いつかまた
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「すみませんでした」
朝起きて真っ先に頭を下げた。
「よく眠れたみたいだねい」
「とぉーってもよく眠れました。・・・疲れてたみたいで、ハイ」
・・・・私は昨日、
マルコさんに髪を拭いてもらっている状態で寝てしまった。
だってあんまりにも気持ち良かったんだもの!
そしてマルコさんはそんな私を布団まで運んでくれたらしい。
「だから言っただろい?余計なことはしなくていいってよい」
「・・・・私にとっては余計じゃなかったんです」
マルコさんの為になることなら何でもしたかった。
ちょっと凹んだ私を見てマルコさんが気まずさそうに私の頭の上に手をやり、
「俺は海賊だから、よい。欲しいモンは自分の力で手に入れる」
ぽんぽん、と2回。
「・・・・・・すみません、でした」
本日2回目の謝罪。
・・・・よく考えたら、余計なお世話だったかもしれないと思った。
私は、私が、って。
・・・・それはマルコさんが余計だって思ったら全部余計なことになるのは事実だ。
「わかってくれりゃいいよい。じゃあ今日は大人しく帰るねい?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・そうですね」
「おい」
答えに迷ったらマルコさんから厳しいツッコミが。
マルコさんの気持ちもわかるけど、
私的には希望があるなら諦めたくない。
でもだからって1人で探しても昨日みたいなことになりかねないし・・・。
結局は諦めるしかないのかなあ。
「まだ諦めたくねェって顔に書いてあるよい」
「本音を言えばそうなんですけどね。・・・・でも今回は諦めます」
「今回は、と来たかい」
「・・・・そうです。今回は、です。なので今は朝ごはんに行きましょう!」
「賛成だい」
朝食はとっても美味しい和食だった。
しっかり堪能して、あとはチェックアウトするだけ。
・・・大袈裟かもしれないけど、
マルコさんとの初めての旅行。
そして、最初で最後になるかもしれない旅行。
・・・・これで、終わりかぁ。
マルコさんは荷物の整理中。
私はもう終わったので、窓から見える最後の景色を瞼に焼き付けることにする。
朝の海も・・・綺麗だな。
マルコさんの世界の海はどんな色なのかな、
やっぱりしょっぱいのかしら。
どんな人たちが住んでるんだろう。
マルコさんみたいな髪形の人は普通に居るんだろうか。
マルコさんは・・・・この旅行をどう感じただろう。
少しでも楽しいと感じてくれたなら嬉しいんだけど。
そんなことを考えてたら、突然カシャ、と音がした。
「・・・・・・・・・・・・マルコさん?」
その音には聞き覚えがある。
シャッター音、だ。
で、誰が。
と振り返ればそこに居るのは当然マルコさんしか居ない訳で。
「よく撮れたよい」
何故か私の携帯を持って不敵な笑みで立っているマルコさんの姿。
「え、ちょっ・・・・マルコさん携帯使えるんですか!?」
やり方教えてないはずなのに!
「勘でやってみただけだい」
「・・・・・すごいッスねマルコさん」
さすが1番隊の隊長。
いや、それがすごいのかはわかんないけど。
たぶんすごいんだろうから。
「準備は出来たよい」
「あ、はーい。・・・・・じゃなくて!今何撮りました!?」
「アコに決まってんだろい」
「撮る時は撮るって言って下さいよぅ!」
「言ったらつまんねェよい」
「ぐ・・・・っ」
その理論はわからなくもない!
「じゃあ私もマルコさん隠し撮りします!」
「やってみろい」
「やりますとも!」
言いながら私に携帯を返してくるマルコさんは楽しそうで。
・・・・マルコさんも楽しんでくれたようで、安心した。
忘れ物がないかチェックして、
名残惜しみながら部屋を出た。
「さてじゃあゆっくり電車で帰りますかね」
「帰りは海を見下ろしながらってのはどうだい」
「・・・・マルコさんまさか」
飛んで帰るつもり?
「今日は天気も良いしよい」
「・・・電車嫌でした?」
と聞いてはみたけど、嫌だろうなあとは思う。
この世界にはあまりない独特な髪形で、
行きの電車ではだいぶほかの乗客の視線を集めてたし。
「・・・別に気にしちゃいねェよい。たまにはいいだろい?」
まあマルコさん1人で飛んで帰るんならこっそり飛んでくれればいいかもしれないけど。
・・・・でもなんか、今の言い方からして。
「え、もしかして私も飛ぶ感じですか?」
「当たり前だろい?アコ1人置いていけるかよい」
・・・・だと思った。
「マルコさん、この世界には飛行機ってものがあってですね」
「知ってるよい」
「マルコさんだけが飛ぶならまだしも私が一緒に居たら見つかれば大惨事ですよ?」
「ンなヘマしねェよい」
・・・すごい自信。
「で、どうするんだいアコ」
「う・・・・」
「滅多にねェ経験するのか、しねェのか」
・・・・正直に言えばしてみたい。
空を飛ぶ、って興味ある。
「し・・・・してみたいですけど」
「じゃあ決まりだ」
「でっでも飛ぶってことはアレですよねマルコさん鳥になるんですよね?」
「そりゃそうだろい」
「・・・・いいんですか?」
「良くなきゃ言わねェよい」
・・・最初は、鳥になることどころか、
飛べることすら知られるのを嫌がってた気がしてた。
だから詳しいことは聞かなかったし、言わなかったんだけど。
何だか今日のマルコさんは機嫌が良いのか優しいのか。
そんな気がする。
「あ・・・安全運転でお願いします!」
「アコが気ィ抜きゃ落ちるけどよい」
・・・・・恐ろしいことをさらっと言うのは海賊だから?
それともマルコさんだから?
「・・・頑張ります」
「この辺で・・・いいか」
「え?」
マルコさんは周りを警戒するかのようにじろりと見渡した後、
「・・・・・・・・・・・・・・あ」
それはもう、美しい鳥へと変わった。
「乗れよい」
大きくて優雅で、美しい。
「の・・・・・・・乗っていいんです、か」
「早くしろい」
「御意で御座います!!」
慌てて、でもゆっくりとマルコさんの背中に乗ってみた。
「出来る限りの力で掴んでろ」
「うぇ、はい!」
もふもふで、柔らかくてあったかくて、マルコさんの匂いがする。
でもそんなこと考えてる場合じゃない、ぎゅっと必死に掴まった。
その途端襲われる浮遊感。
「・・・・・ぅ・・・・・」
うぎゃあああああ、と思わず叫びそうになった。
あっという間に遠くなる地面、
まるでジェットコースターにでも乗ったかのような危機感。
「っ!!!マルコさんうちわかっ、」
「わかってんに決まってんだろい」
マルコさんは結構な高さまで来た後ゆっくりと前に進み始めた。
・・・・それでも結構速いんだけど。
・・・海が、あんなに遠い。
「怖いか?」
「・・・・いやー貴重な体験させて頂いて大変有難いですハイ」
「・・・怖いんなら言えよい。どっか適当なとこで降ろすからよい」
「や、このままうちまでお願いします・・・すごい・・・・これ、この景色」
これをマルコさんはいつでも見れるのかぁ。
今や恐怖を乗り越えて真下に広がる景色から目を離せない。
風を切るこの気持ち良さもきっと、
ヘリコプターや飛行機じゃ味わえないもの。
「・・・アコならそう言うと思ったよい」
マルコさんの嬉しそうな声に、
ぎゅっと最上級の力で抱き着いた。
「・・・飛ばすよい」
「・・・はい」
そうして飛ぶこと十数分。
行きの道より何倍も速く、家に着いた。
家の近くの、ほとんど人のいない公園に無事着地。
着いて私が呆然と降りた途端マルコさんが人の姿に戻った。
「・・・・うわーすっごい体験しちゃいました今」
「身体震えてなかったかい?」
「そりゃあもう、興奮で!マルコさんすごすぎですよ!!」
「そりゃ良かったよい」
「あーもう!!この感動を伝えたい!」
「誰に」
「マルコさんに!」
「俺に伝えてどうすんだい・・・・ったく、可愛いねい」
「・・・・・かっ!!」
可愛い!って言った!マルコさん今可愛いって言った!
若干馬鹿にされてる感じがなくもないけど!
「・・・・アコ?」
「マルコさん大好きですぅ!!」
「・・・・わかってるよい」
今日は大興奮の1日でした。
+大切な1日 終+
朝起きて真っ先に頭を下げた。
「よく眠れたみたいだねい」
「とぉーってもよく眠れました。・・・疲れてたみたいで、ハイ」
・・・・私は昨日、
マルコさんに髪を拭いてもらっている状態で寝てしまった。
だってあんまりにも気持ち良かったんだもの!
そしてマルコさんはそんな私を布団まで運んでくれたらしい。
「だから言っただろい?余計なことはしなくていいってよい」
「・・・・私にとっては余計じゃなかったんです」
マルコさんの為になることなら何でもしたかった。
ちょっと凹んだ私を見てマルコさんが気まずさそうに私の頭の上に手をやり、
「俺は海賊だから、よい。欲しいモンは自分の力で手に入れる」
ぽんぽん、と2回。
「・・・・・・すみません、でした」
本日2回目の謝罪。
・・・・よく考えたら、余計なお世話だったかもしれないと思った。
私は、私が、って。
・・・・それはマルコさんが余計だって思ったら全部余計なことになるのは事実だ。
「わかってくれりゃいいよい。じゃあ今日は大人しく帰るねい?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・そうですね」
「おい」
答えに迷ったらマルコさんから厳しいツッコミが。
マルコさんの気持ちもわかるけど、
私的には希望があるなら諦めたくない。
でもだからって1人で探しても昨日みたいなことになりかねないし・・・。
結局は諦めるしかないのかなあ。
「まだ諦めたくねェって顔に書いてあるよい」
「本音を言えばそうなんですけどね。・・・・でも今回は諦めます」
「今回は、と来たかい」
「・・・・そうです。今回は、です。なので今は朝ごはんに行きましょう!」
「賛成だい」
朝食はとっても美味しい和食だった。
しっかり堪能して、あとはチェックアウトするだけ。
・・・大袈裟かもしれないけど、
マルコさんとの初めての旅行。
そして、最初で最後になるかもしれない旅行。
・・・・これで、終わりかぁ。
マルコさんは荷物の整理中。
私はもう終わったので、窓から見える最後の景色を瞼に焼き付けることにする。
朝の海も・・・綺麗だな。
マルコさんの世界の海はどんな色なのかな、
やっぱりしょっぱいのかしら。
どんな人たちが住んでるんだろう。
マルコさんみたいな髪形の人は普通に居るんだろうか。
マルコさんは・・・・この旅行をどう感じただろう。
少しでも楽しいと感じてくれたなら嬉しいんだけど。
そんなことを考えてたら、突然カシャ、と音がした。
「・・・・・・・・・・・・マルコさん?」
その音には聞き覚えがある。
シャッター音、だ。
で、誰が。
と振り返ればそこに居るのは当然マルコさんしか居ない訳で。
「よく撮れたよい」
何故か私の携帯を持って不敵な笑みで立っているマルコさんの姿。
「え、ちょっ・・・・マルコさん携帯使えるんですか!?」
やり方教えてないはずなのに!
「勘でやってみただけだい」
「・・・・・すごいッスねマルコさん」
さすが1番隊の隊長。
いや、それがすごいのかはわかんないけど。
たぶんすごいんだろうから。
「準備は出来たよい」
「あ、はーい。・・・・・じゃなくて!今何撮りました!?」
「アコに決まってんだろい」
「撮る時は撮るって言って下さいよぅ!」
「言ったらつまんねェよい」
「ぐ・・・・っ」
その理論はわからなくもない!
「じゃあ私もマルコさん隠し撮りします!」
「やってみろい」
「やりますとも!」
言いながら私に携帯を返してくるマルコさんは楽しそうで。
・・・・マルコさんも楽しんでくれたようで、安心した。
忘れ物がないかチェックして、
名残惜しみながら部屋を出た。
「さてじゃあゆっくり電車で帰りますかね」
「帰りは海を見下ろしながらってのはどうだい」
「・・・・マルコさんまさか」
飛んで帰るつもり?
「今日は天気も良いしよい」
「・・・電車嫌でした?」
と聞いてはみたけど、嫌だろうなあとは思う。
この世界にはあまりない独特な髪形で、
行きの電車ではだいぶほかの乗客の視線を集めてたし。
「・・・別に気にしちゃいねェよい。たまにはいいだろい?」
まあマルコさん1人で飛んで帰るんならこっそり飛んでくれればいいかもしれないけど。
・・・・でもなんか、今の言い方からして。
「え、もしかして私も飛ぶ感じですか?」
「当たり前だろい?アコ1人置いていけるかよい」
・・・・だと思った。
「マルコさん、この世界には飛行機ってものがあってですね」
「知ってるよい」
「マルコさんだけが飛ぶならまだしも私が一緒に居たら見つかれば大惨事ですよ?」
「ンなヘマしねェよい」
・・・すごい自信。
「で、どうするんだいアコ」
「う・・・・」
「滅多にねェ経験するのか、しねェのか」
・・・・正直に言えばしてみたい。
空を飛ぶ、って興味ある。
「し・・・・してみたいですけど」
「じゃあ決まりだ」
「でっでも飛ぶってことはアレですよねマルコさん鳥になるんですよね?」
「そりゃそうだろい」
「・・・・いいんですか?」
「良くなきゃ言わねェよい」
・・・最初は、鳥になることどころか、
飛べることすら知られるのを嫌がってた気がしてた。
だから詳しいことは聞かなかったし、言わなかったんだけど。
何だか今日のマルコさんは機嫌が良いのか優しいのか。
そんな気がする。
「あ・・・安全運転でお願いします!」
「アコが気ィ抜きゃ落ちるけどよい」
・・・・・恐ろしいことをさらっと言うのは海賊だから?
それともマルコさんだから?
「・・・頑張ります」
「この辺で・・・いいか」
「え?」
マルコさんは周りを警戒するかのようにじろりと見渡した後、
「・・・・・・・・・・・・・・あ」
それはもう、美しい鳥へと変わった。
「乗れよい」
大きくて優雅で、美しい。
「の・・・・・・・乗っていいんです、か」
「早くしろい」
「御意で御座います!!」
慌てて、でもゆっくりとマルコさんの背中に乗ってみた。
「出来る限りの力で掴んでろ」
「うぇ、はい!」
もふもふで、柔らかくてあったかくて、マルコさんの匂いがする。
でもそんなこと考えてる場合じゃない、ぎゅっと必死に掴まった。
その途端襲われる浮遊感。
「・・・・・ぅ・・・・・」
うぎゃあああああ、と思わず叫びそうになった。
あっという間に遠くなる地面、
まるでジェットコースターにでも乗ったかのような危機感。
「っ!!!マルコさんうちわかっ、」
「わかってんに決まってんだろい」
マルコさんは結構な高さまで来た後ゆっくりと前に進み始めた。
・・・・それでも結構速いんだけど。
・・・海が、あんなに遠い。
「怖いか?」
「・・・・いやー貴重な体験させて頂いて大変有難いですハイ」
「・・・怖いんなら言えよい。どっか適当なとこで降ろすからよい」
「や、このままうちまでお願いします・・・すごい・・・・これ、この景色」
これをマルコさんはいつでも見れるのかぁ。
今や恐怖を乗り越えて真下に広がる景色から目を離せない。
風を切るこの気持ち良さもきっと、
ヘリコプターや飛行機じゃ味わえないもの。
「・・・アコならそう言うと思ったよい」
マルコさんの嬉しそうな声に、
ぎゅっと最上級の力で抱き着いた。
「・・・飛ばすよい」
「・・・はい」
そうして飛ぶこと十数分。
行きの道より何倍も速く、家に着いた。
家の近くの、ほとんど人のいない公園に無事着地。
着いて私が呆然と降りた途端マルコさんが人の姿に戻った。
「・・・・うわーすっごい体験しちゃいました今」
「身体震えてなかったかい?」
「そりゃあもう、興奮で!マルコさんすごすぎですよ!!」
「そりゃ良かったよい」
「あーもう!!この感動を伝えたい!」
「誰に」
「マルコさんに!」
「俺に伝えてどうすんだい・・・・ったく、可愛いねい」
「・・・・・かっ!!」
可愛い!って言った!マルコさん今可愛いって言った!
若干馬鹿にされてる感じがなくもないけど!
「・・・・アコ?」
「マルコさん大好きですぅ!!」
「・・・・わかってるよい」
今日は大興奮の1日でした。
+大切な1日 終+