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「ハンバーグ!エースエースっ!ハンバーグだ!」
「あんまり期待しないでね?たぶんエース君が作った方が美味しいと思うし」
私が持っていた2人ぶんの夕飯(多め)を大事そうに抱えてルフィ君は満面の笑みで
台所にいるエース君の所へ走っていった。
「うおー!美味そう!なあ食っていいのかこれ!」
「あ、こらルフィ!まだ食うな!」
「アコが作ったんだろ?エース、アコの作った飯食いてェって言ってたもんな!ししっ」
「そりゃそうだけどお前はしゃぎすぎ・・・って手ェ出すなって言ってんだろ!ほら、これとこれテーブルに持ってけ」
「おう!」
「それからアコに座ってるように言って、ちゃんともてなせ。出来るな?」
「ん!わかった!」
台所から2人の楽しそうな会話が聞こえて、
「アコアコ!こっちだ!ここ座ってちゃんと俺にもてなされるんだぞ!」
ルフィ君がご飯を抱えて再び走ってきたと思ったら、ぽん、と置かれた座布団を指さされる。
そして、
「アコ、飯は?」
お茶を持ってきてくれたエース君。
「あ、ありがと。私は家で食べてきたから」
「そっか。・・・・サンキュ、な。すげェ嬉しい」
「ううん、お口に合うといいんだけど」
言葉通り本当に嬉しそうに、そして何処か照れたように笑うエース君に私も照れる。
「なあなあエース!まだか!?」
「よし!そんじゃ、いただきます!」
「いただきます!・・・・んめェー!!」
挨拶とほぼ同時に食べ始めたルフィ君は、ハンバーグとご飯を口いっぱいに頬張って笑う。
この笑顔だけでも良かったと思える。
・・・・で、ハンバーグをリクエストしてくれたエース君の反応、は。
「・・・・・美味ェ」
「ほ、ほんと?」
「ああ、すっげェよアコ!」
私の作ったハンバーグを食べて、
これ以上ないくらいの笑顔。
良かった・・・!
頑張って作って良かった!
「良かったぁ、そう言ってもらえて。エース君の料理には敵わないけどね」
「そんなことねェよ、俺はアコの作ったヤツの方が好きだ」
「あ・・・・ありがと」
・・・・・・ドキっとした。
『好きだ』なんて。
いやいや、私の作るご飯の話だから。
「でっでも私はエース君の料理、好きだよ?」
負けじとそう言い返せば、
「じゃあ、また食いに来るか?」
「え?」
「来いよ、アコ」
「いいの?」
「その方がルフィも喜ぶし、俺も・・・嬉しい、し」
何とも嬉しいお誘い。
「ほーはは、ほうひよ!」
ルフィ君は口いっぱいにご飯を詰め込んでいるので何言ってるかわからないけど、
満面の笑みから見るに拒否されているようではなさそう。
「飲み込んでからしゃべれ」
「・・・・ん!そうしろよ、な!アコ!」
「・・・じゃあ、またお邪魔するね?」
そしてエース君にもう1回お礼を言おうとしたところで、
突然がつんと音がした。
「・・・・この癖は相変わらずなんだね」
食べてる時に寝てしまう癖。
「エースのぶんもーらい」
「・・・・ルフィ君も相変わらず容赦ないね」
たぶん後で怒られるんだろうなあと思いながら、私はその寝顔を見つめた。
「・・・・・・ん」
目を覚ますと、聞こえてきたのは水の音。
カチャカチャという食器の擦れる音。
目の前には美味そうなハンバーグ。
・・・・何か減ってねェかこれ。
「・・・・・・あ」
思い出した状況に一気に目が覚めた。
「アコっ!?」
慌てて名前を呼ぶと、
「あ、エース君起きた?」
アコが台所で食器を洗ってくれていた。
「悪ィ俺、寝てた」
飯も作ってもらって、食器まで洗わせるとか・・・最悪過ぎるだろ俺。
「あはは、気にしないで。今ルフィ君お風呂入ってるよ。じゃあ私もそろそろ・・・・あ」
「え?」
「雨・・・・」
窓の外を見ると雨が降ってきていた。
「・・・・アコ、送る」
「え!?でもすぐだから」
「飯のお礼もあるし、風邪ひいたらやべェだろ?・・・明日からレジだしな!」
本当は傘1本貸せばいいだけだ。
でも何となく、それはしたくなかった。
「・・・じゃあ、お言葉に甘えよっかな」
アコが遠慮がちに頷くのを見て、
俺はすぐに立ち上がった。
+昔からの癖 終