いつかまた
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気まずいの最上級。
今、そんな感じ。
この間の気まずさなんて比較にならないくらい。
狭い部屋の中だというのに器用に避けられてるし。
・・・・・マルコさん、私よりこの家のこと把握してるんじゃないかってくらい。
確かに今まで通り仕事行く時は玄関まで来てくれるけど目は見ないし、
掃除もしてくれるし料理もしてくれる。
でも今までは一緒に食べてたご飯も、
『先に食っちまったよい』
とのことで一緒には食べられなくなった。
寝る時もだいたい先に寝るか私より後に寝る。
隣で寝ることは寝るけど。
朝も絶対マルコさんの方が先に起きてる。
まあ、それはいつものことだけど。
・・・・・さてどうしましょう。
心当たりは・・・・ある。
連休の最後の日。
・・・・キス、したこと。
それ以外にない。
・・・・・おかしいな。
側に居るのに、こんなに寂しいなんて。
1人の時より、寂しい気がするなんて。
いつまでこんな状態が続くんだろう。
ずっと、こんな感じなのかな。
それは勘弁して欲しい。
仕事帰り、ごとんごとんと電車に揺られながら考える。
どうしよう、かなあ。
たいしていい考えも出ないうちに結局家に着いてしまった。
「・・・・ただいま、ですー」
「ああ、帰ったかい」
「はいーいい匂いですね?生姜焼きですか?」
「置いてあるよい」
「あ、どうも」
小さいテーブルにはほかほかのご飯と生姜焼き。
・・・・今までよくこんな狭いとこで2人でご飯食べてたなぁ。
マルコさんはとえいば台所で洗い物。
「・・・・・・マルコさん」
寂しくなって声をかけたけど、
マルコさんは何も答えてはくれなかった。
・・・・無視ですか。
1人でもそもそとご飯を食べて、
マルコさんの後ろ姿を見つめる。
・・・・目に、焼き付けておこう。
この姿も。
そのうちマルコさんが玄関の方に歩いて行ったので、
「・・・何処か行かれるんですか?」
恐る恐る聞いてみたら、
「・・・歩いてくるだけだよい」
こちらを振り返ることのないままそう言って、すぐに出て行ってしまった。
・・・・私も一緒に、って。
言えなかった。
・・・・でも、ちょうどいいかも。
帰って来たら、待ちかまえられる。
逃げられないように。
夜中に帰ってくるかもしれないから、
飲み物(ソフトドリンク)とお菓子を準備して待つことにする。
マルコさんのグラスも、用意して。
ぐび。
ぐびぐび。
・・・早く、帰って来て。
そう強く思った瞬間だった。
ドアが、開いた。
「あ。・・・・おかえりなさい」
「・・・・何してんだいこんなとこで」
「マルコさんを待ちわびておりました」
出来るだけの笑顔でそう答えたら、
マルコさんは再び踵を返して外に出ようとするから、
「マルコさん待っ、」
慌てて引き留めようとしたら。
トン。
「とん?」
妙な音に振り返ったら、そこにあったのは無残なジュースの姿。
「・・・・やってくれるねい」
マルコさんのどん引き顔。
「さ・・・作戦成功です!」
「嘘つけ」
「・・・はい嘘ですすみません」
優しいマルコさんは、嫌そうな顔でこぼれたジュースの片付けを手伝ってくれた。
「グラスだったら大惨事でしたね」
「1回やったことあんだろい」
「・・・・ありますね」
げふん。
雑巾で拭いて、2人で台所に来たところで、
「私マルコさんと話したいことがあるんです」
本題を切り出してみた。
「・・・・俺にはねェよい」
「いいえあります!今の私たちには話し合いという名の会議が足りません!!」
「話しならしてるだろい」
あくまでマルコさんは私と話したくない様子。
「マルコさんはこのままでいいんですか!?」
「何がだい」
「この間からマルコさんおかしいです」
「おかしくねェ」
「おかしいです!今までみたいに・・・話せなくなりました」
「・・・・気のせいだよい」
冷たい言葉に、
水を浴びせられた気分になった。
「・・・・そうですか」
「・・・・そうだ」
こんなんじゃ、話し合いになんてならないじゃないか。
「じゃあ・・・・私がこんなに寂しいのも気のせいなんですね」
「・・・・ああ、そうだよい」
「わたしがっ!・・・・泣いてるのも、っ気のせいなんですね!?」
「・・・・アコ」
あふれた涙は容赦なく流れ出て、
止まらない。
「心臓が潰れそうなほど苦しいのもっ、マルコさんのことぶん殴りたいのも気のせいですかね!?」
思いっきり叫んだら少しスッキリした。
あーでも次は何を言おうかと考えたら、
「わかったから、落ち着け」
「・・・・でも」
「とりあえず雑巾は置けよい」
「・・・・・・・はい」
・・・・・私雑巾持ったまま泣いて叫んでた。
情けない・・・!
言われるがまま雑巾を置いて、
立ち尽くす私にマルコさんが、
「するんだろい?話し合い」
ぽん、と私の頭の上に手を置いた。
「・・・・はい」
マルコさんが先に座ったので、私も後に続いて向かいに座った。
・・・・いつもの位置だ。
「私・・・はっきり言って欲しいです」
「何を言やいい」
「マルコさんが変な理由。・・・・嫌、でしたか」
「・・・・何がだい」
言いにくいけど、はっきり言わないと伝わらないから。
はっきり言わないとはっきり答えてくれないから。
「この間の・・・・・キス」
キス。
そう言った途端マルコさんが視線を動かした。
・・・やっぱり、そうなんだ。
何も言ってくれないマルコさんに私は更に問い詰める。
「キスくらいで何ですか!」
「・・・・おい、アコ」
「海賊がキスの1つや2つでガタガタ言わないで下さい!それでなくてもマルコさん・・・っ」
「・・・・何だい」
「海賊らしくないのに!」
「・・・・・は?」
マルコさんは、家に来てからたぶん初めて見るんじゃないかって程の呆れ顔を見せた。
「家事が得意で生姜焼きにしっかりキャベツの千切りも添えてあるとか女子力高いし!」
「・・・・おい」
私の中の海賊のイメージぶち壊しですよ。
「こんなことで気まずくなるなんて・・・乙女ですか!!」
「・・・俺に向かってそんなこと言う奴ァ初めてだよい」
それからマルコさんはククッ、と笑い声を漏らした。
「だって・・・・このまんまなんて絶対嫌ですから」
「・・・・そうだな」
「マルコさんいつ、いなくなっちゃうかもわかんないのに」
「・・・・ったく、よい」
マルコさんがそう言って苦笑した。
でもその顔はいつものマルコさんのような気がした。
「・・・・何ですか」
「らしくねェってんならこっちもだい」
「え」
「海賊以外でこんなに頼もしい女は見たことねェよい」
「頼もしいなら・・・頼って下さい、もっと」
逃げないで。
「悪かったよい」
「まったくです」
「・・・どんな顔したらいいかわからなかったんだい、情けねェ」
「先が思いやられますね・・・」
「・・・どういうことだい」
少し怒ったようなマルコさんに、私は笑って話す。
もう、笑えるようになった。
「マルコさんがこの先自分の世界に帰ってしまって、いつか私がマルコさんの世界に行ったらの話しです」
「・・・・ああ」
「その時マルコさん気まずくて顔合わせらんないよーいとか言って逃げないで下さいね」
マルコさんも、
「もう逃げねェよい。海賊らしくねェと言われちゃオヤジに顔向け出来ねェからよい」
ニタァ、とそれはそれは黒い笑顔。
・・・・海賊らしい、顔。
仲直り、完了です。
+最上級で 終+
今、そんな感じ。
この間の気まずさなんて比較にならないくらい。
狭い部屋の中だというのに器用に避けられてるし。
・・・・・マルコさん、私よりこの家のこと把握してるんじゃないかってくらい。
確かに今まで通り仕事行く時は玄関まで来てくれるけど目は見ないし、
掃除もしてくれるし料理もしてくれる。
でも今までは一緒に食べてたご飯も、
『先に食っちまったよい』
とのことで一緒には食べられなくなった。
寝る時もだいたい先に寝るか私より後に寝る。
隣で寝ることは寝るけど。
朝も絶対マルコさんの方が先に起きてる。
まあ、それはいつものことだけど。
・・・・・さてどうしましょう。
心当たりは・・・・ある。
連休の最後の日。
・・・・キス、したこと。
それ以外にない。
・・・・・おかしいな。
側に居るのに、こんなに寂しいなんて。
1人の時より、寂しい気がするなんて。
いつまでこんな状態が続くんだろう。
ずっと、こんな感じなのかな。
それは勘弁して欲しい。
仕事帰り、ごとんごとんと電車に揺られながら考える。
どうしよう、かなあ。
たいしていい考えも出ないうちに結局家に着いてしまった。
「・・・・ただいま、ですー」
「ああ、帰ったかい」
「はいーいい匂いですね?生姜焼きですか?」
「置いてあるよい」
「あ、どうも」
小さいテーブルにはほかほかのご飯と生姜焼き。
・・・・今までよくこんな狭いとこで2人でご飯食べてたなぁ。
マルコさんはとえいば台所で洗い物。
「・・・・・・マルコさん」
寂しくなって声をかけたけど、
マルコさんは何も答えてはくれなかった。
・・・・無視ですか。
1人でもそもそとご飯を食べて、
マルコさんの後ろ姿を見つめる。
・・・・目に、焼き付けておこう。
この姿も。
そのうちマルコさんが玄関の方に歩いて行ったので、
「・・・何処か行かれるんですか?」
恐る恐る聞いてみたら、
「・・・歩いてくるだけだよい」
こちらを振り返ることのないままそう言って、すぐに出て行ってしまった。
・・・・私も一緒に、って。
言えなかった。
・・・・でも、ちょうどいいかも。
帰って来たら、待ちかまえられる。
逃げられないように。
夜中に帰ってくるかもしれないから、
飲み物(ソフトドリンク)とお菓子を準備して待つことにする。
マルコさんのグラスも、用意して。
ぐび。
ぐびぐび。
・・・早く、帰って来て。
そう強く思った瞬間だった。
ドアが、開いた。
「あ。・・・・おかえりなさい」
「・・・・何してんだいこんなとこで」
「マルコさんを待ちわびておりました」
出来るだけの笑顔でそう答えたら、
マルコさんは再び踵を返して外に出ようとするから、
「マルコさん待っ、」
慌てて引き留めようとしたら。
トン。
「とん?」
妙な音に振り返ったら、そこにあったのは無残なジュースの姿。
「・・・・やってくれるねい」
マルコさんのどん引き顔。
「さ・・・作戦成功です!」
「嘘つけ」
「・・・はい嘘ですすみません」
優しいマルコさんは、嫌そうな顔でこぼれたジュースの片付けを手伝ってくれた。
「グラスだったら大惨事でしたね」
「1回やったことあんだろい」
「・・・・ありますね」
げふん。
雑巾で拭いて、2人で台所に来たところで、
「私マルコさんと話したいことがあるんです」
本題を切り出してみた。
「・・・・俺にはねェよい」
「いいえあります!今の私たちには話し合いという名の会議が足りません!!」
「話しならしてるだろい」
あくまでマルコさんは私と話したくない様子。
「マルコさんはこのままでいいんですか!?」
「何がだい」
「この間からマルコさんおかしいです」
「おかしくねェ」
「おかしいです!今までみたいに・・・話せなくなりました」
「・・・・気のせいだよい」
冷たい言葉に、
水を浴びせられた気分になった。
「・・・・そうですか」
「・・・・そうだ」
こんなんじゃ、話し合いになんてならないじゃないか。
「じゃあ・・・・私がこんなに寂しいのも気のせいなんですね」
「・・・・ああ、そうだよい」
「わたしがっ!・・・・泣いてるのも、っ気のせいなんですね!?」
「・・・・アコ」
あふれた涙は容赦なく流れ出て、
止まらない。
「心臓が潰れそうなほど苦しいのもっ、マルコさんのことぶん殴りたいのも気のせいですかね!?」
思いっきり叫んだら少しスッキリした。
あーでも次は何を言おうかと考えたら、
「わかったから、落ち着け」
「・・・・でも」
「とりあえず雑巾は置けよい」
「・・・・・・・はい」
・・・・・私雑巾持ったまま泣いて叫んでた。
情けない・・・!
言われるがまま雑巾を置いて、
立ち尽くす私にマルコさんが、
「するんだろい?話し合い」
ぽん、と私の頭の上に手を置いた。
「・・・・はい」
マルコさんが先に座ったので、私も後に続いて向かいに座った。
・・・・いつもの位置だ。
「私・・・はっきり言って欲しいです」
「何を言やいい」
「マルコさんが変な理由。・・・・嫌、でしたか」
「・・・・何がだい」
言いにくいけど、はっきり言わないと伝わらないから。
はっきり言わないとはっきり答えてくれないから。
「この間の・・・・・キス」
キス。
そう言った途端マルコさんが視線を動かした。
・・・やっぱり、そうなんだ。
何も言ってくれないマルコさんに私は更に問い詰める。
「キスくらいで何ですか!」
「・・・・おい、アコ」
「海賊がキスの1つや2つでガタガタ言わないで下さい!それでなくてもマルコさん・・・っ」
「・・・・何だい」
「海賊らしくないのに!」
「・・・・・は?」
マルコさんは、家に来てからたぶん初めて見るんじゃないかって程の呆れ顔を見せた。
「家事が得意で生姜焼きにしっかりキャベツの千切りも添えてあるとか女子力高いし!」
「・・・・おい」
私の中の海賊のイメージぶち壊しですよ。
「こんなことで気まずくなるなんて・・・乙女ですか!!」
「・・・俺に向かってそんなこと言う奴ァ初めてだよい」
それからマルコさんはククッ、と笑い声を漏らした。
「だって・・・・このまんまなんて絶対嫌ですから」
「・・・・そうだな」
「マルコさんいつ、いなくなっちゃうかもわかんないのに」
「・・・・ったく、よい」
マルコさんがそう言って苦笑した。
でもその顔はいつものマルコさんのような気がした。
「・・・・何ですか」
「らしくねェってんならこっちもだい」
「え」
「海賊以外でこんなに頼もしい女は見たことねェよい」
「頼もしいなら・・・頼って下さい、もっと」
逃げないで。
「悪かったよい」
「まったくです」
「・・・どんな顔したらいいかわからなかったんだい、情けねェ」
「先が思いやられますね・・・」
「・・・どういうことだい」
少し怒ったようなマルコさんに、私は笑って話す。
もう、笑えるようになった。
「マルコさんがこの先自分の世界に帰ってしまって、いつか私がマルコさんの世界に行ったらの話しです」
「・・・・ああ」
「その時マルコさん気まずくて顔合わせらんないよーいとか言って逃げないで下さいね」
マルコさんも、
「もう逃げねェよい。海賊らしくねェと言われちゃオヤジに顔向け出来ねェからよい」
ニタァ、とそれはそれは黒い笑顔。
・・・・海賊らしい、顔。
仲直り、完了です。
+最上級で 終+