もう1つの家族
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「ただいま」
「おかえりー。・・・エース君先に帰ってきてるけど、何かあった?」
家に帰ると早速母が突っ込んできた。
「私、お母さんにエースのことよろしくって言った」
八つ当たりしちゃ駄目。
そう思うのに自然と厳しくなる口調。
「心配だから迎えに行くって聞かなかったのよ」
「でも!」
「ちゃんと服も着てたし、帽子もかぶってたでしょ?」
「それは、でも」
「名前も言わないようにって言っておいたんだけど」
「・・・・それ、は」
「あんた見てなかったけど、玄関で見送った時のエース君の顔、寂しそうだった」
母の言葉に心臓がずきりと痛む。
「だから私が許したの。条件付で」
『アコ一人で行かせていいのか?』
『大丈夫よ。いつものことだし。こっちはそんな危ない世界じゃないのよ』
『でも、万が一ってことがあるだろ?』
『うーん、まあ。絶対安全とは言えないけど』
『・・・俺やっぱ行って来る』
『あ、じゃあ終わる頃に迎えに行ってくれる?』
『今じゃ駄目なのか?』
『そうね。アコの為を思ってくれるなら、もうちょっと待って』
『・・・わかった』
『そして服を着ること、帽子を目深にかぶること、絶対名前を言わないこと』
『約束する』
ああ、そうだ。
エースは確かに名前を言わなかった。
こんなにも心配しれくれてたのに。
ごめん、エース。
心配だったんだ。
ここは俺の世界ほど危険じゃない。
それはわかってる。
でもこないだ声をかけてきた男だっている。
・・・・・それに、
それに、
出て行くときのアイツが寂しそうだったから。
不安そうな、そんな顔。
『行きたくない』
『側に居たい』
そう、言われた気がした。
そんな訳ないのにな。
アコが選んでくれた服を着て行った。
少しは喜んでくれるかと、思ったから。
『エースに似合うのは赤とオレンジとーあ、あと白もいいよね』
『親父の色か。悪くねぇな』
『でしょでしょ?爽やかでカッコイイと思うんだ』
言って笑った君の顔が、
忘れられない。
+そんな訳ないわけでもない 終+
「おかえりー。・・・エース君先に帰ってきてるけど、何かあった?」
家に帰ると早速母が突っ込んできた。
「私、お母さんにエースのことよろしくって言った」
八つ当たりしちゃ駄目。
そう思うのに自然と厳しくなる口調。
「心配だから迎えに行くって聞かなかったのよ」
「でも!」
「ちゃんと服も着てたし、帽子もかぶってたでしょ?」
「それは、でも」
「名前も言わないようにって言っておいたんだけど」
「・・・・それ、は」
「あんた見てなかったけど、玄関で見送った時のエース君の顔、寂しそうだった」
母の言葉に心臓がずきりと痛む。
「だから私が許したの。条件付で」
『アコ一人で行かせていいのか?』
『大丈夫よ。いつものことだし。こっちはそんな危ない世界じゃないのよ』
『でも、万が一ってことがあるだろ?』
『うーん、まあ。絶対安全とは言えないけど』
『・・・俺やっぱ行って来る』
『あ、じゃあ終わる頃に迎えに行ってくれる?』
『今じゃ駄目なのか?』
『そうね。アコの為を思ってくれるなら、もうちょっと待って』
『・・・わかった』
『そして服を着ること、帽子を目深にかぶること、絶対名前を言わないこと』
『約束する』
ああ、そうだ。
エースは確かに名前を言わなかった。
こんなにも心配しれくれてたのに。
ごめん、エース。
心配だったんだ。
ここは俺の世界ほど危険じゃない。
それはわかってる。
でもこないだ声をかけてきた男だっている。
・・・・・それに、
それに、
出て行くときのアイツが寂しそうだったから。
不安そうな、そんな顔。
『行きたくない』
『側に居たい』
そう、言われた気がした。
そんな訳ないのにな。
アコが選んでくれた服を着て行った。
少しは喜んでくれるかと、思ったから。
『エースに似合うのは赤とオレンジとーあ、あと白もいいよね』
『親父の色か。悪くねぇな』
『でしょでしょ?爽やかでカッコイイと思うんだ』
言って笑った君の顔が、
忘れられない。
+そんな訳ないわけでもない 終+