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レジ3回目。
「え、今日から1人、ですか」
2回目まではエース君がサッカーで入ってくれてたけど、今日から1人、らしい。
「1人って言っても周りに人が居るから大丈夫よ。頑張って」
「は、はい・・・・」
思いっきり不安なんだけど。
それでもエース君が、
「どうだって聞かれたからアコなら大丈夫、って言っといた。心配すんな、何とかなる」
・・・・こんなことを言うもんだから。
「・・・頑張る!」
これは期待に応えるしかないでしょう。
ここでひいたら女が廃る!
で、
「いらっしゃいませこちらどうぞー」
何とか、
「有難う御座いましたー」
戸惑いながらもこなしていけてる。
うん、大丈夫。
でも思ったのは、レジを打って袋詰めを1人でするっていうのはなかなか大変。
今までは袋詰めだけか、
レジの時はエース君が必ず側に居て袋詰めしてくれてたし。
隣でレジを打ってるエース君をちら、と見る。
・・・・打つの早いなあ。
袋詰めも早いし、何ていうか作業に無駄がない。
・・・・すごいな。
「アコ?どした?」
はっと気がつくとお客様をお見送りしたエース君が不思議そうな顔で私を見ていた。
「え!?あーと、エース君はすごいなあ、って」
「俺が?」
「手際いいし、いろんなことがわかってて」
「そっか?ここ長いからじゃねェ?アコもそのうちわかってくるだろ」
「・・・だと、いいんだけど」
と、そこで私のところにお客様が来てしまい会話ストップ。
「いらっしゃいませ・・・・」
思わず、げ、という言葉が出そうになった。
ダンボールに入ったガステーブル。
お、落ち着け私。
こういう時は、
「こちらはテープでよろしいですか?」
大丈夫、たいていのお客さんはハイと言ってくれる。
・・・・が、
「あ、持てるようにしてくださーい」
「・・・・かしこまりました」
だっだいじょうぶ!
梱包機でつけられる!
そしてガステーブルを持ち上げようとした、んだけども。
「・・・・・・・・っ」
重い!!
それでも何とか持ち上げて、梱包機でヒモ掛け完了。
それをまたお客様のカートのとこまで運び、お会計をした。
「あ・・・有難う御座いました」
「大丈夫か?アコ」
「な・・・何とか。結構重かったあ」
「そういう時は俺に言えよ、代わるから」
「うん、ありがと」
心配してくれるエース君の為にも早く1人前にならねば。
そして閉店10分前。
よし、あと10分。
「あ、いらっしゃいま」
最後まで言えなかった挨拶の言葉。
それを見て固まった私。
カートに直に乗せられた山盛りの商品。
そしてガステーブル2台。
ど・・・・どうしよう。
いや、どうしようもないけど。
そんな私の耳元で、
「アコ、俺がサッカーやる」
力強い声。
エース君は自分のレジを閉めて、
まずカートに乗っている山盛りの商品をレジ台に乗せてくれた。
私はそれを次々と打っていく。
そしてお客さんと会話して、
ガステーブルを軽々梱包機へ。
次に私が打ち終えた商品をテキパキと袋詰め。
もっと時間がかかると思ってたお会計はあっという間。
そして、
「有難う御座いましたー」
そうやってお客様のお見送りをした後、
「もっと俺を頼れって。な?」
優しく笑ったエース君の存在の大きさに、胸が締め付けられた。
+頼れる人 終+