鏡花水月、のように
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「馬鹿じゃないかと思うんですよ私」
「自分がかい?」
「・・・・・マルコさんだってそう思いませんか!?」
「言いたいことはわからないでもねェがよい・・・・」
どうでもいい、と言わんばかりにマルコさんがそっぽを向いた。
私の手元にある本。
読めないのでマルコさんに読んでもらってたんだけど。
・・・・・この本、ナースさん達の間ですごく噂になってる本で。
面白いから読んでみて、とアレクシスさんが貸してくれたもの。
で、これが完璧な恋愛モノで、
マルコさんがこれを読んでる時の顔が面白くて最高のひと時だった訳ですが。
今開いてるページの出来事に私が文句をつけて口論なった。
「ほうれんそうわかります?」
「馬鹿にすんない、嫌いじゃねェよい」
「草じゃないですよ」
「・・・・・じゃあ何だよい」
「報告連絡相談」
「それが何だってんだい」
「このカップルにはこれが足りない!!」
「・・・・・・そうかい?」
私は納得いってない。
「でもマルコさんとかやりそうですよねこの男と一緒のこと」
「しねェよい」
今物語は佳境に入っている。
突然恋人の男に告げられた一方的な別れと、
冷たい言葉に傷つくヒロイン。
でもそれは仕方ない状況で悪の道に行かなければいけなくなった男が、
ヒロインを巻き込まないようにと思ってのこと。
・・・・なんだけど。
私にはそれが不服。
「っていうかヒロインも何で考えないんですかね、ちょっと考えればわかるでしょうに」
「考える余裕がねェんだろい」
「・・・・おお、なるほど。いやでも少し冷静になればわかりませんかね」
「俺に聞くなよい」
「私なら絶対納得しません」
「・・・だろうねい」
ふ、とマルコさんが笑った。
「・・・・マルコさんならどうします?この男の人と同じ状況になったら」
同じようにはしないと言い張ったマルコさんの考えが気になった。
「そもそもやりたくねェことはやらねェし、邪魔があるならぶっ倒すだけだい」
さすが・・・・!!
カッコイイ!!
「でも自分1人じゃどうしようもない状況になった時素直に仲間に助け求められます?」
「先を考えてその方がいいならそうするまでだろい」
「・・・・・・・なんか」
「・・・・何だよい」
胸にこみあげてくる、感情。
きゅううう、と心臓が締め付けられる。
「・・・・・・好きです。マルコさんのそういうとこ」
素直に尊敬する。
・・・・好きだなぁって実感する。
「当然のことだい」
と言いながら少し照れたように顔が赤いマルコさんに、
嬉しくなった。
・・・・・・・のに。
あんなこと言ってたくせに。
「説明を求めます」
「今した通りだい。言うことを聞け、アコ」
「っ私なら平気ですから!!」
「駄目だ・・・・・アコ」
ものすごい眼力で睨まれた。
・・・・・・・ある日突然、
何の脈絡もなくマルコさんが言った。
『この部屋から出て行ってもらうよい』
と。
理由としては、
忙しくて構ってやれないことと、それによってこれからの監視が難しくなるから。
・・・・・・だから、
エース君のお部屋に移れ、と。
「私が大人しくしてたら問題ないんですか?」
「・・・・もう決まったことだよい」
・・・・冷たい目。
冷たい言葉。
なるほど、これは確かに傷つくかもしれない。
普通ならね!
「私にも関わることですよね、それをマルコさんだけで決めちゃうのはどうかと」
・・・・と言うかマルコさんらしくない気がする。
「エースにはこれから言う」
「いやエース君じゃなくて!私!」
「・・・・これから1ヵ月は忙しくなるんだよい」
マルコさんはため息を吐きながらぽつりと言う。
「・・・・・1ヵ月の我慢てことですか?」
まあそういうことなら仕方ない?
「1ヵ月後・・・1日だけアコにはずっと部屋にいてもらうことになるよい」
「1日中!?」
「そん時にエースの部屋ならちょうどいいんだよい」
「・・・・・何がちょうどいいんですか?」
「詳しくは言えねェ。場合によっちゃそのままってこともある」
「・・・・・それが最善?」
「そうだい、納得しろよい」
・・・・・マルコさんのことは信じてるし、
言ってることはわからなくもないけど。
「やっぱ詳しく聞かないと納得出来ないです」
きっぱり言い切った私に、
マルコさんは面倒くさそうな顔で。
「・・・・・・・・面倒くせェ女は嫌いだよい」
・・・・・・・私に向かって言った。
さっきからもう、ぐさぐさと。
私今瀕死ですわよ!!
でもめげない。
こんなことでめげてらんないもんね!
「それって今までの私は好きだったってことですね!」
必殺、ポジティブ脳。
「・・・・・・・・・・・そうくるかい」
マルコさんは右手で頭を押さえて、
「だ・・・・大丈夫ですかマルコさん、頭痛い、とか?」
ちょっと心配になったんだけど、
「・・・・・っく」
「く・・・・?苦しいですか!?」
「く、ははは!!ったく、アコは・・・馬鹿だねい、ホントに」
マルコさん大爆笑。
しかも・・・馬鹿って・・・!!
・・・・っく、悔しいけど仕方ない!!
笑ってくれてるだけで何か嬉しくなっちゃった私の負けだ!!
「ば・・・馬鹿でいいんで・・・話し聞かせて下さい!違う最善も思いつくかもですよ!?」
「・・・そうだねい、アコはそういう女だったよい」
マルコさんはまだ笑いながらそう言って、
私の頭をくしゃくしゃ、とした。
「そういうところ、好きだよい」
「・・・・・・・・ぁ」
・・・・・・・その、笑顔が。
・・・・・・また好きにさせるんだよチクショウ。
+また好きに 終+
「自分がかい?」
「・・・・・マルコさんだってそう思いませんか!?」
「言いたいことはわからないでもねェがよい・・・・」
どうでもいい、と言わんばかりにマルコさんがそっぽを向いた。
私の手元にある本。
読めないのでマルコさんに読んでもらってたんだけど。
・・・・・この本、ナースさん達の間ですごく噂になってる本で。
面白いから読んでみて、とアレクシスさんが貸してくれたもの。
で、これが完璧な恋愛モノで、
マルコさんがこれを読んでる時の顔が面白くて最高のひと時だった訳ですが。
今開いてるページの出来事に私が文句をつけて口論なった。
「ほうれんそうわかります?」
「馬鹿にすんない、嫌いじゃねェよい」
「草じゃないですよ」
「・・・・・じゃあ何だよい」
「報告連絡相談」
「それが何だってんだい」
「このカップルにはこれが足りない!!」
「・・・・・・そうかい?」
私は納得いってない。
「でもマルコさんとかやりそうですよねこの男と一緒のこと」
「しねェよい」
今物語は佳境に入っている。
突然恋人の男に告げられた一方的な別れと、
冷たい言葉に傷つくヒロイン。
でもそれは仕方ない状況で悪の道に行かなければいけなくなった男が、
ヒロインを巻き込まないようにと思ってのこと。
・・・・なんだけど。
私にはそれが不服。
「っていうかヒロインも何で考えないんですかね、ちょっと考えればわかるでしょうに」
「考える余裕がねェんだろい」
「・・・・おお、なるほど。いやでも少し冷静になればわかりませんかね」
「俺に聞くなよい」
「私なら絶対納得しません」
「・・・だろうねい」
ふ、とマルコさんが笑った。
「・・・・マルコさんならどうします?この男の人と同じ状況になったら」
同じようにはしないと言い張ったマルコさんの考えが気になった。
「そもそもやりたくねェことはやらねェし、邪魔があるならぶっ倒すだけだい」
さすが・・・・!!
カッコイイ!!
「でも自分1人じゃどうしようもない状況になった時素直に仲間に助け求められます?」
「先を考えてその方がいいならそうするまでだろい」
「・・・・・・・なんか」
「・・・・何だよい」
胸にこみあげてくる、感情。
きゅううう、と心臓が締め付けられる。
「・・・・・・好きです。マルコさんのそういうとこ」
素直に尊敬する。
・・・・好きだなぁって実感する。
「当然のことだい」
と言いながら少し照れたように顔が赤いマルコさんに、
嬉しくなった。
・・・・・・・のに。
あんなこと言ってたくせに。
「説明を求めます」
「今した通りだい。言うことを聞け、アコ」
「っ私なら平気ですから!!」
「駄目だ・・・・・アコ」
ものすごい眼力で睨まれた。
・・・・・・・ある日突然、
何の脈絡もなくマルコさんが言った。
『この部屋から出て行ってもらうよい』
と。
理由としては、
忙しくて構ってやれないことと、それによってこれからの監視が難しくなるから。
・・・・・・だから、
エース君のお部屋に移れ、と。
「私が大人しくしてたら問題ないんですか?」
「・・・・もう決まったことだよい」
・・・・冷たい目。
冷たい言葉。
なるほど、これは確かに傷つくかもしれない。
普通ならね!
「私にも関わることですよね、それをマルコさんだけで決めちゃうのはどうかと」
・・・・と言うかマルコさんらしくない気がする。
「エースにはこれから言う」
「いやエース君じゃなくて!私!」
「・・・・これから1ヵ月は忙しくなるんだよい」
マルコさんはため息を吐きながらぽつりと言う。
「・・・・・1ヵ月の我慢てことですか?」
まあそういうことなら仕方ない?
「1ヵ月後・・・1日だけアコにはずっと部屋にいてもらうことになるよい」
「1日中!?」
「そん時にエースの部屋ならちょうどいいんだよい」
「・・・・・何がちょうどいいんですか?」
「詳しくは言えねェ。場合によっちゃそのままってこともある」
「・・・・・それが最善?」
「そうだい、納得しろよい」
・・・・・マルコさんのことは信じてるし、
言ってることはわからなくもないけど。
「やっぱ詳しく聞かないと納得出来ないです」
きっぱり言い切った私に、
マルコさんは面倒くさそうな顔で。
「・・・・・・・・面倒くせェ女は嫌いだよい」
・・・・・・・私に向かって言った。
さっきからもう、ぐさぐさと。
私今瀕死ですわよ!!
でもめげない。
こんなことでめげてらんないもんね!
「それって今までの私は好きだったってことですね!」
必殺、ポジティブ脳。
「・・・・・・・・・・・そうくるかい」
マルコさんは右手で頭を押さえて、
「だ・・・・大丈夫ですかマルコさん、頭痛い、とか?」
ちょっと心配になったんだけど、
「・・・・・っく」
「く・・・・?苦しいですか!?」
「く、ははは!!ったく、アコは・・・馬鹿だねい、ホントに」
マルコさん大爆笑。
しかも・・・馬鹿って・・・!!
・・・・っく、悔しいけど仕方ない!!
笑ってくれてるだけで何か嬉しくなっちゃった私の負けだ!!
「ば・・・馬鹿でいいんで・・・話し聞かせて下さい!違う最善も思いつくかもですよ!?」
「・・・そうだねい、アコはそういう女だったよい」
マルコさんはまだ笑いながらそう言って、
私の頭をくしゃくしゃ、とした。
「そういうところ、好きだよい」
「・・・・・・・・ぁ」
・・・・・・・その、笑顔が。
・・・・・・また好きにさせるんだよチクショウ。
+また好きに 終+