ホームセンターストーリー
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「え、ここ?」
「そうだけど?」
エース君に連れてこられた場所は、
私の住むマンションのすぐ隣だった。
少し小さいアパートの1階。
「け・・・結構近くに住んでたんだね」
「の割りに会わなかったけどな。・・・入れよ」
「お、お邪魔します!」
エース君に促されて、家の中へ。
前におじいさんと住んでいた家も近かったけど、2人暮らししてた場所がこんなに近かったなんて知らなかった。
中はこじんまりとしてるけど、2人で暮らすにはちょうどいいのかもしれない。
・・・・・・でも、定番ていうか何ていうか、片付けが出来てない。
「散らかってて悪ィな」
「・・・・・どういたしまして」
足の踏み場は何とかある。
「おーいルフィ!アコ連れて来たぜ・・・っと」
姿の見えないルフィ君の名前を呼ぶエース君。
しかし返事はないし、居る様子もない。
「ったくあいつ・・・今日はアコ連れてくるから早く帰れって言ったのに」
「ルフィ君今日は何処か行ってるの?」
「友達と遊びに行ってんだ。5時までには帰れって言っておいたのによ・・・悪ィなアコ」
がしがしと頭をかいて申し訳なさそうにするエース君に、大丈夫、と笑った。
「ルフィ君高校生だっけ?」
「ああ」
「そっかぁ・・・あのルフィ君がねえ」
最後に会ったのは小学生の時だったかな。
高校生ならもう立派な男の子だ。
「あー、えっと、とりあえずそのへん座ってろよ。今茶でも入れてくる」
気まずさげに言いながらエース君は背中を向けて台所へ行ってしまった。
案内された居間にはテーブルと、座布団がかろうじて1枚。
「え、あ、お構いなく!」
慌てて返事をして、そっと座布団に手を伸ばした。
・・・・・・・えーっと。
あれだよね、ルフィ君来るまでエース君と2人っきり、っていう。
どっどうしよう!?
周りを見回すと、本やら服やらゴミやらが散乱している。
・・・・・・グルメの本ばっか。
あ、でもあれは【安くて簡単、満腹ご飯レシピ】って・・・ルフィ君の為にエース君が買ったのかな。
高校生っていったら食べ盛りだもんね。
や、ルフィ君は小さい時からだけども。
「何やってんだ、アコ?」
「へ!?・・・・・え、と、エース君も大変だなあって」
お茶を持ってきてくれたエース君に気づかずまじまじと本を見つめていた私。
正直にそう答えるとエース君は苦笑して、
「まぁな」
言いながら私にお茶を出してくれた。
「あ、ありがと。・・・・・・・何かエース君にお茶出してもらうって変な感じ」
当たり前だけど昔はそんなことしてもらったりなんてなかったし。
「インスタントだけど味は保証するぜ?」
「あはは、頂きます。・・・・・ん、美味しい」
「だろ?」
「にしても、こんな近くに居るなら言ってくれれば良かったのに」
「ん?」
「あまったご飯とか持ってきたら食べるでしょ?」
私がそう言うと、エース君は途端に目を輝かせた。
「マジで!?いいのか!?」
「うん、私もたまに作るし、そしたらその時はちょっと多めに作って持ってくるね」
「アコの手作り・・・?」
「あ、私のは嫌?」
やっぱお母さんのご飯がいいかな、と聞いてみると、エース君はぶんぶんと勢い良く首を横に振った。
「やっべェ、すげェ楽しみ!」
子供の頃を思い出す、満面の笑顔にほっと胸を撫で下ろす。
と、そこへ、
「腹減ったー!」
ばたばたと足音をたてて元気に帰ってきた、
「遅ェよルフィ!今日は早く帰れって言っただろ!?」
ぼか、といい音をたてて殴られたルフィ君。
「ってぇ!・・・・アコ?おお!アコじゃねえか!」
殴られてから私に気づいたルフィ君。
「ルフィ君久し振りー!相変わらずだねえ」
「何だよエースー!アコが来るなら来るって言えよーそしたら俺早く帰ってきたのに」
「俺は朝言った。聞いてないお前が悪い」
ああ、なんかこういう掛け合いも久し振り。
「そうだっけ?まあいいや、2人とも一緒にシゴトしてるんだろ?オウムセンターってとこで」
「ホームセンターな」
「仕事っていってもバイトだし、私なんかまだ何も出来ないけどね」
「そうなのか?でもエースが褒めてたぞ?あと、可愛くなったって」
「え、」
ルフィ君の口から告げられた言葉に耳を疑った。
エース君はすぐにルフィ君の頭を殴って、
「馬鹿!それは言うなって言っただろっ」
「痛ぇよエース!」
頭を押さえて涙ぐむルフィ君。
昔はすぐ泣いてたのに、強くなったんだなあ。
なんてしみじみ思いながら顔が熱い私が居る。
「お、ま、え、が悪い!」
「でも言ってただろ?エース」
「・・・・だから俺は、」
「あ、あの!ありがとね?」
これ以上2人の喧嘩が悪化しないようにとりあえずお礼を言っておく。
「ししし!」
満足そうに笑うルフィ君に、結局私もエース君も勝てない。
それは昔も今も変わらないと理解した。
+可愛い弟 終+
「そうだけど?」
エース君に連れてこられた場所は、
私の住むマンションのすぐ隣だった。
少し小さいアパートの1階。
「け・・・結構近くに住んでたんだね」
「の割りに会わなかったけどな。・・・入れよ」
「お、お邪魔します!」
エース君に促されて、家の中へ。
前におじいさんと住んでいた家も近かったけど、2人暮らししてた場所がこんなに近かったなんて知らなかった。
中はこじんまりとしてるけど、2人で暮らすにはちょうどいいのかもしれない。
・・・・・・でも、定番ていうか何ていうか、片付けが出来てない。
「散らかってて悪ィな」
「・・・・・どういたしまして」
足の踏み場は何とかある。
「おーいルフィ!アコ連れて来たぜ・・・っと」
姿の見えないルフィ君の名前を呼ぶエース君。
しかし返事はないし、居る様子もない。
「ったくあいつ・・・今日はアコ連れてくるから早く帰れって言ったのに」
「ルフィ君今日は何処か行ってるの?」
「友達と遊びに行ってんだ。5時までには帰れって言っておいたのによ・・・悪ィなアコ」
がしがしと頭をかいて申し訳なさそうにするエース君に、大丈夫、と笑った。
「ルフィ君高校生だっけ?」
「ああ」
「そっかぁ・・・あのルフィ君がねえ」
最後に会ったのは小学生の時だったかな。
高校生ならもう立派な男の子だ。
「あー、えっと、とりあえずそのへん座ってろよ。今茶でも入れてくる」
気まずさげに言いながらエース君は背中を向けて台所へ行ってしまった。
案内された居間にはテーブルと、座布団がかろうじて1枚。
「え、あ、お構いなく!」
慌てて返事をして、そっと座布団に手を伸ばした。
・・・・・・・えーっと。
あれだよね、ルフィ君来るまでエース君と2人っきり、っていう。
どっどうしよう!?
周りを見回すと、本やら服やらゴミやらが散乱している。
・・・・・・グルメの本ばっか。
あ、でもあれは【安くて簡単、満腹ご飯レシピ】って・・・ルフィ君の為にエース君が買ったのかな。
高校生っていったら食べ盛りだもんね。
や、ルフィ君は小さい時からだけども。
「何やってんだ、アコ?」
「へ!?・・・・・え、と、エース君も大変だなあって」
お茶を持ってきてくれたエース君に気づかずまじまじと本を見つめていた私。
正直にそう答えるとエース君は苦笑して、
「まぁな」
言いながら私にお茶を出してくれた。
「あ、ありがと。・・・・・・・何かエース君にお茶出してもらうって変な感じ」
当たり前だけど昔はそんなことしてもらったりなんてなかったし。
「インスタントだけど味は保証するぜ?」
「あはは、頂きます。・・・・・ん、美味しい」
「だろ?」
「にしても、こんな近くに居るなら言ってくれれば良かったのに」
「ん?」
「あまったご飯とか持ってきたら食べるでしょ?」
私がそう言うと、エース君は途端に目を輝かせた。
「マジで!?いいのか!?」
「うん、私もたまに作るし、そしたらその時はちょっと多めに作って持ってくるね」
「アコの手作り・・・?」
「あ、私のは嫌?」
やっぱお母さんのご飯がいいかな、と聞いてみると、エース君はぶんぶんと勢い良く首を横に振った。
「やっべェ、すげェ楽しみ!」
子供の頃を思い出す、満面の笑顔にほっと胸を撫で下ろす。
と、そこへ、
「腹減ったー!」
ばたばたと足音をたてて元気に帰ってきた、
「遅ェよルフィ!今日は早く帰れって言っただろ!?」
ぼか、といい音をたてて殴られたルフィ君。
「ってぇ!・・・・アコ?おお!アコじゃねえか!」
殴られてから私に気づいたルフィ君。
「ルフィ君久し振りー!相変わらずだねえ」
「何だよエースー!アコが来るなら来るって言えよーそしたら俺早く帰ってきたのに」
「俺は朝言った。聞いてないお前が悪い」
ああ、なんかこういう掛け合いも久し振り。
「そうだっけ?まあいいや、2人とも一緒にシゴトしてるんだろ?オウムセンターってとこで」
「ホームセンターな」
「仕事っていってもバイトだし、私なんかまだ何も出来ないけどね」
「そうなのか?でもエースが褒めてたぞ?あと、可愛くなったって」
「え、」
ルフィ君の口から告げられた言葉に耳を疑った。
エース君はすぐにルフィ君の頭を殴って、
「馬鹿!それは言うなって言っただろっ」
「痛ぇよエース!」
頭を押さえて涙ぐむルフィ君。
昔はすぐ泣いてたのに、強くなったんだなあ。
なんてしみじみ思いながら顔が熱い私が居る。
「お、ま、え、が悪い!」
「でも言ってただろ?エース」
「・・・・だから俺は、」
「あ、あの!ありがとね?」
これ以上2人の喧嘩が悪化しないようにとりあえずお礼を言っておく。
「ししし!」
満足そうに笑うルフィ君に、結局私もエース君も勝てない。
それは昔も今も変わらないと理解した。
+可愛い弟 終+