ」
「・・・・だろうなァ」
がっかりした風でもなくシャンクスさんはあっさりそう言って、
お父様の前に座り込んだ。
「さあ白ひげ、乾杯だ」
「・・・・あァ、美味い酒を頼むぜ」
そして宴が、始まった。
「・・・・で、お嬢さんは一体何者だ?」
宴開始早々シャンクスさんは私に興味津々。
「マルコさんに恋するただの乙女です」
「モテモテだなぁマルコ」
羨ましいなーとほのぼの。
「うるせェよい」
「しかし・・・・ただ者じゃなさそうだ」
「・・・・それは俺も思ったよい」
まさかの言葉にマルコさんも同意した。
え、何で。
私ただ者ですけど。
「俺の覇気にびくともしなかった」
「あ、そういえば・・・・大丈夫だったみたいですね私」
言われてみて気づいた。
「2、3人倒れたヤツもいた。・・・・アコ、何も感じなかったのかい」
「肌がちょっと痛いかなって一瞬感じたくらいで、あとは何も」
「・・・・マルコ」
「やらねェよい」
え、何?
2人のよくわからない会話。
「でも何ででしょうね。マルコさんの側に居たから影響受けづらくなったとか?」
「・・・・そういうもんか?」
「聞いたことねェよい」
・・・・・あとは、考えたくないけど。
私が住む世界が・・・・違うから?
それって何かちょっと・・・・いやかなり寂しい。
「考えてることはだいたいわかるがよい、アコ」
「え、嘘」
「確実にそうだと決まった訳じゃねェんだ、落ち込む必要はねェだろい」
「・・・・マルコさん」
・・・・好き!!
「・・・・見せつけてくれんなァお2人さん」
「羨ましいかい?」
「羨ましくないと思うか?」
ところで、と言いながらシャンクスさんが私を見た。
あ、わかっちゃった。
「・・・私邪魔な感じですか?」
私が居たら大事な話しが出来ない、そんな雰囲気だ。
「美人な上に気が利く、いい嫁さんじゃねェかマルコ」
「悪いがこいつには離れるなと言ってあるんだよい」
「そっそうです!離れません!」
危ない!うっかりじゃあ私はこれで・・・って離れるところだった!
「アコ、って言ったか。ここからは混み入った話になる」
「お話しの腰を折るような真似は致しません、口もはさみません!忘れろとマルコさんがおっしゃるなら忘れます!」
「命に関わる危機だとしても?」
「むしろそんな大事な話しをないがしろにされる方が嫌です」
「アコはこういう女だからよい、諦めろい赤髪」
くつくつと笑うマルコさん。
シャンクスさんは、
「・・・・いいなあマルコ」
「いいだろい」
何だか恨めしそう?
「端的に言えば海軍が動き出した」
「・・・そうかい」
「で、アコは強いのか?」
「全然。むしろ一般人の中でも下の下かと」
「弱い女を側に置いておくほど酔狂じゃねェよい」
「ちょっ、マルコさん!!」
そんな秒でバレるような大嘘!
「・・・・アコ。真面目な話しだ、うちに来る気はないか?お前さんを気に入った」
・・・・真面目な顔のシャンクスさんに思わず心臓が大きく動いた。
でもそれはときめきとかそんな甘い物じゃなくて。
・・・怖いと、思った。
「・・・赤髪」
「そう睨むなマルコ。決めるのは彼女だろう」
「・・・たぶん、貴方のところに行ってもマルコさんは笑えませんから」
だから行きません。
本当は私の世界にマルコさんが居て、
マルコさんのことを好きになった時からちょっと思ってた。
マルコさんずっとこの世界に居ませんか?って。
言いたかった。
でもマルコさんは私の家じゃきっと心から笑えないから。
ここじゃないと、駄目だから。
だから私はここでマルコさんの側に居たいの。
「そうか、わかった」
大人しく頷いてくれたシャンクスさんにほっと肩を撫で下ろしたんだけども。
「今度は掻っ攫いに来よう」
さらっと危険なこと言ったこの人!
「・・・・やってみろよい」
「だっはっは、冗談だ。酔っぱらいの戯言さ」
そう言って笑った彼の目は、
笑ってなかった。
+真面目な話し 終+
「どんと来やがれってんです!」
「・・・・・・さすがにくっつき過ぎじゃねェかい」
「これくらいでいいんです!危険だから!」
「・・・で、何で笑ってんだよい」
ぎゅううう、っと腕を絡めた。
何だかんだいいながらマルコさんも離そうとしないところが嬉しい。
「てへ」
もうすぐ来るらしい。
赤い髪の人・・・シャンクスさんが。
何でもお父様に並ぶ強い海賊の1人なんだとか。
でもお父様も・・・・ここの人たちも皆いい人ばかりだから、
海賊で危険だと言われてもピンと来ないんだけど。
でもマルコさんが隣に居てくれたら絶対平気。
「とはいえ、覇気に当てられちゃ立ってはいられねェだろうよい」
「覇王色でしたっけ?」
「そうだい。赤髪の覇気は半端じゃねェからよい」
「気絶したら抱きしめて下さいね!」
「・・・・面倒だよい」
「とにかく気をしっかり持てばいいんですよね!」
「・・・・まあ、期待はしねェ」
その時ぴり、と肌が痛くなった。
「・・・・来たよい、アコ」
「・・・・・・・・マジすか」
周囲が異様にざわつき、
「えっ」
1人、2人と倒れて行くのが見えた。
「・・・あいつら次回からは駄目だねい」
「久しぶりだなァ、マルコ」
驚く私、冷静に呟くマルコさん。
そんな私たちの前に颯爽と現れた赤い髪の、人。
続いて何人かの強面の方々。
「・・・・見たい顔でもねェよい」
「だっはっは!相変わらずだな・・・と言いたいところだが」
赤い髪、無精ひげ。
黒いマントを羽織った、精悍なおじさま。
・・・・シャンクスさんが、じろりと私を見た。
「嫁さんをもらってたとは知らなかったな」
「初めましてアコと申しますいずれマルコさんの嫁になる女です!!」
勢い余った自己紹介。
シャンクスさんは数秒私を見つめて、
にィと笑った。
「よし!飲もう!」
「はい!?」
「本気にすんなよい赤髪!」
「そんな見せつけておいてそりゃないぜ。まあいいじゃねェか、飲もう」
にこにこと嬉しそうに私たちをお酒に誘う姿はただのおじさま。
「あの・・・・シャンクスさん?」
「ん?」
「今日は何をしに?」
「ああ、美味い酒が手に入ったんでどうかと思ってな」
・・・・・・・アレこの人さっきから酒のことしか話してなくない?
「グラララ、うちの可愛い娘にちょっかい出してくれるなよ赤髪ィ」
「ますます欲しくなったな、マルコうちにくれ」
んな・・・・・っ!!
「私からマルコさんを離すなんて許しませんよ!?」
「お嬢さんごとうちに来ればいい」
「行かねェよい。こいつも渡さねェ」
「・・・・だろうなァ」
がっかりした風でもなくシャンクスさんはあっさりそう言って、
お父様の前に座り込んだ。
「さあ白ひげ、乾杯だ」
「・・・・あァ、美味い酒を頼むぜ」
そして宴が、始まった。
「・・・・で、お嬢さんは一体何者だ?」
宴開始早々シャンクスさんは私に興味津々。
「マルコさんに恋するただの乙女です」
「モテモテだなぁマルコ」
羨ましいなーとほのぼの。
「うるせェよい」
「しかし・・・・ただ者じゃなさそうだ」
「・・・・それは俺も思ったよい」
まさかの言葉にマルコさんも同意した。
え、何で。
私ただ者ですけど。
「俺の覇気にびくともしなかった」
「あ、そういえば・・・・大丈夫だったみたいですね私」
言われてみて気づいた。
「2、3人倒れたヤツもいた。・・・・アコ、何も感じなかったのかい」
「肌がちょっと痛いかなって一瞬感じたくらいで、あとは何も」
「・・・・マルコ」
「やらねェよい」
え、何?
2人のよくわからない会話。
「でも何ででしょうね。マルコさんの側に居たから影響受けづらくなったとか?」
「・・・・そういうもんか?」
「聞いたことねェよい」
・・・・・あとは、考えたくないけど。
私が住む世界が・・・・違うから?
それって何かちょっと・・・・いやかなり寂しい。
「考えてることはだいたいわかるがよい、アコ」
「え、嘘」
「確実にそうだと決まった訳じゃねェんだ、落ち込む必要はねェだろい」
「・・・・マルコさん」
・・・・好き!!
「・・・・見せつけてくれんなァお2人さん」
「羨ましいかい?」
「羨ましくないと思うか?」
ところで、と言いながらシャンクスさんが私を見た。
あ、わかっちゃった。
「・・・私邪魔な感じですか?」
私が居たら大事な話しが出来ない、そんな雰囲気だ。
「美人な上に気が利く、いい嫁さんじゃねェかマルコ」
「悪いがこいつには離れるなと言ってあるんだよい」
「そっそうです!離れません!」
危ない!うっかりじゃあ私はこれで・・・って離れるところだった!
「アコ、って言ったか。ここからは混み入った話になる」
「お話しの腰を折るような真似は致しません、口もはさみません!忘れろとマルコさんがおっしゃるなら忘れます!」
「命に関わる危機だとしても?」
「むしろそんな大事な話しをないがしろにされる方が嫌です」
「アコはこういう女だからよい、諦めろい赤髪」
くつくつと笑うマルコさん。
シャンクスさんは、
「・・・・いいなあマルコ」
「いいだろい」
何だか恨めしそう?
「端的に言えば海軍が動き出した」
「・・・そうかい」
「で、アコは強いのか?」
「全然。むしろ一般人の中でも下の下かと」
「弱い女を側に置いておくほど酔狂じゃねェよい」
「ちょっ、マルコさん!!」
そんな秒でバレるような大嘘!
「・・・・アコ。真面目な話しだ、うちに来る気はないか?お前さんを気に入った」
・・・・真面目な顔のシャンクスさんに思わず心臓が大きく動いた。
でもそれはときめきとかそんな甘い物じゃなくて。
・・・怖いと、思った。
「・・・赤髪」
「そう睨むなマルコ。決めるのは彼女だろう」
「・・・たぶん、貴方のところに行ってもマルコさんは笑えませんから」
だから行きません。
本当は私の世界にマルコさんが居て、
マルコさんのことを好きになった時からちょっと思ってた。
マルコさんずっとこの世界に居ませんか?って。
言いたかった。
でもマルコさんは私の家じゃきっと心から笑えないから。
ここじゃないと、駄目だから。
だから私はここでマルコさんの側に居たいの。
「そうか、わかった」
大人しく頷いてくれたシャンクスさんにほっと肩を撫で下ろしたんだけども。
「今度は掻っ攫いに来よう」
さらっと危険なこと言ったこの人!
「・・・・やってみろよい」
「だっはっは、冗談だ。酔っぱらいの戯言さ」
そう言って笑った彼の目は、
笑ってなかった。
+真面目な話し 終+