鏡花水月、のように
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「赤い髪の人?」
「赤髪だ」
「・・・・・はあ」
理由を聞いたところ、何やら赤い髪の人が来ることが原因らしい。
「いやでもそんな髪が赤いからって・・・・マルコさんだって頭パイナップ」
こつん、と頭に拳が当てられた。
「赤髪も海賊だよい」
「・・・・・・その人が危険なんですか?」
「ある意味で最も危険だよい」
・・・・そんなに?
ってかある意味ってどんな意味なんだ。
気になるじゃないか!!
「で、エース君の部屋なら見つかりづらい場所にあるからってことですよね」
「そういうことだい」
「そんな人が何しに来るんですか?」
「ホントのトコはオヤジにしかわからねェ。・・・・とはいえ」
「とはいえ?」
不意にマルコさんが、はああ、と深いため息。
え、これ私にじゃないよね?
「宴になることは確実だよい」
「・・・・いいじゃないですか宴」
「ただでさえ面倒だってのにそこにアコが居たら更に面倒になるだろい」
「適当に愛想ふりまいとけばいいってもんでもないんですかね」
「愛想なんかふりまいたら余計に駄目だい」
・・・・・そうなの?
「じゃあ冷たくする?」
「それも却下」
「何で!」
「アコは何をしても面白いとか言われそうだからよい」
「・・・・・・・・・意味がわかりません」
「とにかくヤツに会せる訳にいかねェんだよい」
「具体的に私にどんな被害が?」
「それがわかってんなら側に置いておいたほうが安全だい」
・・・・・そんなに訳わかんない人なのか。
「えー・・・・会ってみたい」
「おい」
マルコさんの眉間に皺が増えた。
ああ、怒ってる怒ってる。
「宴するんなら敵じゃないんですよね?」
「敵だよい」
「・・・・・敵なんですか?」
敵なのに宴するの?
・・・・・こっちの世界では普通なのかなと思いきや、
マルコさんが思いっきり嫌そうな顔してるから何か特別な理由でもあるのかもしれない。
「わかったら大人しくエースの部屋に行ってくれるねい?」
「・・・・その日だけなら」
ホントは嫌だけど。
会いたいけど赤い髪の人に。
「慣れってのがあるだろい」
「う・・・」
「こっそり出て戻る時うっかり俺の部屋に戻ろうとして見つかったどうする?」
「・・・・・・・・・むー」
「アコ」
押さえつけられるように名前を呼ばれた。
「ちなみにその時当然マルコさんは宴に」
「出るよい」
「・・・・出るんだ」
「・・・・飯はたまに持って行く」
「そこからバレる」
「んなヘマしねェよい」
「とか言って」
「しねェよい!!」
・・・・マルコさんは断固譲らない気らしい。
「・・・・赤い髪の人のお名前は?」
「・・・シャンクス」
「シャンクスさんとの宴楽しそうだなー」
「ろくなもんじゃねェよい」
「でも私経験したことないですし」
「しなくていい」
「お父様は何と!?」
ここで初めてマルコさんが一瞬黙った。
「・・・・・・アコの好きにしろって言ってるよい」
「私の勝ち!!」
ぶい、とピースを出したらマルコさんが引き攣った笑みを浮かべた。
「・・・・・・よぉーくわかったよい」
「・・・・・マルコさん?」
「後悔するなよい」
「・・・・・え」
「エースの部屋には行かせねェ。宴にも連れて行く」
「やったー!!」
「当日俺の側から離れることは許さねェ」
「はいっ離れません!!」
「赤髪に掻っ攫われねェようにしろよい」
「攫われませんよ、マルコさん以外の人になんか」
何処の誰だろうと。
どんなに強かろうと。
「それにもし掻っ攫われても、手を伸ばしたらマルコさんが引っ張ってくれますもん。ね」
「・・・・・・・敵わねェよい、アコには」
呆れた笑みのマルコさんが、
愛おしくて。
思わずぎゅっと抱き着いた。
+思わず 終+