ホームセンターストーリー
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「お、おはようございま、す」
緊張しながら更衣室に入ってみれば、
「あーアコさんだ!」
「アコさん、昨日大変だったみたいね?」
「ねえねえ、何て言ったの?何かすごい面白いこと言ったって聞いたけど」
・・・・・・あっという間に囲まれた。
昨日のことが噂になってるんだろうな、きっと。
「いや、あの、すみません、あははは・・・」
説明するのも長くなるので笑って誤魔化す為にした。
「なかなかカッコ良かったわよ、アコ」
「・・・・ナミさん、昨日はごめんね」
「いいわよ、私もスカッとしたし。面白かったから」
・・・・面白がられてる。
「でも私もエース君も早退しちゃったから大変だったでしょ?レジ」
「全然。店も早仕舞いしたし、むしろ楽だったのよ」
「・・・・私、首になるかも」
店が早くに閉店したということは、そのぶん売り上げも減ってる訳で。
今日も店長に謝っておかなきゃ。
「大丈夫よ、そんな話出てないから。でも良かった、色々心配してたのよ」
「帰りならエース君が送ってくれたから大丈夫だったよ?」
「それは知ってるから心配してない。じゃなくて、精神的なことよ」
「・・・・ありがと、ナミさん」
「今日来ないんじゃないかって思ってたけど、ちゃんと来たし。ポートガス君のおかげかしら?」
ニヤニヤと楽しそうに笑みを浮かべるナミさんに思わず顔が熱くなる。
「みっ皆のおかげ、だよ?」
「あらそーお?」
「ナミさぁぁん・・・!」
「あらもうこんな時間、早く行かないと夕礼始まっちゃうわ」
時計を見ると確かに夕礼まであと5分の時間。
ナミさんを追って私も更衣室を出て、事務所へと入室した。
「失礼しまーす・・・・・?」
中に入ると、エース君の姿が見えた。
店長と何か話してる。
昨日のこと、話してるのかな?
それから今日のレジを確認してナミさんと話していると、
「夕礼始めますよー」
「はーい」
夕礼開始。
隣に立ったエース君と目が合って、何故か苦笑を浮かべたエース君に違和感を覚えた。
・・・・・何だろう、嫌な予感。
今の感じは、エース君が何かを誤魔化す時にする顔だったから。
そしてその疑問が解けるのと、
嫌な予感が当たったと知ったのは夕礼の後半。
「それから今日から部門異動があります」
ホームセンターにはいくつかの部門があって。
洗剤などの日用品、自転車や車などのカーレジャー、工具などはハード、と呼ばれる部門がある。
レジである私はまだ知識もないのでわからないことはほとんど部門さんに聞かないといけない。
部門の人は知識もなきゃいけないうえにレジが混んだらサッカーにも入らなければいけなかったりする。
けどまさか、
「ポートガス君、レジから日用品」
「え、」
その名前を聞かされようとは。
横に居るエース君を思い切り見ると、
エース君はただ真っ直ぐに前を見ていた。
嘘、だよね?
「それじゃあ今日も1日頑張りましょう」
店長のいつもの挨拶を最後に夕礼は終わった。
「え・・・エース君、異動、なの?」
終わってすぐエース君に問いかけた。
「ああ、今日からな」
何処か寂しそうに笑うエース君に胸が痛んだ。
さっきの店長と話してたのは、このことだったんだろうなと思った。
「もしかして、昨日のことがあったから?」
そうだとしたら私のせいだ。
けれどエース君は、
「違ェよ、アコのせいじゃ断じてねェ。もとから決まってはいたんだ」
「・・・もとから?」
「前から話は出てたんだけどな、レジも人が足りないから保留になってたんだよ」
「・・・・私が、入ったから」
「アコが一人前になったってことだろ?」
にし、と嬉しそうに笑ってくれるエース君に、私はいつものように笑い返すことが出来なかった。
「でも、それはエース君のおかげだし・・・部門になったら帰る時間とかも遅くなるんでしょ?」
「・・・まぁな」
それは一緒に帰ることもなくなるってこと。
「アコは・・・出来るだけ誰かと一緒に帰ったほうがいいぜ、途中まででも」
「・・・うん」
「まあ、異動っても日用品だから、近いだろ?何かあればいつでも呼べよ?」
「・・・・・・あり、がと」
いつものように心強い言葉なのに、
嬉しくない。
心から喜べない。
寂しい。
「そんな顔すんなって。な?」
「・・・・エース君も、頑張って」
「・・・・ああ」
ああ、それからなんて言えばいいんだろう。
「アコー!そろそろ行かないと!」
そこへナミさんの声が聞こえて、
「はーい!」
そのままレジへ向かった。
泣きそうな気持ちを堪えてレジを打っていると、一生懸命にメモをとっているエース君が見えた。
・・・・私も、頑張らないと。
閉店後、作業も終わって着替えもすませた後、店を出ようとしたところでエース君に会った。
「お疲れ様、エース君」
「お、アコ、お疲れ」
「・・・まだあるんだ?」
「あとこれとこれ、品出し」
「頑張って!」
「サンキュ。・・・・な、アコ」
「ん?」
「夜、メールする」
「・・・・うん、待ってる」
・・・・忘れてた。
今度の休み、エース君とデート、だ。
どの服着て行こう!?
+重大発表 終+