鏡花水月、のように
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ぽかーん。
・・・・・って感じ。
こちらの世界に来て3日が過ぎた。
私は・・・・・・・何も出来ない。
故に暇なのである。
マルコさんは忙しそうだし、
私は部屋から無暗やたらに出ちゃいけないし。
・・・・いや出るけど。
その度にマルコさんにめっちゃ怒られるけど。
たまにエース君かサッチさんが来て話しをするけど、
マルコさんがやって来て連れて行っちゃうし。
・・・・・・家事が苦手、っていうのもあるけど。
もう既にここの人たちの役割があって、
私以外の人たちだけで成り立ってる船だから。
私が・・・・私1人が出来ることなんて、
それで役に立てることなんてない。
・・・・・・・・・料理は駄目だけど皿洗いのお手伝いくらいなら、と言ったんだけどサッチさんに笑顔で「大丈夫」
と断られ。
洗濯はものすごい数で、クリエルさんとやらにお手伝いを申し込んだものの、
「気持ちだけで十分」
とのこと。
じゃあ掃除、と思ったんだけど今1人で掃除させたら迷子になるだろい、とマルコさんから却下され。
・・・・・・・・・私、こっちじゃホント役立たずだわ。
ここまで駄目だとは思わなかった。
マルコさん曰く、
『俺のせいで来ただけだい、気にしねェでのんびりしろよい』
・・・・だそうで。
まあのんびりしろと言われれば喜んでのんびりしたいところだけど。
でもマルコさんを始め皆が何かしてるのに私だけ何もしないっていうのも。
・・・・・というか、することがないのもそれはそれで辛い。
前は1ヵ月くらい休み欲しいー!!
って思ってたんだけどなぁ。
したいのに、何も出来ないというジレンマ。
・・・・・別にマルコさんのせいじゃないし、思ってもいないし。
会えて嬉しい。
そう思ってるんだけど。
マルコさんは私に何かをさせてくれる気はなさそうだ。
・・・・・・・・・で、諦める私ではないんだけどね。
「・・・・・で、ご相談に伺った次第で御座います」
「グラララ・・・!!それならちょうどいい、俺の話し相手になってくれるか」
何度見ても大きいお父様。
今日は身体中に点滴のようなものをつけられていて、
周りには美人なナースさん達の姿。
「話し相手、ですか?」
「ナース達だけが話し相手じゃつまらねェのさ」
「あら、このコの話しなら私たちも興味ありますのよ船長」
美人ナースさんの視線が私に向けられた。
い・・・・・色っぽい!
「な・・・・何でしょう」
「何処から来たの?」
「ちょっと違うでしょ、その前にマルコ隊長の恋人って本当?」
「やっぱり2人きりになると優しいのかしら」
「どうやって口説いたの?あのマルコ隊長を」
・・・・ど、怒涛の勢い。
「えーと・・・鏡から来ましたアコと申します。マルコさんの恋人・・・・ではないです」
「あら、違うの?」
お姉さんがっかりしてるけど私だってがっかりだよ!
「・・・でもマルコさんはとても優しいです」
「・・・・あら。アコはマルコ隊長が好きなのね」
「はい、好きです」
・・・・だって、好きなんだもの。
嘘でも好きじゃないなんて言えない。
「グラララ・・・・!俺の息子をそんなに愛してくれて有難うよ・・・」
「応援して下さいますか!?」
「応援する必要があるならしてやるさァ」
・・・・・どういう意味だろう。
改めて聞こうと口を開いたところで、
「アコ!」
「あ」
・・・・まーるこさん。
お怒りの様子のマルコさんがドアを開けた。
「何度言ったらわかるんだよい!よりによってオヤジの部屋に・・・・!!」
わーお、これは相当お怒りだわ。
がっと腕を掴まれて、
「すまねェよいオヤジ。すぐ連れて行くよい」
連れて行かれそうになったところ、
「おいマルコ。アコは俺の話し相手だ、勝手に連れて行ってもらっちゃあ困るぜ」
「・・・アコがオヤジの?」
お父様に止められた。
何て素敵なお父様!
「連れて行きてェなら俺の許可をとんな」
「・・・・・連れて行くよい、オヤジ」
「グラララ・・・!連れていけ」
ぐい、とマルコさんに強く引っ張られた。
「ま、また来ていいですかお父様!」
「お前ェの仕事は俺の話し相手だろう、好きな時に相手してくれ」
「有難う御座いますー!!」
ぐいぐい引っ張られてマルコさんのお部屋まで連れて来られたところで、
「どういうことだよいアコ!」
・・・・怒られた。
「や、あのですね・・・することがないんですぅって言ったらお父様が話し相手になれ、と」
おっしゃって下さって。
「それを本気にすんなよい馬鹿。それと勝手に部屋を出たこともだい」
「・・・・・・だってマルコさん居ないし」
「・・・・だからって勝手に出るなって言ってるだろい?何かあってからじゃ遅ェんだよい」
「でもここマルコさんの仲間しか居ない船ですよね?」
「仲間だろうと居るのは海賊だよい。油断してたらすぐに喰われる」
「そしたらマルコさん呼びます」
「・・・・・・すぐに行けねェ時もあるんだよい」
「私だって素直にやられるような女じゃありません」
どんな手使ったって抵抗してやる。
「いい加減にしろよい、アコ」
「・・・・マルコさんがうちで料理とか片付けしてくれたように、私だって何かしたいんです」
私がここに居てもいいんだ、という理由が欲しい。
居場所、が欲しい。
だって私は、
「私はここに居たいから・・・・・っ」
今まで言えなかった思いの丈。
ついに言った。
・・・・・・ドキドキしながら、
マルコさんの反応を窺う。
「・・・・ここは、海賊の船だ」
「そうですね」
「ここがアコの居場所になれるとは思わねェんだよい」
難しい顔のマルコさん。
・・・・そういえばここ3日、あんまり見てなかったかも、笑顔。
「私は思ってますけど」
「アコの居た世界とは全然違うだろい?今はねェがそのうち戦闘だってある」
「いや流石にその時は部屋で大人しくしてますよ」
「そう言う問題じゃねェんだよい。・・・・それに、耐えられねェだろい」
あー・・・・・・・この人は本当に。
「じゃあ耐えられたら私ここに居てもいいですか?」
「ばっ馬鹿言ってんじゃねェよい!」
「駄目なんですか?私が聞きたいの、それなんです」
「・・・・それ、ってのぁ何のことだい」
ああ、もう!
「マルコさんの気持ちが知りたいんです!私の心配は置いておいて、私が隣に居ても嫌じゃないかってこと!」
マルコさんは本当に優しくて。
私のことばかり。
そういうとこも好きなんだけど!
マルコさんは変わらず難しい顔で私を見つめた後、
私の肩に手を添えて。
「わっ」
ぐっと、抱き寄せられた。
「嫌ならそもそも手を掴んだりしねェよい」
マルコさんの匂い、落ち着くなぁ。
・・・・幸せだ。
「じゃあ大丈夫ですね!これでオールオッケーです!」
「って、おい」
「私はここに居たい。マルコさんはオッケー。あとは戦闘に慣れれば完璧でっす」
「・・・・・・・・ほんとに変わらねェよい、アコは」
は、とマルコさんが自嘲気味に笑った。
「マルコさんも」
自分のことより私のことを考えてくれるところ。
・・・・変わってなくて、嬉しい。
「マルコさん、大好きですよ」
「・・・・知ってるよい」
あ、私の大好きな笑顔だ。
+ここに 終+
・・・・・って感じ。
こちらの世界に来て3日が過ぎた。
私は・・・・・・・何も出来ない。
故に暇なのである。
マルコさんは忙しそうだし、
私は部屋から無暗やたらに出ちゃいけないし。
・・・・いや出るけど。
その度にマルコさんにめっちゃ怒られるけど。
たまにエース君かサッチさんが来て話しをするけど、
マルコさんがやって来て連れて行っちゃうし。
・・・・・・家事が苦手、っていうのもあるけど。
もう既にここの人たちの役割があって、
私以外の人たちだけで成り立ってる船だから。
私が・・・・私1人が出来ることなんて、
それで役に立てることなんてない。
・・・・・・・・・料理は駄目だけど皿洗いのお手伝いくらいなら、と言ったんだけどサッチさんに笑顔で「大丈夫」
と断られ。
洗濯はものすごい数で、クリエルさんとやらにお手伝いを申し込んだものの、
「気持ちだけで十分」
とのこと。
じゃあ掃除、と思ったんだけど今1人で掃除させたら迷子になるだろい、とマルコさんから却下され。
・・・・・・・・・私、こっちじゃホント役立たずだわ。
ここまで駄目だとは思わなかった。
マルコさん曰く、
『俺のせいで来ただけだい、気にしねェでのんびりしろよい』
・・・・だそうで。
まあのんびりしろと言われれば喜んでのんびりしたいところだけど。
でもマルコさんを始め皆が何かしてるのに私だけ何もしないっていうのも。
・・・・・というか、することがないのもそれはそれで辛い。
前は1ヵ月くらい休み欲しいー!!
って思ってたんだけどなぁ。
したいのに、何も出来ないというジレンマ。
・・・・・別にマルコさんのせいじゃないし、思ってもいないし。
会えて嬉しい。
そう思ってるんだけど。
マルコさんは私に何かをさせてくれる気はなさそうだ。
・・・・・・・・・で、諦める私ではないんだけどね。
「・・・・・で、ご相談に伺った次第で御座います」
「グラララ・・・!!それならちょうどいい、俺の話し相手になってくれるか」
何度見ても大きいお父様。
今日は身体中に点滴のようなものをつけられていて、
周りには美人なナースさん達の姿。
「話し相手、ですか?」
「ナース達だけが話し相手じゃつまらねェのさ」
「あら、このコの話しなら私たちも興味ありますのよ船長」
美人ナースさんの視線が私に向けられた。
い・・・・・色っぽい!
「な・・・・何でしょう」
「何処から来たの?」
「ちょっと違うでしょ、その前にマルコ隊長の恋人って本当?」
「やっぱり2人きりになると優しいのかしら」
「どうやって口説いたの?あのマルコ隊長を」
・・・・ど、怒涛の勢い。
「えーと・・・鏡から来ましたアコと申します。マルコさんの恋人・・・・ではないです」
「あら、違うの?」
お姉さんがっかりしてるけど私だってがっかりだよ!
「・・・でもマルコさんはとても優しいです」
「・・・・あら。アコはマルコ隊長が好きなのね」
「はい、好きです」
・・・・だって、好きなんだもの。
嘘でも好きじゃないなんて言えない。
「グラララ・・・・!俺の息子をそんなに愛してくれて有難うよ・・・」
「応援して下さいますか!?」
「応援する必要があるならしてやるさァ」
・・・・・どういう意味だろう。
改めて聞こうと口を開いたところで、
「アコ!」
「あ」
・・・・まーるこさん。
お怒りの様子のマルコさんがドアを開けた。
「何度言ったらわかるんだよい!よりによってオヤジの部屋に・・・・!!」
わーお、これは相当お怒りだわ。
がっと腕を掴まれて、
「すまねェよいオヤジ。すぐ連れて行くよい」
連れて行かれそうになったところ、
「おいマルコ。アコは俺の話し相手だ、勝手に連れて行ってもらっちゃあ困るぜ」
「・・・アコがオヤジの?」
お父様に止められた。
何て素敵なお父様!
「連れて行きてェなら俺の許可をとんな」
「・・・・・連れて行くよい、オヤジ」
「グラララ・・・!連れていけ」
ぐい、とマルコさんに強く引っ張られた。
「ま、また来ていいですかお父様!」
「お前ェの仕事は俺の話し相手だろう、好きな時に相手してくれ」
「有難う御座いますー!!」
ぐいぐい引っ張られてマルコさんのお部屋まで連れて来られたところで、
「どういうことだよいアコ!」
・・・・怒られた。
「や、あのですね・・・することがないんですぅって言ったらお父様が話し相手になれ、と」
おっしゃって下さって。
「それを本気にすんなよい馬鹿。それと勝手に部屋を出たこともだい」
「・・・・・・だってマルコさん居ないし」
「・・・・だからって勝手に出るなって言ってるだろい?何かあってからじゃ遅ェんだよい」
「でもここマルコさんの仲間しか居ない船ですよね?」
「仲間だろうと居るのは海賊だよい。油断してたらすぐに喰われる」
「そしたらマルコさん呼びます」
「・・・・・・すぐに行けねェ時もあるんだよい」
「私だって素直にやられるような女じゃありません」
どんな手使ったって抵抗してやる。
「いい加減にしろよい、アコ」
「・・・・マルコさんがうちで料理とか片付けしてくれたように、私だって何かしたいんです」
私がここに居てもいいんだ、という理由が欲しい。
居場所、が欲しい。
だって私は、
「私はここに居たいから・・・・・っ」
今まで言えなかった思いの丈。
ついに言った。
・・・・・・ドキドキしながら、
マルコさんの反応を窺う。
「・・・・ここは、海賊の船だ」
「そうですね」
「ここがアコの居場所になれるとは思わねェんだよい」
難しい顔のマルコさん。
・・・・そういえばここ3日、あんまり見てなかったかも、笑顔。
「私は思ってますけど」
「アコの居た世界とは全然違うだろい?今はねェがそのうち戦闘だってある」
「いや流石にその時は部屋で大人しくしてますよ」
「そう言う問題じゃねェんだよい。・・・・それに、耐えられねェだろい」
あー・・・・・・・この人は本当に。
「じゃあ耐えられたら私ここに居てもいいですか?」
「ばっ馬鹿言ってんじゃねェよい!」
「駄目なんですか?私が聞きたいの、それなんです」
「・・・・それ、ってのぁ何のことだい」
ああ、もう!
「マルコさんの気持ちが知りたいんです!私の心配は置いておいて、私が隣に居ても嫌じゃないかってこと!」
マルコさんは本当に優しくて。
私のことばかり。
そういうとこも好きなんだけど!
マルコさんは変わらず難しい顔で私を見つめた後、
私の肩に手を添えて。
「わっ」
ぐっと、抱き寄せられた。
「嫌ならそもそも手を掴んだりしねェよい」
マルコさんの匂い、落ち着くなぁ。
・・・・幸せだ。
「じゃあ大丈夫ですね!これでオールオッケーです!」
「って、おい」
「私はここに居たい。マルコさんはオッケー。あとは戦闘に慣れれば完璧でっす」
「・・・・・・・・ほんとに変わらねェよい、アコは」
は、とマルコさんが自嘲気味に笑った。
「マルコさんも」
自分のことより私のことを考えてくれるところ。
・・・・変わってなくて、嬉しい。
「マルコさん、大好きですよ」
「・・・・知ってるよい」
あ、私の大好きな笑顔だ。
+ここに 終+