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「で?その後どうなったの」
「・・・・・フロントから時間ですコールが来て、そのままカラオケ出たんだけど」
「馬鹿ねー何で私も好きって言わなかったのよ」
エース君とのデート(仮)の数日後。
珍しく私もナミさんも仕事が夕方で終わり、ということで駅前のファーストフード店でプチ女子会。
駅前で私達を見かけた、と切り出されて、この際だから相談することにした訳だけど。
「・・・・タイミングが」
「タイミングなんて計ってたら一生告白なんて出来ないじゃない」
・・・・・ナミさん怖い。
「で?」
「・・・家まで送ってくれて、そのまま」
「何も言わずに?」
「電車の中では、何も。家の前で、エース君が、返事はいつでもいいから、って」
そう言って笑ったエース君に、何も言えなかった私。
「で、返事はいつするの?」
「・・・・・どうしよう」
「メールでしたら?」
実は私もそれは考えた。
あの日の夜、家で何度も『私も好き』と打ってはその度に消した。
「・・・やっぱり口で言いたいなって」
メールで伝えるのは簡単だけど、それは何処か味気なくて寂しい。
それに好き、と口に出すことは勇気が必要で。
エース君だってきっと勇気を出してくれたはず。
それなら私も同じように勇気で返さなきゃ失礼だ。
でも今日はエース君はお休みで。
「そ。じゃあ頑張って」
「・・・・・もしかしてナミさんもエース君のこと好きだったり?」
もしそうならどうしよう、と思ったけど。
「はぁ!?ないない。金はないし口を開けば弟のことばっかだし、最近はアコの話もだけど」
「え」
「結構相談乗ってたのよ?私。メアドだって自分で聞くって言って頑張ってたし応援してたんだから」
メアド・・・?
『あー・・・っと、だから、その、アドレス、交換しねェ?』
あの時、も。
「うう・・・・」
全然気づかなかった自分に少し落ち込む。
「ったく仕方ないわね。今度何か奢ってよ?」
「へ?」
言いながら立ち上がったナミさん。
「どっどこ行くの!?」
「あんたはここで待ってなさい。いいわね?」
「は・・・はい」
ナミさんの気迫に押されて思わず頷いて。
そのままナミさんの後姿を見送った。
うう、寂しい。
・・・・・・・・・ナミさん早く戻ってきて。
けれどそれから数十分後、私の席に来たのはナミさんではなく、
「・・・・え、エース、君」
エース君は私を見て驚いていて、
「・・・・・・ナミが、急いでここに来いって、メールが」
嘘・・・・でしょ!?
ナミさぁぁぁんん!!!!
「そ・・・・・そう、なん、だ。あ、でもナミさん今居なくて」
「さっきそこで会った」
「え、」
会ったの!?
「アコが居るから会って来い、って。ナミはもう帰った」
こっこれはチャンス!
私も好き、って言うチャンスですね!?
「あ、え、えっと」
「・・・本当にアコが居るとは、思わなかった」
そう言って何処か寂しそうに笑ったエース君に胸が締め付けられた。
「と・・・とりあえず、座る?」
「いいのか?」
「ど、どぞ!」
さっきまでナミさんが居た目の前の席にエース君が座った。
言え、言うんだ私。
私もエース君が好き、って。
「え・・・・エース君」
「ん?」
「・・・・・・・・・・・・・・・何か飲む?」
「いや、いい」
・・・・・・・・・・・撃沈。
「やっぱ駄目だよ、私じゃ」
「え?」
「エース君に好きとも言えない私じゃ、駄目」
エース君に相応しくないよ。
「・・・・アコ?」
「ん?」
「今・・・・・・好き、って」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・え!?」
もしかして今の全部声に出てた!?
「・・・いいのか?アコ」
「え、ちょ、あのっ、えええ!?待ってこんな告白になるつもりは!もっとちゃんと告白、するつもり、で」
頭真っ白で、パニックで。
そんな私の頭にぽん、と大きな手が乗せられた。
「聞きてェ。アコの、ちゃんとした告白」
そう言ってエース君が優しく笑うから。
エース君の目を真っ直ぐに見つめて、深呼吸。
そして、
「私も、エース君が好き・・・・です」
声は震えたけれど、私は確かにそう言い切った。
+私じゃ駄目、でも 終