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「それじゃ、また後日連絡することもあると思いますがその時はよろしくお願いします」
「はい」
事務所で警察からの事情聴取が終わって。
警察の方々を見送って、今度は店長から、座って、と言われた。
「とりあえずポートガス君に怪我がなくて良かったけど」
「・・・・・はい」
「こういうことになる前に一言相談して欲しかったね。レジの子にストーカーってのは少なくない」
「・・・そうなんですか?」
「そう、だからわかっていれば対処も出来る。今度から何かあればすぐに相談するように」
「はい、すみませんでした」
「今日はもう帰っていいよ」
「俺、アコさん送って行きます。家近いんで」
「ああ、そうだね。こんなことがあった後だ。それがいいだろう」
「・・・本当に、すみませんでした」
改めて頭を下げると、店長は苦笑いを浮かべながら、
「アコさんを採用したことは後悔してないよ。これからもめげずに来て欲しい」
「あ・・・有難う御座いますっ!」
その言葉がすごく嬉しかった。
「そんじゃアコ、着替えたらいつものとこでな」
「うん、有難う」
エース君にも謝罪とお礼言わなきゃな、と思いながら着替えた。
待ち合わせの場所に行くとエース君はまだ来てなくて、私は自動販売機にお金を入れて、紅茶と珈琲を1本ずつ買った。
「わり、待たせちまった」
「ううん、大丈夫。エース君珈琲でいい?」
「いいのか?」
「うん、今日のお礼」
エース君に缶コーヒーを渡して、2人で従業員用の駐輪場まで歩く。
「気にすんなって言っただろ?」
「・・・でも、気になるよ。本当に怪我なかった?」
「全然。むしろ殴ってやり損ねたのが悔しかったなァ。ま、アコがやってたからいいけどな」
「・・・・申し訳ない」
「アコのそういうとこ、昔から変わってねェんだな」
楽しそうに笑いながら珈琲を飲むエース君に、何も言えない私。
うう、まったくお恥ずかしい。
「覚えてるか?アコ。昔いじめられたアコの為に仕返ししてやった時」
「・・・・はて」
「仕返ししてやったはいいけど、俺が怪我したの知って、やっぱりキレたんだよ」
「・・・・ごめんなさい」
私には昔から1度怒ると周りが見えなくなるクセがある。
「ははっ謝ることじゃねェだろ?俺好きだぜ、アコのそういうとこ」
「・・・・んーでも」
「アコが怒る時って、いつも自分じゃない誰かが傷つけられた時だもんな」
「そう、かな」
「俺は嬉しかったんだぜ?あん時も、今も」
そう言って笑ってくれるエース君の優しさに今は甘えることにした。
「よし、そろそろ行くか」
「ん」
それから他愛もない話をしながら自転車で家まで一緒の道を走った。
「ここまで来れば大丈夫だな」
「うん、本当にありがとね?」
「明日からまた1人で大丈夫か?」
家まで着いたところで、お別れの時間。
・・・・なんだけども。
「それは、大丈夫、なんだけど」
「・・・・けど?」
言わなきゃ、いけないことがある。
「あの、今回のお詫びに何か私に出来ることない?」
「もうもらったぜ?」
「さっきの珈琲はお礼。お詫びは別だよ?」
エース君は優しいから、なかなかYESと言わないのは承知だけど。
でもこんなに迷惑かけて。
下手したら怪我してたかもしれないのに。
それでも笑って許してくれるエース君に何かしたかった。
エース君は少し考え込んで、
「・・・じゃあ、言ってもいいか?」
「うんうん、言って!どんどん言って!」
「い、嫌なら言えよ?」
少し緊張した面持ちのエース君に私も覚悟を決めた。
たいていのことなら受け入れよう、と。
「大丈夫!言って?」
「じゃあ、言うぞ」
「どぞ!」
「・・・・・今度の休み、俺と出かけてくれ」
「うん、いいよ」
何を言われるのかとドキドキしたけど、何だそんなことか。
「・・・いいのか?ルフィ抜きでだぞ?」
「全然平気だよ?あ、じゃあ詳細はメールで決めよっか」
「あ、ああ、じゃあ、また明日な?」
「うん、また明日」
何処か挙動不審なエース君を見送って、無茶なこととか言われなくて良かった、なんて考える。
今度の休みにエース君と2人で出かけるだけだもんね。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ん?
今度の、休み。
エース君と2人で。
出かける。
・・・・・・・・そんなことじゃなかった!
ちょっと待ってちょっと待って。
これってもしかしてもしかしなくても、
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・デート、ってやつですか?
エース君・・・・・
ほんとにタラシだ。
+もしかしてもしかしなくても 終+