鏡花水月、のように
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「私マルコ隊長のこと好きだったのよ」
「え」
まさかの告白。
最近少し仲良くなったナースさん、
アレクシスさん。
ちなみに超が付く程の美人。
ここのナースさん皆美人だけどその中でもかなり上位に入るんじゃないだろうかと思う。
お父様のお話し相手になってる時に仲良くなったので、
2人でお茶中。
・・・・・の、衝撃発言。
「アコには言っておいた方がいいと思って」
「・・・・・告白したんですか?」
「しなかったけど。それに近いアプローチはしてたわ」
「そっそれでどうなりました!?」
「どうなったと思う?」
アレクシスさんはにっこりと微笑んだ。
「えぇー!!」
何その顔と言葉!
めっちゃ気になるんですけど!!
「気になる?」
「なりますよ!」
「正直ねぇ。どうもならなかったわよ」
アッサリと、つまらなさそうにアレクシスさんが言いきった。
・・・・よ、良かった。
「そう・・・なんですか?」
「そうよ。それこそ際どいアピールだって何回もしたわ」
「・・・それでも?」
「全然。オヤジに変化はないか仲間の怪我はどうだってそればっかり」
・・・・あーマルコさんらしい。
でもこんな美人でスタイル良くて優しいアレクシスさんですら相手にされないなんて。
・・・・・ちょっと絶望してきたかも。
「まさかアコに負けるなんて」
ぼそっとアレクシスさんが呟いた。
「え、私が何ですか?」
「アコみたいなコがタイプなのねマルコ隊長って」
「いやいやいやそんなことないと思いますよ!?」
「未練はないけどわかるわよ見てれば」
「・・・・・・・・ホントに?」
「あら、それはどっちのことかしら?」
「・・・・マルコさんの好みの話し」
「未練はどうでもいいのね?」
「良くないけど今1番気になるのはそっちです!!」
「・・・アコはそう思わないの?」
不思議そうなアレクシスさんに、少し考えた。
・・・・・だって。
「だってマルコさん私のこと帰そうとしてみるたいですし」
本当に私のこと好きでいてくれてるならそんなこと思わないのでは、と。
「好きだから帰そうとしてるんでしょう?」
「・・・・・普通逆じゃないです?」
「帰りたいなら勝手に帰れ、居たいなら好きにしろ邪魔はするな、そういう人よ」
「あ、でも私の場合はマルコさんが引っ張ったからって責任感じてると思いますし・・・!」
「そこよ」
どこよ。
キランとアレクシスさんの目が光った。
「アコだと知ってて腕を引っ張ったんでしょう?好きじゃないなら邪魔だって鏡割るくらいよ」
「・・・期待しちゃっていいんでしょうか」
「いいと思うわ」
アレクシスさんの微笑みに希望が見えた。
その瞬間、
「敵船発見!!」
の怒号。
「あらやだ。アコをマルコ隊長のところに連れて行かなきゃ」
「え、私はここでも」
「駄目よ。怒られちゃうわ私」
「という訳でお約束通り引き渡し完了。お願いしますねマルコ隊長」
「・・・・よい」
有無を言わさずマルコさんのところまで連れて行かれた。
船内はクルーの人たちがもっと慌ただしくしてると思いきやそうでもない。
「大丈夫なんですかマルコさん」
「主語を言えよい」
「・・・・えーっと、皆さんのんびりとされてるので」
「相手は小船。たまに居るんだよい、ルーキーには特にねい」
「マルコさんの出る幕じゃないってことですか?」
「そういうことだい。とは言え、戦闘にゃ違いねェ。いい機会だよい」
「ま・・・・っまさかマルコさん私を戦闘に!?」
出すおつもりで!?
「出す訳ねェだろい!?大人しくしてろい」
2人で大人しく部屋に入った。
「・・・・・・マルコさん指揮とか」
「今はアコの監視だよい」
「さすがに私だって戦闘中は大人しくしてますよぅ」
「気になるーとか言って外に出ようとするに決まってるからねい」
「・・・・よくおわかりで」
さすがマルコさん!
でもこれって部屋で2人きり。
アタックするチャンス!?
と、船が少し揺れて、パァンと銃声が響いた。
「始まったねい」
・・・・・ちょ、ちょっと見に行きたい。
「・・・・マルコさん」
「無駄だよい」
「・・・・ですよね。でもほら、退屈ですし」
「本ならあるよい」
「読めませんて」
「読んでやろうかい?」
「膝の上で?」
ノリで言ってみただけなんだけど、マルコさんが思いっきり馬鹿にしたような顔になった。
「少しは緊張感てもの持てってんだい、ったく」
・・・・アレクシスさんの言葉を胸に。
きゅ、とマルコさんの腕に自分の腕を絡めてみた。
「・・・こわーい」
「・・・・・何がだよい」
「・・・・・えーと、銃声が」
思いついたままやってみただけなのでうっかり
返答に迷ってしまった。
「そりゃ好都合だよい。そのまま大人しくしてろい」
「え、いいんですか?」
てっきり振り払われると思ってたのに。
「目の届かないところに行かれるよりマシだい」
・・・・・でもこれ、照れてもいないし。
どうでもいい、みたいな。
うーん・・・・・!!
そのままぽす、と頭をマルコさんの腕に預けてみた。
「・・・・アコ?」
「私が、捕まえました」
「・・・・どうしたんだい」
「私が捕まえたんです。・・・・離しません」
「アコ、」
私ばっかりが好きみたいで。
・・・・辛い片思い。
でも辛いだけなんて思わないから。
外から、
「祝杯だァー!!」
と声が聞こえた。
勝ったんだ。・・・っていうかもう終わったのか。
「・・・終わったみたいだよい」
「・・・・みたいですね」
「どうだい?初めての戦闘に立ち会った感想は」
「・・・マルコさんの戦いっぷりが見られなかったんでつまんなかったです」
なんて不謹慎かもしれないけど。
「ホントにアコは海賊に向いてるかもしれねェよい・・・・」
「ほんとですか?」
ぱっと顔を上げた。
「ああ」
「・・・・・・じゃあ、キスして下さい」
マルコさんの薄い目がかっと見開いた。
「・・・・脈絡がねェよい」
でもすぐにいつも通りに細められて。
怒ってるのか、いつも通りなのか。
全然わかんない。
「駄目・・・・ですか?」
初めてじゃない。
今までだってしたことあるのに。
「したら何か変わるのかい?」
「・・・・・・・っ変わるかもしれませんよ」
冷たい。
・・・・・・アレクシスさん、やっぱ駄目です。
私じゃ駄目です。
めげないけど。
「何が変わるか教えてもらおうかい」
「お姫様になります!」
「・・・・はァ?」
「戦えるお姫様になれるかもしれないじゃないですか!」
「・・・・・そりゃあねェだろい」
「マルコさんの馬鹿ー!!」
・・・・・・・・もう期待なんかしない。
でもとことん突き進んでやるんだから!!
+期待して 終+